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部下を殴って「カネ払え」と訴えた美浦村の逆ギレ幹部、水戸地裁もパワハラ共犯
上司が部下を殴る事件をめぐり、訴訟が続く茨城県美浦村。殴ったほうの上司が被害者の職員に対し、マスコミに通報したことが「名誉毀損」だとして損害賠償を請求、水戸地裁は10万円の支払いを被害者に命じた。村内にJRAのトレーニングセンターがあることで有名だ。

 日本中を覆ういじめの「お手本」のような事件が発覚した。部下を殴って罰金刑を受けた茨城県美浦村の課長補佐が、治療費や慰謝料を払うどころか、〈事件をマスコミに通報されて名誉を傷つけられた〉などとして逆に被害者を訴えたのだ。加えて、この逆ギレ提訴に対して、水戸地裁は賠償金10万円を払うよう被害者に命じる“トンデモ判決”を出した。そもそも、判決が「名誉毀損」だとした原因は暴行罪を「傷害罪」と間違って書いた朝日新聞にあるのだが、誤報の責任は不問。強いものには媚を売り、弱い者を寄ってたかって袋叩きにする姿は、現代日本の縮図そのものだ。

【Digest】
◇ 被害者が加害者にカネ払えというトンでも判決
◇振り向きざまに右パンチ
◇「どういうことやったの?おめえ」と課長の暴言
◇「おめえの方がもっと凄い処分でっから」
◇暴行加害者が被害者を逆ギレ反訴
◇ 朝日が3年8ヶ月ぶりに訂正した誤報 

◇ 被害者が加害者にカネ払えというトンでも判決
 あなたを殴って罰金8万円の有罪になった上司に10万円を払いなさい――そんなワケのわからない判決が下されたのは今年9月14日、水戸地裁(脇博人裁判長)でのことだった。

 問題の判決が出された裁判とは、人口1万7000人の茨城県美浦村(中島栄村長)の役場内で起きた暴力事件をめぐる争いだ。2008年9月、同村都市建設課・課長補佐の池延政夫氏(現・同課長)が部下のAさんを殴打、池延課長補佐は09年3月4日、暴行罪で罰金8万円の略式刑を受けた。この事件に関連して被害者のAさんは2010年、美浦村や池延氏ら上司に損害賠償を求めて提訴した。上に紹介した判決はその結果である。

 9月14日の判決で、Aさんはかろうじて33万円の賠償を美浦村に対して勝ち取った。だが、同時に10万円を池延課長に払うよう命じられた。池延課長もまたAさんを訴えていたのだ。なぜ被害者のAさんが加害者の池延課長に10万円を払わねばならないのか。判決によれば、その理由は朝日新聞の誤報にある。

 つまり、現職課長補佐の暴行事件が起きた際、これを最初に報じたのは朝日新聞だった。2009年3月5日の茨城版に「略式起訴」を伝える次の記事が掲載された。

 〈課長補佐が部下殴る/美浦村役場略式起訴―― 昨年9月に美浦村役場で課長補佐(54)が部下の男性(39)に暴行を働きかけけがをさせる事件があり、土浦区検は先月末、この上司を傷害罪で土浦地検に略式起訴した。(後略)〉

 さらに2日後の3月7日には略式命令の事実が、同じく茨城版で報じられた。

 〈殴った上司に罰金8万円の略式命令――美浦村役場で昨年9月、窓口対応をめぐり男性職員(39)に暴行を働きけがをさせたとして傷害罪に問われた上司の課長補佐(54)に対し、土浦簡裁は罰金8万円の略式命令を下した。〉

 美浦村からの発表はなく、どちらの記事もAさんの通報が端緒だった。小さな特ダネ扱いだが、じつは2つの記事には誤りがあった。「傷害罪」の部分である。本当は「暴行罪」が正しい。そしてこの誤りが原因で名誉を傷つけられたとして池延課長はAさんを反訴した。反訴とは民事訴訟の被告が同じ法廷で逆に原告を訴える裁判手続きである。

 朝日の誤報はAさんのせいだというのが池延課長の理屈だった。そして判決はこの主張を認めてAさんに10万円の賠償を命じたのだった。

 暴行事件の誤報の責任をなぜ被害者が負わなければならないのか――Aさんはもとより、支援者も唖然としたのはいうまでもない。

暴行の被害者Aさんが「名誉毀損」に問われた問題の記事。「暴行罪」と書くべきところを「傷害罪」と誤っている。だが「名誉を毀損された」と訴えながら、池延政夫・現都市建設課長が当の朝日新聞に訂正を求めた形跡はない。

 

◇振り向きざまに右パンチ
 この判決のトンでもぶりについては後段であらためて触れるとして、まず暴力事件の経緯から記述したい。

 訴訟記録によれば事件の概要は以下のとおりである。

 〈2008年9月9日午後5時すぎ。村役場庁舎2階の都市建設課。Aさんはいつものようにホウキで床を履いていた。そこへ上司の池延政夫氏が大声で何かを言った。乱暴な口調だったのでAさんはうんざりした気持ちになり、生返事をしながら顔を上げた。その顔の右ほほを池延氏はいきなり右拳で殴りつけた――〉(趣旨・以下同じ)

 Aさんを殴った動機について池延課長は、「指導」するつもりだった、と弁解している。その大意はこうだ。

 〈午後5時前ごろ、都市建設課のカウンターに来客があった。別のM職員が対応していたところ、デスクについていたAさんに対して池延氏が「カウンターに行って対応するよう」指示した。だがAさんは行かずに手持ちの仕事を続けた。こうしたAさんの態度が池延氏の目に「反抗的」と映った。〉

 この出来事が伏線となり、1時間足らず後、池延氏はAさんに手を上げることになる。

 「来庁者への対応が悪かったことと、注意したときに、Aさんの態度が反抗的で、抑えきれずに思わず手を出しました」

 裁判で池延氏は述べている。

 もっとも「来庁者への対応が悪かった」という言い分については、Aさんは反論する。すなわち、来客の用件はAさんが知らない内容で、応対せよという指示の意味がわからなかった.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



暴行事件の様子を示した現場見取り図(被害者のAさん作成)。都市建設課の小泉菊男課長が座る席のすぐわきで、池延課長補佐はAさんを殴った。小泉課長は警察に相談したAさんに対して「おめえの方がもっと凄い処分が出っから」などと暴言を浴びせた。
「暴行罪」を「傷害罪」と誤報した朝日新聞の記事をめぐり、被害者のAさんに対して10万円の支払いを命じるという「トンでも判決」を下した水戸地裁(脇博人裁判長)。裁判官がいじめの片棒を担いでいるといっても過言ではない。
暴行で有罪になった池延政夫都市建設課長補佐は後に同課長に、暴言を浴びせた小泉菊男課長は総務部長に、それぞれ昇任した(美浦村議会会議録より)。
朝日新聞が2012年11月27日付で出した訂正記事。池延氏が「名誉を毀損された」という誤報が出てから3年8ヶ月ぶりの訂正だった。

関連記事
記者コメント
「◇『どういうことやったの?おめえ』と課長の暴言」の項中、「小泉菊男・都市計画課長(現在は総務部長)」とあるのは、「総務部長を経て定年退職」の誤りでした。お詫びの上訂正します。(本文訂正済)
2012年12月6日 三宅勝久
 美浦村暴力上司「逆切れ」裁判控訴審第1回口頭弁論は、2013年1月28日午前10時より東京高裁824号法廷で開かれる。平成24年(ネ)6693号。
本文:全約6000字のうち約4200字が
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(誤字訂正)  19:28 09/13 2014
美浦村の逆ギレ幹部・都市建設課長補佐(現 都市建設課長) (誤)池辺政夫 (正)池延政夫
弱いものの見方  21:34 07/01 2013
暴力反対 池辺政夫 野蛮人 いいかげんにしろ 美浦村は腐ってる 裁判圧力がかかってる 
美浦村の応援団  15:06 01/02 2013
一方からの言い訳は誰も信じません。この人の行っている事が正論であれば、役場の職員は仕事をしなくても良いことに成ります。村民の問いかけを無視し、相談行っても無視するような職員は要りません。もし、彼方の様な職員がいたら税金は一切お断りです。裁判所は正しい。
俺はトヨタ系  17:25 11/30 2012
公務員のレベルはドンドン下がるばかり。暴行を働く馬鹿を、総務部長?呆れて何も言えねぇ~。