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ブラック大学・法政が労働契約法の脱法を狙い雇い止め強行、2名が大学と理事ら11名を告訴
大学法人と前総長ら理事11名の処罰を求めた告訴状の主要部分。就業規則変更にともなう意見聴取を施行前にしなかったことを理由に告訴する意向があったが、立川労基署の勧めもあり、届け出をしなかったことに絞っての告訴となった。

 法政大学理系学部の特任教育技術員(実験助手)は、「3年契約で65歳の定年まで就労可能」という条件で、2009年4月に採用された。そのひとりAさんは、11年9月に、翌12年4月から3年間の再契約をする約束を大学側と交わした。ところが大学側は急遽、12年1月1日に、当事者に知らせず、就業規則を改定。最初の3年契約の終了後、1年契約2回を限度とする5年雇止め制を導入し、一方的に通知してきた。改正労働契約法によって契約期間が通算5年に達すれば労働者は無期契約を申し込めることになり、過去にさかのぼって無期契約転換権が特任教育技術員に適用されてしまう、と大学側が勘違いした結果だった。今年3月に、教育技術員12名全員を解雇(雇止め)し、そのうちの2名が6月27日に東京地裁に地位確認と未払い賃金の支払いを求めて提訴、7月18日には、立川労働基準監督署に大学理事らを告訴した。ブラック企業化する大学の労働環境を報告する。(訴状は記事末尾でダウンロード可)

【Digest】
◇理系の実験に必要な教育技術員
◇3年契約繰り返し定年の65歳まで就労可
◇当事者が知らない間に5年雇止めの規則変更
◇勘違いで就業規則を一方的に改定
◇労働契約法や私大連盟の雇止め条件満たさず
◇過半数代表選出もせず労働基準法違反
◇9月に法政ユニオン結成し対抗

◇理系の実験に必要な教育技術員
 非常勤講師たちが鎌田薫総長ら理事18人を刑事告訴した早稲田大学に次いで、法政大学では、職員扱いの特任教育技術員(旧称は実験助手)が、労働基準法違反で理事12名を立川労働基準監督署に刑事告訴し、また地位保全などを求めて東京地方裁判所に提訴した。

 両大学で起きている事件は、大学のブラック企業化を象徴するかのようだ。

 今回雇止めにされて訴えたAさん(50歳)は、他大学で准教授として働いていたが、2009年4月から法政大学理工学部で実験等を補助する技術員としての職を得た。

 直前までは東京から遠く離れた大学の専任教員だったが、首都圏に住む高齢の両親のことを考えて東京の大学で職を得ようと思ったからだ。Aさんが話す。

 「家庭の事情のほかに、DNAナノテクノロジーに関する共同研究を東京の有力大学の指示を受けて共同研究をしていたので、東京の大学に職を得られれば実験装置を頻繁に使えることになり、研究にも都合がいいと、この職に応募したのです」

 特任技術員とはどういう仕事内容なのだろうか。

 「特任教育技術員というのは、学務課所属の技術嘱託の扱いです。出勤の監理は学務課が行いますが、実際の業務内容のすべてを担当する教員から指示されるので、学務課は内容を知りません。

 実際の業務は、複数の教員から指示を受け、時間のやりくりをしながら同時並行で進めていきます。

 学科の立ち上げのための支援、自分が担当する実験テーマの準備、補助指導、学生が持ってきた実験レポートの試問。そのレポートに関する評価原案を作成して教員に提出したりします。

 2009年に最初に契約をしてから2年間は、新規実験の設備の設計、整備、運用ルールの調整などの仕事で、7月、12月、1月の忙しい時期には連日の残業でした。

 こうした業務に加えて、学生相手の仕事なのでそれなりに大変な面もありました。実験で苦戦しているときに、ちょっとした補助で目に見えて進歩していく学生がいたり、実験設備の設定の補足説明などに非常に興味を持ってくる学生も出たりして、大変だけれどもやりがいのある仕事だと思っています」

法政大学小金井キャンパス。ここには理工系学部が集まり、ここで特任教育技術員の雇止め問題が起きている。
◇3年契約繰り返し定年の65歳まで就労可
 さて、Aさんは具体的にどのような契約を大学と取り交わし結局は解雇(雇止め)されてしまったのだろうか。再びAさんの体験を聞いてみる。

「2009年2月の採用面接の際に、主要な面接官から、業務が問題なくこなせれば3年間の再契約になるが、65歳を超える契約はできないということを言われました。実際、面接の説明通りの雇用契約内容を記述した書類を人事担当者が送ってきました。

 このときの面接で、もちろん学科改変時の組み換えなどによって終身雇用にはならないにしても、きちんと働いている限り、少なくとも学科の存続期間中には雇用されつづけると思いました」

 こうしてAさんは2009年4月1日から2012年3月31日までの契約を結んだ。その当時の「法政大学工学部・理工学部・生命科学部およびデザイン工学部特任教育技術員の就業に関する規則」には、次のように記載されている。

≪第5条 特任教育技術員の雇用期間は3年とし、再任をさまたげない。ただし、65歳に達した日の属する年度の末日を限度とする≫

 この就業規則と採用面接の内容を見る限り、まじめに仕事をすればずっと働き続けられると考えるのが普通だろう。

 そして2012年3月末日の契約更新時期が近づいた。Aさんによると、最初に更新の話を聞いたのは、2011年8月~9月である。

「学科の准教授から非公式に雇用契約更新の打診があり、私と他の特任教育技術員は契約を延長したいと伝えました。これが2011年の8月末から9月にかけてです。

 それから間もない10月に、今度は教授から私と他の教育技術員に個別に.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



A氏が最初に交わした雇用誓約書。採用から2年半後に学科教員から更新の申し出があった時点では、3年契約を繰り返し、定年の65歳まで安定して働けるはずだった。
A氏が2度目に交わした雇用契約書。契約期間が1年間にされている。これが最後の契約書で、次の2013年4月1日から2014年3月31日までの雇用契約書は交さずに何の問題もなく働き続けた。それに対して雇用者は異議をまったくとなえていない。
法政大学は、3年更新を繰り返して定年の65歳まで働ける就業規則を、5年上限を設けた新就業規則に強引に変更した。変更にあたり、専任教職員組合との話し合いもなく、当事者たちとの話し合いもなく、規則変更時に義務付けられている過半数代表者選出もなく、労働基準監督署への届け出もなかった。法によって義務付けられている届け出をしていないとなると、旧就業規則が適用されることにならないのだろうか。
原告のAさんとBさんを支援する首都圏大学非常勤講師組合のビラ。提訴した2014年6月27日付のもので、問題点が的確に指摘されている。

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記者コメント
第一回口頭弁論8月26日(火)午前10時より東京地裁611号法廷
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林克明  08:36 08/09 2014
会員
2006年頃から私は、折に触れて法政大学の様子を見てきたが、公安警察と一体となって学生を弾圧してきた大学当局にカルト的なものを感じる。法廷の場で決着をつけるしかないだろう。