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記憶力低下招くトランス脂肪酸 大きく減らす敷島製パン、微増の山崎製パン

情報提供
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敷島製パン(Pasco)のこの1年間でのトランス脂肪酸削減結果
 菓子パンのトランス脂肪酸含有量に、この1年で大きな変化が起きたことが筆者の調査で分かった。2013年12月に「山崎製パン」と「敷島製パン(Pasco)」を比較した調査では、圧倒的に敷島製パンの方が高い値を示していた。それから1年、今年1月のデータもとに再度比較したところ、敷島製パンはトランス脂肪酸を大幅に削減していたが、山崎パンは、ほぼ変更なしか、微増であった。トランス脂肪酸の有害影響は、心臓疾患リスクの上昇が注目されているが、昨年11月のアメリカ心臓協会の学術大会発表では、1日1グラムのトランス脂肪酸の増加で記憶力の低下が起こるという人間での実験結果も発表された。将来の心疾患だけでなく、若いうちからの記憶力の低下につながるリスクもあるので要注意だ。
Digest
  • トランス脂肪酸を減らすPasco
  • 全然減らさない山崎製パン
  • 日本でも945人の死亡者削減効果
  • 1日1g摂取で記憶力に影響が

トランス脂肪酸を減らすPasco

業界第2位の敷島製パン(Pasco)が、菓子パンのトランス脂肪酸削減に本腰を入れていることが分かった。

トランス脂肪酸の表示が一向に進まない日本で、唯一製パン業界だけは、率先して含有量の表示に取り組んでいる。特に主要2大メーカーである山崎製パンPASCOブランドの敷島製パンは、各社のホームページ上でトランス脂肪酸低減の取り組みの一環として、主要商品の栄養成分の一覧表の中でトランス脂肪酸の表示も行っている。

2013年12月15日の記事「敷島製パンはトランス脂肪酸漬け コンビニ独自ブランドパンではファミマとサンクスに要注意」では、2社の公表データを元に、パン1個当たりトランス脂肪酸を1g以上含むワーストパンのランクキングをつけた。その段階では敷島製パンの方がトランス脂肪酸の含有量は多かった。

今回その後1年間で、それらの含有量がどれくらい変わったかを調べてみることにした。

表紙の表は、敷島製パンのワースト9位だった商品について、2015年1月8日段階での含有量を調べて比較したものだ。1個当たり1g以上の商品は9商品から1商品へ激減している。

中でも「サンドロールダブルバナナ」「サンドロールダブルメロン」「ホットケーキサンドマーガリン」などは、1年前は1.8g、1.6g、1.5 g あったものがすべて0.1gと激減している。

敷島製パンは、自社のトランス脂肪酸対策のページでも「トランス脂肪酸低減」を明示しているので、削減の本気度が現れた数値だ。

全然減らさない山崎製パン

一方、業界1位の山崎製パンはどうだろうか?

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山崎製パンのリスト この1年間ほとんど削減なし。

2013年11月段階では、山崎製パンも1個当たり1g以上トランス脂肪酸を含む菓子パンは9種類あった。しかし当時は、敷島製パンと比べるとトランス脂肪酸の量は圧倒的に少なかった。敷島製パンのワースト9商品の中には1個当たり3g以上含むものが1種類、2g以上でも3種類もあったのに対して、山崎製パンのワースト9商品の場合、1番多いものでも1.3g止まりだった。

左図が、それらの9商品の、現在の含有量を比べたものだ

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2015年1月段階での山崎製パンと敷島製パンのトランス脂肪酸ワースト10位比較。敷島製パンの方が含有量は少なく、この1年間で逆転した。

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信用ならない2017/08/05 01:02
米国では全面禁止2015/06/18 05:18会員
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