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ホリエモン報道のDevil's advocate-3「事件化した後でないと法律が出来ない愚かな国」

情報提供
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ジュリスト2003年2月1日
「新聞記者の個人HPにおける企業批判行為と懲戒処分の効力」。
広告主である企業様を批判することに、いかに新聞社が後ろ向きであるかがよく分かる判決。
 パックジャーナリズム(パック旅行のような同じ内容の報道)によってマスコミが世間的な有罪を確定させてしまっているが、対立する一方(検察側)の情報しかない現状では、まったく事実関係は分からない。この公開処刑は目に余るので、堀江氏はマスコミ相手の名誉毀損の裁判を、是非やるべきだ。
Digest
  • グレーゾーンは、日本の権力構造の本質
  • 事件にならないとグレーゾーンが埋まらない国

過去に判例がなく、裁判をやってみないと分からない、というケースは、世の中にゴマンとある。ライブドアは「オン・ザ・エッジ」(ギリギリのところ、最先端)との旧社名通り、グレーゾーンを攻めていく会社だった。

法律が不備なのは国会の責任、政治家の責任で、奴らがトロいのが悪い。だからオレ達はそこを突く。これは正論である。誰かがやらなければ、空白は埋まらないのだ。埋めろといって動く奴らではないのが問題だ。

しかし、グレーゾーンが事件化された場合、権力側が必ず勝つようにできているのがミソである。ここが日本の恥部だろう。グレーゾーンをなるべく大きくしておいて、事前的にgyosei- shido(行政指導)をし、事後的には一発アウトの逮捕に踏み切る。これでは、安心して生活できないではないか。

グレーゾーンは、日本の権力構造の本質

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労働判例2002.8.1-15(NO.827)_P91「日本経済新聞社(記者HP)事件」。「編集記者に対する編集部長のHP閉鎖命令は、労働契約上許されない記載部分を特定することなくHP全体の閉鎖を命じたものとして、業務命令権を逸脱した無効なものというべきで、これに従わなかった行為を懲戒処分の対象にすることは許されないとされた例」

実は私も、その被害者だ。私は大学生だった94年から自分のWEBページを持っており、今でいうブログ的なものもやっていた。就職しても続けていたところ、部長が閉鎖命令を出してきた。

私は言論の自由を主張して反対したところ、突然、懲戒処分となった。個人のカネで運営しているWEBページを、全面閉鎖させるなんて、ありえないことだ。プライバシーの侵害であって、表現の自由を侵している。

 私は、これを不服とした裁判を起こし 、全面閉鎖命令自体は違法とされたが、WEBの内容の一部に会社の経営方針・編集方針を害する部分がある、とのことで、結局、勝てなかった。

未だに理解できないのは、会社が違法な閉鎖命令をしなければこの問題は起きなかったのに、その問題を放置して、私の懲戒処分だけは有効としたことだ。

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労働判例2002.8.1-15(NO.827)_P92,93

さらに、「経営方針・編集方針を害する」というのが重要な懲戒の理由であるが、これは経営方針と編集方針がどこかに明示されていない限り、何も言っていないに等しく、社員は分かるはずがない。私が思っているジャーナリズムの編集方針では、私のような社内言論活動は、最大限、尊重されるべきであり、まったく懲戒の対象となる箇所など見当たらなかった。

要するに、どうとでも解釈できるグレーゾーンだった訳だ。方針を明示してしまうより、何とでも解釈できるようにしておいて、都合の悪いことはすべて当てはめてしまえばよい、というご都合主義。これがまかりとおると、社員は何もできなくなり、要するに社内規定などないのと同じことにある。労組も御用労組で何もしない。本当に絶望的な会社であった。

 会社はさらに、事後的に、「業務外のホームページ等に関する規定 」という社内規定を作成、施行した。これは、私が作ったような規定だ。

これは「それまでは規定がありませんでした」ということを証明しているようなもので、それでも私の懲戒処分はくつがえらなかった。グレーゾーンでは、絶対に権力側が、企業側が勝つのが、日本の権力構造なのである。

事件にならないとグレーゾーンが埋まらない国

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明日でまる7年!の辞令

今回も、ホリエモンのおかげで出来る法律がたくさん出来上がるだろう。ひとつのグレーゾーンが埋まり、社会はより良くなったのである。重ね重ねいうが、事件化して被害者を出さないとグレーゾーンが埋まらないのは政治の怠慢であり、証券取引等監視委員会といった、本来の使命としてライブドアの動きを監視し必要なら法改正を促して調査すべきだった組織のしかるべき立場の人は、必ず処分されねばならない。日本はこの種の「不作為」に満ち溢れている。

日本のジャーナリズムとしてさらに最悪なことに、この件は、文春も新潮も、大手雑誌は、書かなかった。取り上げたのは法律専門紙のみだ。これは恐ろしいことだ。存在自体がなかったことになってしまう。

 こういう事例はたくさんあるはずだ、との思いで、誰もが記事を発信できる仕組みとして、私は本サイトを立ち上げた。今では日本のネット新聞社として私の知る限り唯一、経営的な成功を収めている。同じようなめに遭っている方がいたら、ぜひ情報提供していただきたい。どんどん掲載していく。

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nordicman2008/09/25 13:20

渡邉正裕

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