画像1:本社にある、サーバーを管理するコントロールルーム。左側にある黒い物体がサーバー。座っている女性社員たちは、まさかサーバーが稼動していないとは思わずに勤務していたと思われる。
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近未来通信に入社してしばらく勤務すると、IP電話「スーパーネット」のユーザーは本当にいるのか?また、オーナーに最低一千万円以上で販売しているサーバー中継局は本当に稼動しているのか?という疑問が、日に日に募っていきました。そして、ある日、サーバールームへの潜入を果たすことで、その疑念が的を射ていたことを目の当たりにしたのです。スーパーネットなど、存在していなかったのでした。
【Digest】
◇社長「ユーザーはいないよ」
◇ユーザーの申込みゼロ、対応する部署すらなかった
◇イニシャルで言え
◇入ると殺されるくらいの勢いのサーバールーム
◇サーバーの中身は空だった
◇わざと遠方のサーバーを買わせる
◇なんだかんだ言って見せない各地のサーバー局
◇ハワイのサーバー視察ツアーは旅行気分
◇社長「ユーザーはいないよ」
本社のサーバー営業部で勤務するようになって、高い給料をもらって定時に帰れる会社なのはよかったのですが(参照「
支店長年収3千5百万、新人営業1千万の仕掛け」)、社長や上司の発言に不信を抱くことが度々ありました。
石井優社長は、自身も営業上がりということもあって、営業マン想いの人で、すれ違ったときなどに「がんばれよ」とよくはっぱをかけられました。ある時、私は、その社長に「(IP電話の)スーパーネットのユーザーって、何人くらいいるんですか?」と聞いたんです。すると社長は「いないよ」とニコニコと冗談っぽく笑いながら「10人前後はいるんじゃない?何人いたっていいんだよ」と言ったんです。
その時は冗談だとばかり思っていました。でも、上司も「いつまで営業できるかわからないから、営業できるうちにしっかり稼げよ」と言っていたり、社長が専務との話の中で「ユーザーが一人いてサーバーが一台でも稼動していれば、立派な通信会社だ」と言っていたと他の社員から聞いたこともあったので、ひょっとして、うさん臭い仕事なのかな、とその時、少し思いました。
それに、上司と、会社が終わって居酒屋にいったとき「サーバーの中身は空だから」とその上司が言ったんです.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
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画像2~5(上から)
画像2:サーバーの中身は空。サーバーの隙間から、携帯電話のカメラで撮影した写真。フラッシュをたいたため、光っているが、中身は配線だけで、カラだった。
画像3:サーバー正面にあるランプ。パワーしか点灯しておらず、緑のランプは全て消灯。サーバーが稼動している気配はない。
画像4:通信網につながっていないサーバーの回線。上の黒い機材がサーバー。その下にはターミナルアダプタの役割を果たす機材があり、各サーバーと接続する回線が左側に多量についていて、右側にそこから通信網に接続するための回線がのびている。
画像5:ターミナルアダプタからのびている通信網に接続するための回線が、カーペットの下に入っている。 |
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画像6:サーバー中継局一覧の記載された資料。国内86都市、海外22都市にサーバー中継局が設置されているとあるが、実態は稼動していない。 |
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画像7:サーバー機材費の明細が記された「スーパーネットシステムX・中継局事業計画表」。ここにある初期費用総計約1130万円が、オーナーの投資費用。ここに記載された「Super Net Original Universal Port」399万円、LAN環境構築費6万3千円など計920万円以上がサーバーの設備費用としてかかっているが、サーバーの中身は空で、回線も接続されていなかった。 |
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