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「納豆で血液サラサラ」は嘘 「あるある大事典」とNHKのトリック
納豆で血液は絶対にサラサラにならない。食べたければ、おいしく楽しく食べればよい。

 「あるある大事典」は納豆の血液効果、「ためしてガッテン」は納豆の血栓防御効果があるかのように視聴者に思い込ませてきた。NHK「生活ほっとモーニング」も納豆効果を9月に放映したので、私が医師の立場から疑問をぶつけたところ、「ナットウキナーゼ(納豆菌がつくる酵素)が血液中に吸収されないことは認識している。血栓を溶かしているとは言っていない」と放送内容とは矛盾することを言い出し、さらに「否定の論文がないから肯定した」とあきれる回答をしてきた。

【Digest】
◇健康トリック番組が流す間違った健康情報
◇試験管内を体内に見せかけた「あるある大事典」
◇「納豆で血栓が防げる」と宣言した「ためしてガッテン」
◇「血栓を溶かす作用を確認」という「生活ほっとモーニング」
◇NHK「血栓を溶かさない論文がないから肯定」と回答
◇医学的な信頼性を検討せず取り上げる健康番組
◇血液サラサラは出血ドバドバ
◇血栓が脳梗塞や心筋梗塞のすべての原因ではない

◇健康トリック番組が流す間違った健康情報
 今や「1億総病人」といわれる時代である。

 そして、ガンになりたくない、認知症(痴呆症)になりたくない、花粉症になりたくない、風邪を引きたくないなどと思っているときに、テレビで「体にいい食べもの」と紹介されれば、すぐにスーパーへ買いに行ってしまう人がいる。

 しかし、「健康番組」で言っていることをそのまま信じてしまえば、1日に緑茶を7杯、ココアを3杯、コーヒーを5杯、にがり水を5杯、さらに水を2リットル飲まなくてはいけなくなる。

 こんなことをしたらご飯など食べられない。常識で考えればとても信じられないようなテレビの内容でも、真剣に受け止めてしまう人がいるようだ。

 健康トリック番組が流し続ける間違った健康情報について、医師のわたしも見逃すわけにはいかない。

◇試験管内を体内に見せかけた「あるある大事典」
 今回伝えたいのは、納豆である。

 納豆を食べると血液がサラサラになると思っている人が多いのではないだろうか。しかし、残念ながら納豆を食べても血液は絶対にサラサラにはならない。

 2001年5月23日放送のフジテレビ「あるある大事典」では、「納豆を食べると血栓が溶けて血液がサラサラになる」と言っていた。

 血栓とは、血液中にできる血の塊で、血管を詰まらせる原因のひとつである。

 まず、試験管を使って人工的な血栓を作り、血管の中の血栓をイメージさせたのである。そこにナットウキナーゼ(納豆菌が作る酵素のひとつ)を入れると、血栓がみるみる溶けていき、30分後には血栓が半分になっていた。

 まるで、血管内の血栓も同じように溶けていくかのようだ。

 さらに、ナットウキナーゼを発見した学者(須見洋行倉敷芸術科学大学教授)が「出来た血栓を溶かせる食品は、世界に納豆しかない」と言っていた。

須見研究室 

 このように言われれば、「納豆を食べていれば血栓は溶けてしまう」と思ってしまい、人によっては「脳梗塞や心筋梗塞になっても納豆を食べれば治ってしまう」と極端に間違った考え方をして、納豆を過信してしまう人もいるかもしれない。

 では、どこにトリックや大ウソがあるのか?

 このように思い込んでしまうのは、納豆を食べれば、血栓を溶かすナットウキナーゼが腸から吸収されると信じているからだろう。

 ところが、納豆を食べてもナットウキナーゼは胃腸の消化液で分解される。たとえ分解されずに腸にいったとしても、分子量(粒子)が大きすぎて腸から血液には吸収されない。ナットウキナーゼの分子量は2万。腸からは分子量が約1万以下の物質しか血液中には吸収されないのである。

 その証拠に、「人が納豆を食べた後、血液中にナットウキナーゼが検出された」というデータはない。当然、「脳梗塞や心筋梗塞になった人が納豆を食べて血栓が溶けた」という確実な症例もない。

納豆で血液サラサラにならない理由。

 

 

 納豆で「血液サラサラにならない」をわかりやすくまとめてみた(右記画像参照)。

 疑問に思ったので放送直後から何回かフジテレビ(制作は関西テレビ)に電話してみたが、担当者の名前も教えてくれなければ、取り次いでもくれなかった。2006年4月26日にFAXで質問を送ってみたが(画像参照)、回答は一切なかった。

 これが、「納豆のナットウキナーゼが試験管内で血栓を溶かす」という事実を強調しておき、「納豆を食べると血栓が解ける」「納豆を食べると血液がサラサラになる」という間違いを信じ込ませるトリックである。

 また、ナットウキナーゼが試験管内の血栓を溶かすのは事実だろうが、血栓だけを特異的に溶かすのではなく、タンパク質を溶かす、単なるタンパク分解酵素である可能性がある。

 もし人にナットウキナーゼを点滴したら、ナットウキナーゼはタンパク質だから拒絶反応を起こすかもしれない。さらにナットウキナーゼは血栓のみならずタンパク質を分解する酵素であれば、血小板や赤血球や白血球が壊れてしまい出血しやすくなったり、貧血になったり、黄疸になったり、免疫力が低下するかもしれないのだ。

◇「納豆で血栓が防げる」と宣言した「ためしてガッテン」
 2003年9月24日放送のNHK「ためしてガッテン」では、納豆の血液サラサラ効果に疑問を示し、「納豆の血液サラサラ効果はナットウキナーゼによる血栓を溶かす作用と言われているが、納豆を食べてナットウキナーゼが血液中に吸収されるという証拠はない」と正しいことを言っていた。

 ところが、「納豆を食べて血液中に血栓分解産物が急激に増えた」という実験データを持ち出し、「納豆を食べると血栓が大きくなるのを防げる」と間違ったことを言ったのである。

 この研究は納豆を食べた後、血液中の血栓が溶けて分解した血栓溶解産物という物質が増えたというものだった。しかし、血栓溶解産物が増えたからといって血栓が溶けた、とか血栓が大きくなるのを防げる、と言えるものではない。

 この研究では納豆を食べて血液中の血栓溶解産物は測定しても、ナットウキナーゼは測定していない。あるいは測定したかもしれないが、当然検出されるはずはない。

 せっかく「納豆を食べてもナットウキナーゼは血液中に吸収されない」と正しいことを言ったにもかかわらず、的外れな研究データをトリックに使い、「納豆を食べると血栓が大きくなるのを防げる」と大ウソを言ったのである。

(上)「あるある大事典」制作の関西テレビに2006年4月26日に送った質問状の納豆に関する部分。納豆以外についても番組への疑問を同時に質問しているが、回答は一 切なかった。
(下)2004年12月21日付でNHKにFAXを送った質問の回答への連絡があったのは、NHK科学・環境番組部 専任ディレクター北折一氏。その後、北氏から届いた、納豆に関する部分の回答。

 しかし、さすがにこの研究データに疑問をもっていたのか、「血栓を作らない」とか「血栓を溶かす」とは言えなかったようだ。

 2004年「NHKに言いたい」という番組の放送中にNHKに電話をしたことがあった。その後、『NHKためしてガッテン』(日本放送出版協会)のあとがきにあったNHK科学・環境番組部チーフプロデューサー 藤川大之氏に質問状を渡してもらうように、2004年12月21日付でNHKにFAXを送った。そのときの宛名は、NHK国際放送局稲本氏。ただし、そのときに質問したことのメインは「アミノ酸」についてだった。

 年があけて2005年、NHK科学・環境番組部 専任ディレクター北折一氏から電話をもらったとき、FAXで送った質問以外、納豆の血液効果の話におよび、それについても文書で2005年2月18日に回答をもらったのだが(右記画像)、回答にあった論文には「人が納豆を食べた後、血液中にナットウキナーゼが検出された」というデータはなく、納得のいく回答はなかった。

◇「血栓を溶かす作用を確認」という「生活ほっとモーニング」
 2006年9月11日のNHK「生活ほっとモーニング」では「クイズ de なっとく! 納豆&ヨーグルト徹底活用術」と題して、「納豆のナットウキナーゼには血栓を溶かす作用が確認されている。食後2~12時間効き目がある」という内容を放送した。
(上)NHK「生活ほっとモーニング」(2006年9月11日)で紹介した「クイズ de なっとく! 納豆&ヨーグルト徹底活用術」の紹介サイト。

(下)NHK「生活ほっとモーニング」宛に10月13日に送った質問書。回答は電話。

 

 

 

 


 この放送内容に疑問を持ったので、NHKに以下のような質問をすることにした(全文は右記画像)。

 納豆を食べてもナットウキナーゼは胃腸の消化液で分解されてしまい、たとえ分解されずに腸に行ったとしても、分子量(粒子)の大きさが大きすぎて吸収されない.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



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コンチキチン  10:07 08/04 2018
そもそもナットウキナーゼがタンパク質であることの本質を理解しておれば、納豆を食べても胃腸で消化分解され血栓溶解作用は無いのが自明です。まあ、納豆は優れた植物性タンパク補給食品の位置づけで十分健康食品です。
祇園山笠  08:24 08/03 2018
食物が腸管から血中に入る経路は以下の通りです。小腸大腸の絨毛細胞間隙(タイトジャンクション)-毛細血管-腸管膜静脈-門脈-肝臓-大静脈-右心房-右心室-肺-左心房-左心室-大動脈-全身の動脈-毛細血管-細胞です。絨毛細胞の細胞間隙は小腸では600以下、大腸では300以下の分子量しか通過させません。分子量31000のナットウキナーゼは巨大過ぎて細胞間隙をすり抜けられず血中に入れません。
ちりとてちん  13:16 08/02 2018
ナットウキナーゼが経口では無効であることは「リピンスキーの法則」からも断言できます。飲み薬を開発する場合に「Lipinski’s rule of five」という有名な5つの経験則があります。その1つに「分子量が500以下」というのがあります。これは腸管吸収できる分子の大きさを示したものです。ナットウキナーゼは分子量31000もの巨大分子でサイズが大き過ぎて全く腸管吸収できず無効です。
衣笠山の狸親父  12:13 08/02 2018
ナットウキナーゼ(分子量31000)は腸管吸収されません。納豆を食べても無効です。世界で初めて小腸と大腸で吸収可能な分子量サイズを明らかにしたのは木村 聰城郎 岡山大学薬学部名誉教授(京大薬学博士)です。 Toshikiro Kimura: " Biol.Pharm.Bull.17(2). 327-333 (1994) 【研究内容】小腸で吸収できるのは分子量600以下、大腸では300以下である。
先斗町  11:55 08/02 2018
ナットウキナーゼ(分子量31000のタンパク質)は経口では全く吸収されない事である。これは腸管に常在又は口から侵入する病原微生物を血中(致命的な敗血症となる)に入れないよう防御する機能として、分子サイズの大きさで選別している。通常300(大腸)-600(小腸)までの分子量の小さい物質しか通過させない。さらにナットウキナーゼはタンパク分解酵素でアミノ酸やペプチドに消化分解され無効になる。
北斗の剣  11:45 08/02 2018
健康食品のウソは口から食べたものがそのまま腸から吸収されて血中に取り込まれると誤解している点です。ナットウキナーゼ(たんぱく質、分子量31000)はタンパク質消化酵素でアミノ酸やペプチドに分解されてしまいます。たとえ分解を免れたナットウキナーゼは腸で吸収されず糞として体外に出るだけです。腸には生体防御機能があり、ウイルスなどの病原微生物を吸収しないように分子量が600以上の物質を吸収しません。
オオサカタロウ  11:33 08/02 2018
ナットウキナーゼ(分子量31000タンパク質)は確かに血栓溶解作用があります。それは試験管の中で血栓と混ぜれば溶けるというだけの話です。実際は血管の中で血栓ができるので、ナットウキナーゼも血中に入らないといけません。血中に移動するためには、腸での吸収が必須ですがナットウキナーゼは分子サイズが大き過ぎて吸収しません(分子量600以下のみ)。病原微生物を血中に入れよう分子サイズで制限しています。