A 優良企業 【生活犠牲型】
(仕事4.5、生活2.7、対価5.0)
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昨秋倒産し、「リーマン・ショック」で世界金融危機の引き金ともなったリーマン・ブラザーズ。日本でも民事再生手続きが進行中で、日本法人は野村ホールディングスが買収した。倒産を機に転職を余儀なくされた元リーマン・ブラザーズ證券社員に、倒産前後のリストラ・転職事情や社員の生活、企業カルチャーなどについて率直に話してもらった。
【Digest】
◇森ビル、潰れるんじゃないかと
◇人事部社員には給与を2倍払ってリストラさせた
◇入社1ヶ月で潰れたボストン採用組
◇「やりがいはお金だけ」
◇新卒から「野村の2.8倍」
◇「誰に採用されたか」が重要
◇「誰か1人出せ」と言われ秘書が切られた
◇朝7時過ぎには全員勢ぞろい
◇立ち飲み、カードゲームのバクチ好き
◇森ビル、潰れるんじゃないかと
「これ、森ビルからのメールですが…」。元リーマンブラザーズ証券の社員が見せてくれたケータイメールには、驚きのプライスが提示されていた。
2LDK 70万円→45万円
1LDK 53万円→38万円
1LDK 46万円→35万円
1LDK 49万円→38万円
その他の部屋も、軒並み「ご相談可」と記されている。
この元社員はリーマン・ショックを契機に退職し、少し六本木から離れた外資系銀行への転職を余儀なくされた。通勤の便もよくないため5月に六本木ヒルズレジデンスから引っ越す意思を表明したところ、「本当にご解約されるんですか?」と、森ビルに引き止められたのだ。
「眺めも悪いし、転職先のオフィスからは遠いし…」と理由を説明すると、「ほかの部屋はどうですか、大幅に割り引きますので」という話に。「2か月前の退去通告の縛りもなくしますし、いつ出て行ってもいいです」「賃料は、さらに相談に乗ります」と大幅に譲歩してきた。
「この賃料見たときは、アウトだな、と思いました。森ビル、潰れるんじゃないか、と。去年入居したときとは大違いですよ。去年は、1週間のオープンルームで私を含め8人が内見して、森ビル側が『こちらで審査をして決めます』と言っていたくらい強気でしたが、今は正反対の態度ですね」
リーマン・ショックの昨秋以降、外資金融の急激なリストラにともない、港区の高級賃貸マンションは一斉に解約され、空き部屋だらけになった。その象徴が、リーマンやゴールドマンサックス証券のオフィスに隣接する六本木ヒルズレジデンスだった。
「MORI LIVINGの空室情報を見ると分かるのですが、昨年10月ごろ、B棟のワンルームに空きが出ました。これ、ものすごくレアなことなんです。月27万円くらいでオフィスの隣に住めるので、ゴールドマンの新卒が代々、引き継いで使い続けているのは有名な話で、ぜんぜん空かない。給料の3分の1は社宅扱いに振り分けられるので、節税分を考えると実質20万円弱で借りられる。外資の特権です」
逆にいうと、外資の特権がなければ入居しにくい賃料設定になっているということ。外資がリストラを始めたら、当然、空いてくる。「いま自分はB棟に住んでますが、この前なんか隣のC棟のベランダのところのポールにペンキ塗り直してましたから。引っ越したからです」。C棟といえば村上ファンドの村上氏が住み、今でも元ライブドアの堀江貴文氏が住む高級物件で、昨年までなかなか空きが出なかったが、今や解約が相次いでいるとのことである。
そんな元社員に、リーマンで働いていた日々について語ってもらった。この業界の標準的ともいえるキャリア、つまり、いくつかの外資系金融会社を渡り歩き、リーマンに中途入社し、六本木ヒルズに住む、典型的な30代の外資証券マンの1人である。
リーマンは、これまで勤めた外銀とは、まったく雰囲気が違いました.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
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