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「管理職の半数を組合員に降格」するルネサス 外資転職者が語る技術者のサバイバル法
「スキルと財布と心の準備が必要」

 


 2013年9月末退職で3千人を追加リストラすることを発表したルネサスエレクトロニクス。残る社員も、今夏のボーナスゼロや、昨年7月から続く給与カット(最大7.5%減)の来年3月までの延長で労使合意、既存管理職の約半数が組合員に降格となるなど、思い切った人件費カットに見舞われるという。政府系ファンドの産業革新機構が筆頭株主(69%)となり、国内企業8社と合わせ計1500億円を出資することで倒産を免れる見通しだが、同じく政府出資で再建を目指したエルピーダメモリが2012年2月に倒産した経緯もある。国内エレクトロニクスメーカーはどこも似た環境で、他人事ではない。外資企業に転職し、現在は国外で「出稼ぎ」状態となっている元社員の1人(40代)に、メーカー技術者が生き延びるためのアドバイスを聞いた。

【Digest】
◇脱出した戦犯経営者たち
◇「責任をとって続投します」と言う経営者
◇「空気みたいな人」が昇進するルネサス
◇面接1回で内定、外資は採用意欲アリ
◇半導体関連で転職が苦しい人、ラクな人
◇新卒で半導体をやりたいなら
◇査読付き論文を書き、特許を取得せよ
◇「部品サプライヤのブロック経済」という構図

 私は2012年10月のリストラ(希望退職募集)で退職し外資に転職しましたが、祖国を失ったエンジニアなんて、寂しいものです。それが、日本人のシニア層がみずから招き寄せた人災なだけに、やり切れない思いです。

 一方、私を含め課長級以下の社員の間では、産業革新機構ではなく、KKRの提案を受け入れたほうがよっぽどマシな再建ができたのではないか、という意見が大半でした。厳しいリストラはあるにせよ、その後の展望がはっきりするからです。

 2013年3月期まで8期連続の最終赤字で、赤尾泰社長は2013年2月にやっと辞めましたが、新社長の鶴丸哲哉氏は、失敗を1つもしたことがないことで有名な人。なぜなら、仕事をしないから、失敗もしません。そういう内部昇格者が新社長ですから、KKRに外部からCEOを送り込んで貰ったほうがよかったでしょう。

 鶴丸氏の社長就任については、旧三菱と旧NEC出身の人にとっては、旧日立人脈による会社支配の象徴に見えて、やる気をなくします。一方、旧日立出身で鶴丸氏の人となりを知っている人にとっては、イエスマンの昇格に見えるので、やはりやる気をなくすんです。つまり、社員全員がやる気をなくす社長人事と言えます。

 そして、去年10月末退職の7511人に続く追加リストラが「3千人」「退職日は2013年9月30日」と1月17日に発表されました。今年に入って帰国した際、かつての複数の同僚に直接会い、以下の情報を入手しました。

・従来の管理職(課長級以上)の約5割を、組合員(主任・係長級以下)に降格
・2013年9月末退職者の割増退職金は、最大12ヶ月
 (2011年3月退職が最大40ヶ月、2012年10月退職は最大36ヶ月だった)
・2013年度は、夏冬ともボーナスゼロの見通し

 感想としては、たいへん思い切った施策に出たと思います。キャッシュが枯渇して、こうするしかなかったのでしょう。なぜこうなるかというと、業績見通しが、社内向けの作文になっているからでしょう。

 驚くべきことに、私が辞めた昨年秋から4か月余りの間に、2013年3月期の売上高見込みが1000億円も減っています。通期の売上高が7700億円しかない会社で、半年の売上高を1000億円も読み違えたら致命的です。上司に覚えのめでたいパワーポイント資料ばかり作っているから、こういうことになるのです。(2012年10月29日発表時は約8700億円の予想値、2013年2月8日発表時は7700億円の見込み)

◇脱出した戦犯経営者たち
 ルネサス破たんの最大の責任は、もちろん経営者にあります。前回述べたとおり、リストラを先送りし、本来行うべき開発投資を怠り、自分の就任期間中だけ潰れなければ、「あとは野となれ山となれ…」という無責任な経営姿勢で、潰れるべくして潰れ、政府系ファンドによって国費で救済され、国民に迷惑をかけてしまいました。

 ところが、自らの経営責任を果たすどころか、倒産前に外資に投げ出した経営陣が、少なくとも3人います。以下の3人は、イタリアの客船『コスタ・コンコルディア号』から真っ先に逃げ出した船長のようなもので、社員から見て、呆れたものです。

1:山口純史(元ルネサスエレクトロニクス会長)
1976年、日本電気株式会社 入社
2009年、NECエレクトロニクス代表取締役社長に就任
2010年4月、ルネサスエレクトロニクス株式会社会長に就任
2011年6月、同社会長を退任し、顧問に就任
2012年7月、NXPセミコンダクターズジャパン会長に就任

ルネサスの会長まで務めながら外資に“逃亡”を果たした山口純史氏

 

 山口氏は、2010年の合併時に会長に就任した戦犯そのものですから、我々をこのような立場に追い込む原因を作っておきながら、競合する外資の会長へと転職を果たすという、倫理上、ありえないことをしています。

 山口氏の無策によって、税金が投入される事態になり、私を含む多くの日本人技術者が、海外の企業に、技術とともに流出しました。この競合他社を利する行為は、社内から見ても「背任」と言うほかないでしょう。私は従業員持ち株会にも入っていませんでしたが、志のある株主がいれば、株主代表訴訟をやるのもひとつの手でしょう。

2:原島弘明(元ルネサスエレクトロニクス販売執行役員・統括部長)
1985年、NEC入社
2010年、ルネサスエレクトロニクス執行役員、統括部長に就任
2012年11月、NXPセミコンダクターズジャパン代表取締役社長に就任

 原島氏は、就任時期からみて、早期退職制度を使って退職し、割増退職金を貰っている可能性もあります。一足早くNXPの会長ポストに転職していた山口氏から「社長ポストに」と引き抜かれた、と考えるのが普通でしょう。

 山口氏は、欧州の営業拠点を立ち上げた経験もあり、その関連した人脈も活用できる立場にあります。人脈は技術とは違う無形資産なので、法的にはどうしようもないものでしょうが、こうした引き抜きは倫理的な問題はあります。

3:山田和美(元ルネサスエレクトロニクス執行役員・SoC事業本部長)
2010年4月、ルネサスエレクトロニクス執行役員に就任
2011年10月、日本サイプレスに入社
2012年6月、日本サイプレス社長に就任

 山田氏は、ルネサスで携帯電話やデジタルAV機器向けにシステムLSIを製造する「SoC(System on a Chip)事業の本部長という重責におり、この事業は巨額の赤字を計上していましたが、同業の外資Cypress Semiconductor日本法人の社長に栄転してしまいました。

 このように、経営者は自らのポジションにコミットすることなく、責任あるポストを投げ出して、競合の外資に脱出し、気が付くと敵にまわっています。これはルネサスに限った話ではなく、同じような環境に陥った他の日本の大企業でも、続出するでしょう。

◇「責任をとって続投します」と言う経営者
 これらの経営者は、合併後にリストラをしませんでした。「工場閉鎖にはカネがかかる」と、1400人の希望退職でお茶を濁してしまいました。将来のために、一時的にコストをかけてでも閉鎖の決断をするのが経営でしょう。

 合併して部長が2人になったら、副部長と部長で残し、本部長の2人は、本部長と副本部長で残したんです。本来、部課長以上は、3分の1にしても回るはずでした。

 無駄なコストを抱え、経営状態が悪いため、直近の売上に結びつくものをやれ、と。そうなると、とりあえず他社のマネをするしかない。私が10年近くやってきたのは、他社製品を分解して、図面が出てきて、構造がわかり、違う自社の製造設備で「こうすれば近いものができる」と考える作業。

 今、苦しいから、キャッシュを手に入れるためにモノマネをやる。キャッシュが入ったら自分たちの開発をやるんだ、と。でも、リストラをせずコストが重いため、一向にキャッシュフローがラクにならない。自分が社長をやっている間だけ資金ショートしなきゃいい、あとは外資に脱出すれば…という考えだからです。

 労組のほうは、今までのシステムを継続することしか考えておらず、こうした経営責任を追及しません。なぜか労組側が「責任をとって続投せよ」と要請し、それを受けた赤尾泰社長が「責任をとって続投します」と言っていましたから、責任の取り方が倒錯している。

 こうなると、社員個人としては、自衛するため、常に会社が潰れても転職して食べていける準備をしないといけません。今後は、資金ショートした会社から潰れていきます。既に三洋電機は分解され、パイオニアは大幅縮小、シャープ・NECは時間の問題で、パナソニックも10年持てば御の字でしょう。

 電機が一掃されたら、次は自動車業界だと思います。現状では「家の次に高いもの」というコンセンサスができていて、値崩れしていませんが、これは単なる信仰に過ぎず、いつ崩れてもおかしくない。

 以下では、どのような対策を考えるべきか、実際に転職した私の経験を踏まえ、アドバイスをしたいと思います.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



ルネサスのキャリアパスと報酬水準

 

 

主任技師(管理職クラス)の待遇=カット前の給与明細

 

カット後の給与明細
2011年冬のボーナス明細

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