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暴力団への上納金と同じ!電力会社→自民党への“ステルス献金”、過去36年で24億円と判明 「自粛」すり抜け原発の儲けをキックバック
電力会社の子会社・系列会社や役員個人名義を通じて、過去36年間に24億円もの政治献金を受け取っていた自民党。原発を推進し、電力会社にとことん甘い政策をとる安倍政権。その背景に「電力ステルス献金」の存在が浮かぶ。

 原発を持つ主要9電力グループから自民党の資金管理団体「財団法人国民政治協会」に対してなされた関連会社や役員個人経由のステルス献金は、孫会社を含め、過去36年間で24億円超に上ることが政治資金収支報告書の徹底調査でわかった。最も多額を上納したのは、原発比率が高い関電の子会社「きんでん」(旧近畿電気工事)で、2億6千万円にのぼった。原発がない沖縄電力の上納は確認されなかった。地域独占の公益企業という性格から表向き「献金自粛中」の電力会社だが、名義を役員個人にしたり傘下の会社を利用して隠れ献金を続け、それは311原発事故以降も続く。原発ビジネスに前のめりになり、電気料金値上げも許容する安倍自公政権が電力会社に優しい訳は、やはり「金目」だった。(電力会社「ステルス献金」1977年―2012年全データはPDFダウンロード可)

【Digest】
◇政治資金報告書を徹底調査
◇ステルス献金は電力会社主導か
◇官報データベースで収支報告の要旨を総点検
◇1995年に激増した電力献金
◇献金額トップは中部電力
◇安倍晋三首相の団体にも電力系ステルス献金

◇政治資金報告書を徹底調査
 電力会社の子会社や孫会社、役員(退職者含む)多数から自民党の資金団体「財団法人国民政治協会」に対する献金の状況について、2012―2010年の過去3年分について調査を行ったのが前回の報告--311以降も続く電力9社の「ステルス式」献金 2012年までの3年で自民団体に1億4300万円貢ぐ、である。

 2012-2010年の3年間の献金額は1・4億円。過去にさかのぼれば、電力会社から自民党へ、いったいどれだけの献金がなされているのだろうかと、調査をやりながら筆者は素朴な疑問を抱いた。

 誰か調べた人はいないものか。とりあえず記事を検索してみた。しかし見つからない。ならば自分でやるしかないと徹底調査に着手した。今年8月はじめのことである。およそ1ヶ月にわたる煩雑な調査の結果、ようやく先月末になって集計が終わり、総額が判明した。電力会社から自民党資金管理団体「財団法人国民政治協会」へのステルス献金は、1977年から2012年までの36年間で24億1186万8000円に上った。

 関連会社(子・孫会社)献金は計41社で17億7354万2000円。役員・元役員の個人名義による献金は、延べ5360人(実数は1489人)で計6億3832万6000円。総額で24億1186万8000円である。

 いうまでもなくこれらの献金の原資は電気代や電工事費である。または、庶民の電気代や工事代による稼ぎを元手に行なったビジネスの儲けである。利益を消費者に還元するどころか、暴力団への「上納金」さながら、自民党に貢いでいたわけだ。

 もっとも、表向き電力会社は「公益企業だから献金を自粛する」と言っている。たしかに「東京電力」などの名義による献金はみあたらない。ところが、関連会社や役員個人名義の献金はおびただしくなされていた。姑息な自粛すりぬけである。24億の献金はすべてこの「ステルス」方式でなされた献金だった。

 6億円を越す電力各社の「個人献金」を純粋な個人の意思によるものと考えるのは、どうみても苦しい。役員が個人献金をしている業界はほかにもあるが、電力会社と比べれば違いは歴然としている。

 1995年から2012年の16年間で20件以上の「役員献金」が確認できたのは、電力会社以外では次の4社にすぎない。

 東京ガス、トヨタ、パナソニック、新日鉄。

 そしてそれぞれの役員献金の総額はこうだ(概算)。

①パナソニック=1000万円(70件)

②新日鉄1300万円(120件)

③東京ガス700万円(90件)

④トヨタ1100万円(100件)

 これらと比べると、電力会社の役員献金がいかに桁違いに大きいかわかるだろう。たとえば東京電力をみると、延べ1025件で約1憶700万円。他の8社も、延べ件数にして300件から700件、4600万円から8000万円だ。9社で延べ5000件以上の6憶円超。電力9社がそろって大規模役員献金をしている点も特徴的だ。

 同様に会社名義の献金をみれば、関連会社の献金が17憶というのも電力以外に例がない。詳細な分析は次の機会にしたいが、東京ガスを除いた3社(トヨタ、パナソニック、新日鉄)は、いずれも親会社名義で億単位の企業献金をしている。こちらは「自粛」していないから堂々と献金できるというわけだろう。そして関連会社の献金も多数みられるものの、親会社を越すほどの額では到底ない。

◇ステルス献金は電力会社主導か
 これらの事実の前にすれば、やはり次のように推論したくなる。

 ――電力各社は「献金自粛」をすり抜けるために、子・孫会社名義の献金や役員献金を親会社の主導で組織的に行なったのではないか――。

 世を欺くステルス献金の働きかけが、自民党からなされたものか、電力側からの自主的なものかはわからない。だが、複雑で大規模なステルス献金の実態を目の当たりにすると、「自民党に献金するのだ」という電力各社や電力業界の強い意思を感じさせる。そしてその目的に「原発」がある疑いは濃厚だ。主要な全国10電力会社のうち、原発がないのは沖縄電力だけだが、同電力の役員や沖電工など沖縄電力グループから「国民政治協会」への献金は一件もない。

 もっとも、筆者はあり得ないと思っているだが、仮に電力関連会社の献金が各社の純粋な意思だとしよう。また役員献金についてもひとりひとりの自発的な意思によるものだとしよう。自発的な政治参加の結果が「24億円」になった――。

 ならば、それはそれで興味深い。どうして電力業界だけに熱烈な自民党支持者が集中したのか。社員を採用したり幹部登用する際に自民党への忠誠度が問われるのか、あるいは働いているうちにそうなってしまうのか。疑問は尽きない。まるで宗教のような長大公益企業として研究の対象になりうるだろう。

 さて、電力会社から「ステルス」方式でカネをもらってきた当の自民党は、東日本大震災を経験したいまもなお原発を進めようとしている。電力会社の望むとおりの政策である。これは文字どおりの「賄賂」政治ではないだろうか。露骨な「企業のための政治」、「カネで買われた政策」だが、この国では罪に問われない。その現実そのものが、日本の政治が度し難いほど腐敗していることの証だと筆者は思う。

自民党の資金管理団体「国民政治協会」。電力会社のステルス献金の受け皿となっている(東京都千代田区永田町)。
◇官報データベースで収支報告の要旨を総点検
 調査の手法は煩雑だが単純である。国民政治協会の政治資金収支報告書を片っ端から調べていくだけである。収支報告書の原本が残っているものはそれを確認し、すでにないものは官報に収録された要旨を点検した。

 官報の情報は5万円以下の収支が省略されるなど原本より情報が少ない。しかし原本が3年で破棄されるのに対して、官報のほうは永久保存だ。政治とカネの歴史が官報の量の情報のなかに眠っているのである。

 調査の準備として、手始めに官報データベースを契約した。月額2160円。千代田区神田錦町にある官報販売所に行って申し込み、代金を払うとその場でパスワードが発行される。かつてはデータベースなどなく、紙での保存だった。これだと調査に数倍手間がかかったことだろう。IT化のおかげで調査の効率は格段によくなった。

 さて、官報の契約を終えると官報データベースにログインし、「国民政治協会」の収支報告の閲覧を開始した。もっとも古い収支報告書は1977年分だ。同年の報告の寄付欄を見ると、はじめに個人献金がずらりと数千件ほどあり、その後に企業献金が千件以上続く。献金している企業名に目を通し、電力会社の関連会社がないか検索作業にとりかかる。

 ――結果、次の会社の献金がみつかった。

【国民政治協会に対する電力系企業の献金状況1977年】

 ・東北電気工事(現ユアテック)16万8000円

 ・関東電気工事(現関電工)43万4000円

 ・東海電気工事(現トーエネック)56万2000円

 ・近畿電気工事(現きんでん)778万5000円

 ・中国電気工事(現中電工)12万円

 ・四国電気工事(現四電工)33万6000円

 ・九州電気工事(現九電工)770万円

         小計  1717万円

 すべて電力会社の有力子会社である。東北電気工事(ユアテック)は東北電力子会社。関電工は東京電力の子会社。同様に、東海電気工事(トーエネック)は中部電力、近畿電気工事(きんでん)は関西電力、中国電気工事(中電工)は中国電力、九州電気工事(九電工)は九州電力の、それぞれ子会社だ。歴代社長ら役員は本社の現職・元役員で締められている。

 同様に、78年以降ふるいものから新しいものに向けて、順番に「子会社献金」の調査を進めた。94年までの結果は次のとおりである。

 
【電力9社の系列会社による自民党への献金状況 1977~1994年】  1977年 計1717万円

 1978年 計1755万2000円

 1979年 計950万4000円

 1980年 計1863万1000円

 1981年 計687万9000円

 1982年 計795万2000円

 1983年 計1360万6000円

 1984年 計813万5000円

 1985年 計868万円

 1986年 計867万円

 1987年 計891万円 

 1988年 計884万円

 1989年 計875万7000円

 1990年 計836万7000円

 1991年 計1516万6000円

 1992年 計1050万3000円

 1993年 計997万8000円

 1994年 計394万8000円

 (18年間の小計 1億9124万8000円)

 1994年までを見る限り、多い年で1700万円、少ない年で400万円弱。概ね800万円ほどで推移している。

 94年まで調査を終え、引き続いて95年分を調べかけた。そして驚いた。献金額が激増したのだ。数字の間違いかとも思った。しかしそうではなさそうだ。

東京電力子会社の関電工。親会社の東電から役員が送り込まれている。自民党の「国民政治協会」に献金した額は累計2億5000万円にのぼる。
◇ 1995年に激増した電力献金
 1995年の献金額は各社ともに桁が1つ上がっていた。関電工1000万円(前年はなし、93年200万円)、きんでん1080万円(前年80万円)、ユアテック100 6万円(前年106万円)、トーエネック500万円(前年22万円)、北陸電気工事592万円(前年92万円・北陸電力子会社)、四電工548万円(前年60万円)、九電工704万8000円(前年67万8000円)、北海電気工事500万円(1983年に24万円)。

 これら最大手の子会社のほかにも関連会社や孫会社の献金もあった。総計で6747万2000円。前年(394万8000円)と比べて17倍もの増加だ。

 1995年より新しいものについては、個人献金についても調査を行なった。それ以前の古いものは個人を特定するのが難しいので見送った。個人献金の調査は難航を極めた。1年で1000人以上いる献金者を、しらみつぶしにインターネットや電力会社の役員名簿で照会していく。1995年1年分を調べるだけでゆうに2日かかった。

 だが、調べたかいはあった.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



関西電力の子会社きんでん(東京本社)。談合や税の申告漏れが指摘された問題企業である。過去35年で2億6000万円あまりを「国民政治協会」に献金。それ以外にも安倍晋三氏の団体に献金するなど多方面の政治家に献金を行なっている。
東北電力子会社のユアテックは1憶5000万円、中国電力子会社の中電工は1憶4700万円を、過去35年間にそれぞれ国民政治協会に献金している。
四国電力子会社の四電工と九州電力子会社の九電工も、それぞれ1憶円、1憶3000万円を、過去35年に「国民政治協会」に献金した。社長は親会社出身で、社長個人名義でも同協会に献金している。

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