虚偽表示の疑いが強い「100%補償します」
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私は2007年11月、楽天市場内の家具店「FITZROY」で買い物をし、23万円余りを振り込んだが、4ヶ月を経た現在も商品は届いていない。店舗の会社所在地を訪れると、既にまったく実態がないことも分かり、店は閉店。計画的な詐欺であることは明らかだ。にもかかわらず楽天は、100%補償をうたう「楽天あんしん補償」の申請を受け付けず、相変わらず対応はメールのみ。補償を受けるまで戦うつもりである。
【Digest】
◇23万円入金、4ヶ月未着も補償されず
◇詐欺店舗FITZROY(フィッツロイ)の計画的閉店
◇会社所在地は虚偽だった
◇絶対に担当者につながない楽天受付
◇フルネームも教えないフィツロイ担当者
◇「店舗と連絡可能だから適用しない」
◇ついに完全に連絡不能に
◇楽天市場、3つの問題点
1.対応がメールのみ、しかも遅い
2.救済に乗り出さない、態度が冷たい
3.フィルタリング機能がない
◇“100%補償します”の嘘
◇23万円入金、4ヶ月未着も補償されず
2007年6月、楽天市場内の「秋葉原OGショップ」による大規模詐欺事件が起きた。ようやく重い腰を上げた楽天は、楽天市場で詐欺にあった場合は年に一度、上限50万円までで100%保証するという、「
楽天あんしん補償
」という制度を始めた(2007年10月29日以降)。
ヤフーオークションなど他のインターネット上のモールは既に設置しており、遅きに失した感はある。だが満を持して始まったこの「楽天あんしん補償」、実は、ぜんぜん安心できるものではないのだ。
実際、私が今回、被害にあった詐欺事件の場合、23万円を入金してから4ヶ月間も商品が未着にもかかわらず、楽天からの回答は引き延ばされ続け、いまだ補償されていない(2008年3月13日時点)。さまざまな理由をこじつけ、とにかくカネ儲けのために補償を適用したくない、という姿勢がアリアリなのだ。
もし私のケースが救済されないならば、「楽天あんしん補償」という謳い文句は完全な虚偽と断定してよい。実際にどういうケースなのか、以下にメールのやりとりをはじめ、事実関係と経緯を詳細に説明しつつ、実態を検証しよう。
◇詐欺店舗FITZROY(フィッツロイ)の計画的閉店
私が詐欺にあった楽天市場の店舗は、「FITZROY」(有限会社 フィッツロイフォート)という、主にアメリカ製のアンティークフィニッシュの家具(HOOBER社製など)を扱う店舗だ。
私は通販を多用しているが、今回、詐欺に遭ったのは、アクセントテーブルとワインキャビネット。注文後、2007年11月22日に指定の口座に入金したものの、4ヶ月近く経った今になっても、商品は送られてこない。被害総額は231,600円である。
不審に思って調べると、かなり計画的な犯行だったことが分かってきた。
どうも怪しいと思い始めたのは、入金してから1ヶ月ほど経った12月に楽天のサイトを訪れた際、「店舗改装中」と表示され、閲覧ができなくなった頃からだ。2008年1月初旬が納入期限だったが、案の定、商品は届かなかった。
電話とメールで店舗に問い合わせると、「アメリカの流通が整備できなく納入が遅れている」とのよく分からない回答をよこしてきた。
そこで、会社所在地とされている住所を調べると、既に実態がなくなっていることが分かった。
◇会社所在地は虚偽だった
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かつてショールームがあった場所。左上に「楽●天」シールが残っている。閉店後も、楽天市場内のページにショールーム内の様子などを貼り続けていた。
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この家具屋は以前、「横浜市都筑区中川中央1-39-11」を会社所在地とし、ショールームも併設していた。だが2007年9月末日に
ヤフーショッピング内の店舗を閉店し、その同時期に、このショールームも閉店していた。
現地に赴くと、今(2008年2月4日)もその店舗には、テナントが入っていないままの状態だった(右記写真参照)。
一方、楽天市場内の店舗では、2007年9月から、会社所在地として「横浜市都筑区茅ヶ崎東3-25-29」という住所を掲載していた。
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会社所在地の住所には、部屋番号が書いてなかった。アパート4室のうち1室は大東建託管理下にあり、残りの2室は別の名前、残り1室は不明。部屋の扉に耳を付けてコールしたが、どの部屋からも音は聞こえなかった。 |
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ここを調べると、「グレーンズヒル」という四室ほどの小さなアパートであることが分かった(左記写真参照)。会社所在地に部屋番号がないことからも明らかのように、虚偽の住所を、堂々と会社所在地として楽天市場内に記載していたのである。
私が現地に赴き、通りがかった近所の住人に尋ねてみると、「Fitzroyという家具屋は聞いた事がない」、代表者の大島、マネージャーの芝崎という者についても「知らない」という返答であった。ケータイからFITZROYの固定電話機を鳴らしてみたが、アパートのドアから、音はしなかった。
Fitzroyは、何の縁もゆかりもない場所を勝手に会社所在地として楽天のサイト上に公表していたようなのだ。
FITZROY代表者と名乗る「大島」なる男は、9月にショールームがなくなった後も、楽天市場内のページにショールーム内の様子などの写真を貼り続け、あたかも実店舗で商売しているように偽り、大々的にセールを行っていた。そうして客を呼び込み、入金させ、計画的に閉店し、客の金を持ち逃げし、そして現在も逃走中なのである。
私は、こうした詐欺の被害に遭ってしまったのだ。
◇絶対に担当者につながない楽天受付
2008年2月5日、楽天市場内のFITZROYは閉店となった。電話をしても、留守番対応のみ。同日、楽天の代表電話(03-6387-1111)にかけた。
受付の梅崎という女性に「詐欺に巻き込まれました。直接ご担当者とお話がしたい。これは立派な刑事事件ですよ」と伝えると、こちらが何を言っても、「おつなぎできません」をまるで機械のよう繰り返し、「警察にでもどこにでも好きなところにいけばいいですよ」というようなことを言い放った。
利用者無視の悪しき姿勢と、企業モラルの低さが末端にも行き渡っているな、と思った。
仕方なくメールで尋ねると、担当の岩貴氏は、驚くべき責任逃れのメールを返してきた。
(2008年02月05日 15:30のメール)
誠に恐れ入りますが、店舗「FITZROY」につきましては、既に楽天市場でのサービスを終了いたしております。
そのため、ご連絡いただいた件につきましては、こちらにて詳細が分かりかねます.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
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時系列で3者(Fitzroy、ユーザー、楽天)の事実関係をまとめた |
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