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ニュースのビジネス化-11 実際の経営データ推移

情報提供
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会員数と継続率の推移
 MyNewsJapanは2004年5月にスタートして以来、2008年夏時点で5年目になる。3ヶ月ごとの、月間のべ会員数と、翌月への継続率を示したデータが、右記グラフだ。弊社の有料会員は、1ヶ月の間に1度でも会員になっているとチャージ(課金)されるというシンプルな仕組みになっており、月間のべ会員数とは、その人数を示す。2008年6月で1,588人である。翌月への継続率とは、そのうちどのくらいが退会せずに翌月も会員資格を継続してくれるか、である。同じく2008年6月で89%だ。
Digest
  • 重要指標は継続率=顧客満足度
  • 週刊誌と単行本は水モノだ
  • 会員収入は圧倒的に固い
  • アクセス数の推移
  • 記者登録は2700人だが…
  • 平均年齢31歳、会員のプロフィール
  • 第一フェーズを突破
  • ライターには相場以上を支払う

重要指標は継続率=顧客満足度

継続率が高まり、リピーターが固定客になってロイヤルカスタマー化しなければ、このビジネスの安定は望めない。これは週刊誌の経営を考えてみていただければ分かりやすい。『週刊現代』は加藤晴之編集長時代、大相撲の八百長疑惑を扱ったり、『噂の真相』出身の辣腕ジャーナリスト・西岡研介氏を招いてJR労組の問題を追及するなど、スクープ中心主義の編集を行った。ジャーナリズムとして価値の高い仕事が多く注目していたが、トータルの部数増にはつながらず訴訟だけは増え、2008年2月、穏便な編集長に交代となってしまった。

現場の編集者を何人も知っているので話を聞くと、確かにスクープ掲載号は多少は伸びても、毎号スクープを飛ばせるわけではない。だから、スクープがなくても必ず買ってくれて部数を下支えする「連載」の充実が不可欠であるが、『週刊現代』の連載はとにかくプアなのだ、という。スクープばかりに人的・資金的なリソースを集中しすぎで、連載などその他のコンテンツを求める固定客を減らしていたのである。

週刊誌はリピーター率を計測する手段がないが、WEBは計測できる。その指標が、この翌月継続率に相当する。当初1年間は8割前後だったが、現状ではほぼ9割弱で推移しており、約1500人のうち実に1350人が、翌月も会員資格を継続し、購読料を収めてくれる。つまり、月が変わった瞬間に最低250万円の売上が確定するわけである。

顧客は記事レベルに不満があれば無言で退会していくシビアな存在だから、この継続率は、顧客満足度を測るうえで最も重要な指標といってよい。サイトを始める前は1ヶ月だけの利用で退会する、いわゆる「一見さん」がかなりいるだろうと想定していたのだが、一見さんは毎月40人前後で推移しており(2008年6月は41人)、当月の新規入会者に占める比率で20%、顧客全体に占める比率では3%でしかない。

これは意外だった。一度、記事を読んで「ここまで現場の実態が分かるのか」という感動体験をすると、8割の人が、翌月も引き続き読んでみてやろう、と考えるのだと思う。平均会員在籍日数は、155.0日(約5ヶ月間)。月1890円なので、顧客単価は1万円に迫る高額商品である。1本の記事だけをピンポイントでどうしても読みたい、という人もいるので100%は難しいが、「翌月継続率95%」は目指している。

週刊誌と単行本は水モノだ

同じ売上高にも、その内容によって水モノと固(カタ)モノに分けられる。広告収入は企業の景気次第、気分次第のところがあるので、水モノだ。出版はまさに水モノで、ベテラン編集者でも、ほとんどの場合、出してみないと売れ行きが分からないという

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私立太郎2009/05/14 02:13会員
こう2009/05/13 19:55
木村哲夫2009/05/13 03:13
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