使えない「歩き方」、開業年さえ分かればいいのに
ネットは遅かったが、執筆作業自体は日本よりはかどった |
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ホテルの予約は、「トリップアドバイザー 」なるサイトをよく使った。このサイトはヨーロッパ人労働者がバカンスに旅をするのに役立ちそうだが、旅に特化しているため、今回の私のような、執筆・編集のため机やネット環境が必須の、「ちょっとビジネス含み」なホテル選びには向いていない。
そのサイト上でイスタンブルの人気ランキング一位を獲得している「Sirkeci Konak Hotel 」に、到着した日に1泊してみたのだが、部屋のロケーションがイマイチで、私には不満だらけだった。ようするに、いい部屋はいいし、悪い部屋は悪く、バラツキが大きいのだ。深夜に到着すると、部屋を替えてもらうこともできない。一方、5つ星ホテルはバラツキが少なく一定レベルが保証されている安心感がある。
ほかに予約サイトとしては、最近の本で高城剛も薦めていたbooking.comも使ってホテルを探していたが、やはりこれらのサイトは、ヨーロッパ人がバカンスなどで使う観光ニーズに応える設計となっていて、こぎれいなブティックホテルが上位に集中し、机すらなかったりする。トルコはヨーロッパの東端なので、料金もユーロ表示が当たり前だった。
朝は規則的にがっちり食べるので日本にいるときより健康に。一度も体調崩さず、腹も壊さず。 |
トリップアドバイザーやブッキングドットコムは、朝食の充実度やハマム(トルコ式の風呂)の有無が重視されていたりするが、私には重要ではなかった。朝食はどこでもビュッフェで、どこも似たようなものだ。ハマムにも興味はない。仕事ができるだけの部屋の広さ、机と椅子と高速ネット環境のほうが必要なのだ。
それにしても、昔に比べ便利なツールができたものだ。電話で下手な外国語を話さずに予約できるのがよい。実際の予約作業は、最安値保証をうたうexpedeia で行うことも多かった。これはトラブルが起きた場合に、日本語対応のコールセンターがある安心感がある。ただ、直接ホテルのサイトで予約すると、インターネット接続料込みのパック料金の設定があったり、ワンランク上の部屋の設定があったりと、選択の幅が広いため必ずチェックしていた。
私は、原稿を書く作業と、自分や他の執筆者の書いた記事を編集してサイトに掲載する仕事は、休むわけにはいかない。月200万以上のキャッシュの流れを止めると、事業が回らなくなる。少々コストをかけながらでも、仕事をしながら旅をしたほうが合理的だ。
ユーチューブは規制されていた |
だんだん分かってきたことは、ネット接続が、国内に比べ、どこからアクセスしても遅い、ということだった。これがかなり仕事の効率を悪くした。やはり距離が関係しているのだろう、トルコ国外のサイトへの接続は遅い。しかも検閲があるようで、ユーチューブにはつながらなかった。
必要データは開業年なのに
あるとき、一泊だけコンラッドに泊まることにしたのだが、これは失敗だった。コンラッドというと日本ではオープンしたばかりで、泊まったことはないがかなりの高級ホテルだから、油断していた。
とにかく設備がボロい。シャワーが固定式で手で持って動かせない。じゅうたんや壁紙もはがれはじめている。 「インターネッ トが有料」と「歩き方」に記されていたので申し込むと、なんと61リラだ。これには、はめられた。61TLといったら4千円弱。日本だったらまる2ヶ月ADSLにつなげる。ハノイも有料のホテルが多かったが、せいぜい1500円程度だ。無料が当たり前の日本のホテルでこんなことをしたら、誰も使わないだろう。日本はブロードバンド先進国なのだ、と実感する瞬間である。
新しめのホテルはネット接続無料のところが多く、設備面からも、とにかく開業年さえ分かればホテル選びにまつわるほとんどの問題は解決する。だが、このもっとも重要なデータを調べるのがきわめて難しい。ガイドブックにも全く書いていない。どうでもいいお勧めコメントは不要なので、開業年のような客観的な事実関係を提供するガイドブック、ガイドサイトがあれば必ず利用するのだが、なかった。
結局、旅行者の立場で考えずに、提供者(ホテル)の立場で考えるから、ダメガイドブックになるのだ。ホテルの大本営発表に基づくPR文を乗せるのはやめてほしい。現状では完全に「地球の騙され方」である。誰か、旅行者本位、利用者本位のガイドブックシリーズを立ち上げてほしい。いくらネットが発達しても、旅モノの場合、持ち運び便利な紙媒体のニーズは必ず残るからだ。
なんとか調べて分かったことは、コンラッドは92年オープンだということ。それにしては古く、80年前後のオープンかと思っていた。ビュッフェの朝食は他と変わらず、違いといえば、ワッフルがあったくらいだった。
以下、ウェブ上で調べた 開業年だ。
ホテル選びは、第一に開業年。そして第二は周辺環境だ。ビルに面している度合などをチェック。これは現地に行って一回りしてみる。あの面の、あの階あたりならOK、というあたりをつけてから、チェックインする。私は、方角まで指定することが多い。
乳製品が充実した朝食ビュッフェ。いかにも遊牧民出身らしい。 |
そして、一番下のグレードより、1つ上のグレードのほうがマシな場合が多い。一番下のグレードの部屋は、方向も悪く、低層階で、もっとも居心地が悪いことが多いのだ。
チェックインして、部屋で気に食わない点があったら、遠慮せずフロントに言ってかえてもらう。躊躇 してはいけない。言ったもの勝ちだ。ホテル側は客のニーズなど知らない状況で勝手に部屋をアサインする。だから、こちらから言わないとだめなのである。私は、音がうるさい(下のレストランでパーティーをやってる、近くで工事しているらしい)ということで、2度、部屋をかえてもらった。
試行錯誤の末、最後のほうは、米国系のラマダホテルと、スイス系のモーベンピックホテルに定着してきた。結局、集中して仕事ができるようなホテルは、5つ星のビジネスホテル、ということなのである。
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