原口一博総務相は14日、外国特派員協会での講演の中で、現状では可能となっている新聞社のテレビ局への出資を禁止する「マスメディア集中排除」法案を国会に提出し、“クロスメディア”を禁止する意思を明確に表明した。既存の新聞・テレビは自らの既得権に関する大臣の不利な発言だけに、報道しなかった。
新聞・テレビはその影響力を駆使して法案内容の骨抜き・法案提出の阻止を働きかけると予想され、テレ朝「タックル議員」の原口氏が既存マスコミに牙をむけるか、口だけの大臣なのか、その動向が注目される。
→ビデオニュース・オン・ディマンド (2010年01月14日)
「さまざまな既得権益を壊していきたい。クローズドしたものをこじ開けていきたい。多くの人たちに平等で自由なアクセスを保障したい」
「クロスメディアの禁止、つまり、プレスと放送が密接に結びついて言論を一色にしてしまえば、そこには多様性も民主主義の基である批判も生まれないわけであります。これを、法文化したいと考えています」
原口氏はこのように語り、マスメディア集中排除原則を法案として提出する意向を明らかにした。アメリカを始めとする先進国の多くでは、言論の多様性やメディアの相互チェック能力を担保するために、新聞社が放送局に資本参加する「クロスオーナーシップ」を制限したり禁止する制度や法律が設けられている。
日本のマスメディアは現状、新聞・テレビが資本関係で系列化され、5グループに集中。ネットの影響力は向上しつつあっても、映像をともなうテレビ電波の「視聴率1%でも100万人に届く」影響力には、遠く及ばない。その結果、民主国家にもかかわらず、言論の多様性が担保されていない。巨大メディアを通じて、世論形成が1つの極端な流れに傾きやすくなっている。
テレビ東京の筆頭株主は、33.3%を持つ日本経済新聞社。また、日本テレビの上位株主は下記のとおりで、筆頭株主の読売新聞グループ本社をはじめ、読売グループが25%超を保有し、大株主からCEOが送り込まれることで、事実上の新聞テレビ一体経営となっている。
株主名 持株数(万株)・持株比率(%)
(株)読売新聞グループ本社 376(14.8)
読売テレビ放送 157 (6.2)
日本トラスティ信託口 144 (5.7)
読売新聞東京本社 136 (5.3)
