ランクごとに上限が設定され、昇給がストップする制度に(社内資料より)
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リストラのスピードアップが至上命題の日経にとって、人件費のリストラは避けて通れない。その最大の手段として導入されたのが、成果主義の人事制度である。この10月から試験的に導入し、2010年4月から本格稼働させる。昇格のハードルを高く設定し、ボーナスと会社業績の連動性を高めたのがポイント。一般産業界に遅れること10年、それでも仕事の成果と関係のない家族手当や住宅補助が残されるなど中途半端で「周回遅れ」だが、「若い世代から昇格を遅らせることで総人件費を削減する」という目的は同じだ。
【Digest】
◇「誰も勝たない」周回遅れの成果主義導入
◇ボーナスは配分前営業利益に連動して決める
◇抜擢も降格もなく、若い人ほど一方的に損な仕組みに
◇時給換算では商社や大手金融以下
◇子会社では今夏、希望退職募集
◇「誰も勝たない」周回遅れの成果主義導入
「ようは、“誰も勝たない制度”です」
ある社員によれば、この新人事制度に変わることで、短期的には、業績が悪いときは全員のボーナスが減る(そして右記会社説明のとおり今後の業績は悪い)。中長期的には、昇格がこれまでのように自動(年次主義)でなくなることで、基本給も上がりにくくなる。だからよくて現状維持、誰も勝つことはないという。別の社員も、「来年はボーナス分でみんな100万ずつ減る、という感じでしょう」と見通す。
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日経新聞(記者)のキャリアパスと報酬水準 |
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現状の制度は、ほぼ完全な年功序列・年次主義で、社員Ⅰ→主査→主事補→主事→参事補→副参事→参事と上がっていき、同時に給料も上がっていく、という単純なものだった(左記参照)。
参事から上は管理職扱いとなるが、管理職試験の類は何もなく、歳さえ食えば、ほぼ参事になれてしまう。参事のなかから部長になる人がいるが、部長といっても、多少、経費が使えるようになるくらい。給与を決める要素で一番重要なのは、何年会社に在籍したか、という「年次」だった。
バブル期に大量採用した社員が40代を迎えた今、このまま皆が管理職になって年次とともに給与が上がり続けたら、人件費が高騰してしまう。
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新人事制度における昇格ルール。これまでのように年次だけで上がることはなくなる |
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そこで第1に、昇給しずらくなる仕組みを導入した。新制度では、スタッフ階層(S1→S2→S3)とチーフ階層(C1)、管理職階層(M、P)の大きく3つに分け、たとえばS1→C1に昇格申請するには、「直近1年の総合考課がE+」など3つの基準のいずれかを満たす必要がある。
これまで自動的に上がって、今回の制度変更で自動的にC1に位置づけられるデスククラスが再度、考課を受け直してスタッフに降格するわけではないため、若い世代にとって一方的に不利な内容となっているあたりは、富士通ほかあらゆる大企業で過去に導入された成果主義の問題点を、何ら反省することなく踏襲している。既得権を守り、若手に負担を押し付ける構造は、若者の非正規雇用問題に代表されるように、これまた日本経済の縮図である。
◇ボーナスは配分前営業利益に連動して決める
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業績に連動して決まるボーナスの水準 |
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第2に、平均的なボーナス額の決定を、「賞与配分前の営業利益」によってフェーズ1~5に分けて決定する仕組みにした。会社として常に100億円の利益を確保し続けるために、業績が悪ければ賞与を大幅に減らし、良ければ大幅に上げることでメリハリをつける。このフェーズ制は「交渉の目安」としているが、「業績が悪いのに賞与をたくさん出せ、というのも今の時代ありえない」(社員)と社員側も納得せざるを得ない話でもあり、現実にこのまま運用される公算が強い。
これまでのボーナスは、業績の実績や見通しを参考に労使交渉で決めるというアバウトなものだった。今年は中間最終赤字だが、「自分の夏のボーナスの支給額は前年比3割カットだった」(社員)と、赤字会社の割にそれなりに出ている。ちなみに2009年3月期決算で営業赤字だった朝日新聞社も29%カットだった。
無理やり黒字決算を作るためか、「冬のボーナスは5割カット.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
