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日本経済新聞社-2 増殖する役員ポスト、閉鎖される海外拠点
売れ行き不調のヴェリタスは大手書店でも扱い停止に(紀伊国屋書店)

 

 


 もともとパワハラ体質だった日経だが、社員数を減らしつつ(過去10年で約1千人が自然減)、新規事業立ち上げにも人を割く(日経ヴェリタス創刊、電子新聞準備)という荒業によって、現場の負荷はさらに増している。投資情報誌『日経ヴェリタス』は、5万部以下で低迷する日経金融新聞(KS)を廃刊して2008年3月に創刊。当初はキャンペーンで無料購読期間などを設けたため14万部超まで伸び、個人購読者比率も7割を占め、狙いどおり成功するやに思われた。だが、昨秋のリーマンショックなどもあり投資マインドは低迷。個人読者は継続契約せず解約が相次いだ。


【Digest】
◇ヴェリタスの大失敗
◇皆が失敗を予測する電子新聞
◇経団連の圧力で書く場を失った牧野編集委員
◇「速報バカ」にされる記者たち
◇広告がピークの半分以下に
◇部長が2人いる経済金融部、増殖する役員ポスト
◇海外支局を続々閉鎖
◇竹林の間に親鸞の漫画が決まってしまう中小企業体質
◇「思いつき人事」に振り回される社員たち



◇ヴェリタスの大失敗
『週刊東洋経済』が掲載したこのPR記事は日経社内では不評だった。「経営統合を持ちかけているからヨイショしている」という情報も流れた。この14万部強がマックス。

 

 

 

 社員が解説する。「部数は14万部の半分くらいまで落ち込んでいて、記者の人件費を賦課したら大赤字。大失敗です。プロの投資家からしたら、物足りない。個人は、景気に大きく左右される。景気がよくなって株価が上がってくれば多少は盛り返すかもしれないが…」

 私が在籍した当時も、日経はなぜか人件費を賦課しないで損益を計算したがるところがあり、疑問に思っていた。

 記者は使い減りしないから死ぬまで働かせる固定費だ、という発想なのだろうが、最大のコストは記者の人件費なのだから、無意味である。

 ヴェリタス編集部は在籍数21人(2009年4月)と1年前から11人も減らし、止血作業に入った。結局、創刊にかかった巨額の赤字だけを残し、KS時代の赤字メディアに戻ってしまった。もちろん、事業の失敗に際し、誰も責任をとる気配はない。

◇皆が失敗を予測する電子新聞
 次の打ち手が、来春のスタートを予定する電子新聞事業である。編集局内に設けられた「電子新聞編集本部」には61人(2009年4月現在)が集められ、私の知る限り、それなりに優秀とみられる記者も送り込まれている。なにしろ、社運がかかったプロジェクトなのだ。

 社内では今夏より、社員向けの説明会が開始されている。様々な記者が聞いてきたところによると、現在の「NIKKEI NET」を衣替えし、重武装するとのことだ。つまり、まったく別のサイトを立ち上げるわけでもなく、PDFで紙面イメージのまま提供するわけでもない。WEBベースで、現状どおり無料で読める部分、会員登録した人だけが読める部分、完全有料会員向けの部分、に分けて提供することになる。

 社員が解説する。「みんな内心、うまくいかない、と思ってますよ。局次長会で説明を聞いた人によると、月2100円で提供し始めた日経ヴェリタスマーケットonlineで数千人が会員になったというが、そんな規模では…」。

 つまり、カネ儲けの手段としてカネを払いやすい投資情報に特化したヴェリタスのコンテンツでさえ数千人に過ぎないのだから、一般のビジネス情報をウェブ経由で有料でも読む人を万単位で獲得できるとは到底思えない、ということだ。社内でも懐疑的な見方が圧倒的なのだという。

 既に電子新聞を経営し、読者にウェブ上の記事でお金を払っていただくことがいかに難しいか実感している私自身の見立てでは、日経の知名度をもってしても、月1千円なら5万人、2千円で数万人、といったところが、せいぜいであろう。つまり、また赤字を垂れ流すメディアが1つ増えるだけ、ということだ。

◇経団連の圧力で書く場を失った牧野編集委員
 失敗の第1の理由は、日経がスター記者の台頭を絶対的に嫌うため、個人名で勝負できる記者がいないこと。記者にファンがついていれば、「あの人のコラムが読めるなら」と会員になりやすいし、社会からオピニオンリーダーと目される存在がいれば「あの人の解説・主張が世論も株価も左右するから」とカネを払う動機があるが、日経にはそういう記者が皆無なのだ。

 ウォーレン・バフェットを初めて日本に紹介した人として有名な牧野洋氏は、ピーター・ドラッカーへのインタビューなどもこなし、国際的に活躍できる数少ない日経の記者だったが、2007年に日経を退職し、翌年には米国に移住してしまった。

 複数の記者によると、その裏事情は、いかにも日経の体質を象徴しているものだった。小泉政権だった当時、海外からの投資促進のため「三角合併の解禁」が重要な政治課題として挙がっていた。経団連の御手洗会長は、解禁によって飲み込まれることを恐れた新日鉄など旧来型産業の肩を持ち、解禁反対を主張。

 国際的にみて対内直接投資額が圧倒的に少ない日本で解禁は当然、とする牧野編集委員の論を封じ込めるべく、御手洗会長は杉田会長のところに圧力をかけにやってきた。ジャーナリズム企業のトップとしての見識がない杉田は、なんとこれを飲んでしまう。結果、三角合併解禁を当然とする論調での記事は書けなくなった。相前後して、証券部から産業部へ異動させられた牧野氏は、書く場もなくなってしまった。

 「牧野さんは、小孫編集局長とも折り合いが悪く、今は退職してカリフォルニア州にいる。奥さんが通訳業で稼げるから、辞めることができたんです」(社員)。日経は貴重な書き手を失った。

 日経と経団連とは、建物自体も地下でつながっているが、ビジネス上も日経の広告スポンサー団体として直接つながっている。だからといって経済団体の圧力に屈して会長が記者に論を曲げさせる新聞社の記事など、信用されるはずがない。読者がカネを払って読みたい、と思う気骨のある記事を書ける有能な記者が、書く場を失って追い出されるカルチャーで、有料の電子新聞の成功は難しい。

 なお、日経は、三菱銀行と東京銀行の合併をスクープして新聞協会賞を受賞したこともある大塚将司・元中堅ベンチャー部長個人に対して、2007年10月、3千万円もの損害賠償と謝罪広告を求める訴訟を起こしている。『新聞の時代錯誤』と『日経新聞の黒い霧』の2冊の著書中で、元社員のインサイダー事件に絡み、経営陣が検察庁に工作したかのように書いたこと等が事実無根で名誉棄損だ、というもの。

 300万部もの発行部数があるのだから、その新聞上で反論すればよいにもかかわらず、裁判で個人に対し高額の賠償を求めるところが言論機関として恥ずべき最悪の行動である。

 元社員から指弾されることが多いのが日経の特徴であり、元社員がビジネスパートナーとなることも多いリクルートや日本IBM、アクセンチュアのような人材輩出企業とは異なる。いわば「敵対的人材輩出企業」と言ってよい。

◇「速報バカ」にされる記者たち
 第2に.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



経営改革で26人に減らしたはずだった役員数が増殖(画像は2004年社内報『太陽樹』)

 

 

 

日経の部署別、所在地別の社員数

 

 

 

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読者  09:12 02/01 2010
以前、「日経パソコン」という予約購読誌を大宣伝していた時期がある。パソコン操作に役に立ちそうな記事が並んでいたので購読してみたら、宣伝と大違いでパソコン技術に関する記事は、申し訳程度に紙面のほんの一部にしか載っていなかった。解約を申し出たら、前払い購読料のほんの一部しか戻ってこない仕組みだった。広告と大違いの雑誌を売りつける、日経のインチキ商法は許せない。