フランスの時事週刊誌『フィガロ』のトヨタ特集で、仏人ジャーナリストレナ・モージェさんのインタビューを受けた。この3~4月に10日間かけて現地入りし、トヨタの若手社員からベテラン社員まで、およびトヨタ関連企業で働く人たち、日系ペルー人、日系ブラジル人、さらには豊田市内の街角やハローワークの前にいた人たちなど、様々な場所で精力的に取材を試みたという。少なくとも日本のマスコミよりしっかり取材しているレナさんに日仏の違い等について話を聞いた。
--豊田市はどうでしたか?
「難しい。取材が難しかった。他の国では街角で話を聞くのはもっと簡単なのに、豊田市の人々はなかなか口を開いていただけない。そこはフランス国内とも違う。トヨタ自動車にも何回も取材申し込みをしたが、ダメだった」
--どうしてトヨタを取材しようと思ったんでしょう?
「トヨタはシンボルの存在。アジアのなかで、日本は経済的に落ち目で、中国に抜かれつつあるが、トヨタが下降線を辿っている問題は、下降線を辿る日本の姿とダブる。トヨタを伝えることは、日本のメタファーだと思ったのです」
--私もその通りだと思う。トヨタには戦後日本の経済的成功と闇の部分が凝縮されている。フランスでのトヨタの評判は?
「フランスのトヨタのイメージは、クローズド、バッドコミュニケーション。広報情報が少ない。現代社会では異質。友人がリベラシオンの日本の特派員をやっていますが、トヨタ取材のアサインはやりずらい、と。フランスのほうが自由はあります。ストもあったし、不当解雇によるトラブルが表面化したり。トヨタフランスのマネジメントのほうが緩やかです」
--違いの原因は。国民性に合わせているのか。
「フランスは週35時間労働で、それ以上働かせることは認められません。日勤→夜勤に切り替える際もタイムラグを置かないといけない。法律が日本と違う」
--過労死はない?
「ないです。十分な休暇がありますから。週35時間労働のほかに、年間で6週間の休みもあります」
--トヨタで働く人たちの話を聞いて、フランスとの違いは何だと感じたか?
「フランスのほうが失業対策などは充実していますが、工場が中国などに移って仕事自体が減っているため、そのシステムも追いつかなくなっています。だから、日仏のギャップは小さくなっている。トヨタの人は、トヨタで働くことに誇りを持っていると感じました。フランスでは、ただの仕事です」
--豊田の街の印象は?
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