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書籍版『トヨタの闇』はこちら⇒ amazon   bk1   紀伊国屋   ジュンク堂

 年間1千億円超と、全上場企業のなかでダントツの広告宣伝費を誇るトヨタ自動車。本屋にはおべんちゃら本が並び、雑誌は広告と区別がつかないような記事を書いてスポンサーに媚を売る。
 しかし、その実態は、欠陥車をどこよりも多く作り、どこよりも多くリコールする不良品メーカーであり、その労働現場は、「自動車絶望工場」の時代から変わっていない。MyNewsJapanでは継続的に、その実態をウォッチしていく。

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トヨタの闇記事一覧
トヨタ正社員が告発「パワハラ受け鬱病で1年半休職中です」 内部報告書で改善拒否「パワハラの事実確認できず改善も謝罪も不要」
トヨタ自動車田原工場の現役正社員・原沢武氏(仮名40代)は、労災隠し事件に遭った後の2022年1月以降、新たな事件に直面した。〝パワハラ上司〟問題である。2023年3月、大声で上司から叱責された原沢氏は、帰宅後、妻に頼まれ、娘を車に乗せて塾まで送って行くつもりが、同じところをグルグル回って、娘を乗せたまま自宅に戻ってきた。急遽、専門医に見てもらったところ「うつ病」と診断され、2023年3月末から2024年9月現在にいたるまで1年半に及ぶ休業を余儀なくされている。その間、イオンモールでトヨタの同僚と顔を合わせるとパニック状態で過呼吸になり、一人で走って逃げ去る事態に。隣接県のトレーラーハウスを借りて住みトヨタ従業員と顔を合わせない措置もとった。このような病状に至るほどのパワハラとは、どのようなものだったのか。
「目に見えるケガではないから労災と認めない」がトヨタのルール 勤務中のドア入れ替え作業で腰に激痛!入院し1か月の重傷も労災認めず
トヨタ自動車・田原工場で1年2か月のパワハラ(トヨタは否定)で鬱病をわずらい去年3月から休業中の、同社正社員・原沢武氏(仮名・40代)。話を聞くと、実はパワハラ事件の前に明らかな「労災隠し」にあっていることがわかった。2018年6月、単身赴任していた同社元町工場で、ドアの入れ替え作業中に腰に激痛が走り、椎間板ヘルニアを発症。国立病院機構・豊橋医療センターに入院した。軽作業ができるレベルに回復するまで1か月、日常生活に戻るまで半年弱を要した。労災を申請したいと上司に告げると、工長から「見て分かるケガではないから労災とは認められない」「骨が折れてるとか、指がないとか、外から見てわかるダメージじゃないとダメ」と拒否されたという。次女が生れたばかりで「会社に逆らって辞めることになったら妻や子供たちを養えない」と泣き寝入りした。「どう考えても労災。せめて支払った治療費を補填してほしいし、ケガのために消化した有休を返して」と納得がいかない。
利益5兆円トヨタの現役正社員が「パワハラで適応障害患った」と300万円の慰謝料請求しトヨタを提訴 10年にわたる実名内部告発で会社から懲戒処分の数々
日本企業で初めて5兆円超の営業利益をあげたトヨタ自動車だが、グループ内では、製品の信頼にかかわる認証試験で実測値と異なるデータを使用するなどの不正行為が噴出中でガバナンスは機能していない。第三者委や識者は「ものが言いずらい」企業体質を指摘する。実際、トヨタ自動車堤工場に勤務する染谷大介氏(44歳)は「もの言う社員」であるがために、パワハラを受けてきた。2014年に勤務時間中の職場作業でヒザを痛めたのに労災保険を使わぬよう何度も何度も上司に迫られた経験が出発点となり、彼は社内の「労災隠し」や「有給休暇取得させない問題」で声を上げ続けた。その結果、少なくとも9回にわたる注意書や出勤停止処分などを受け、そのなかにはMyNewsJapanへの情報提供が処分理由とされたものもある。今年2月8日、染谷氏はトヨタから受けた精神的苦痛の慰謝料として300万円を請求する訴訟を名古屋地裁岡崎支部に提起。4月18日にその第二回期日を終えた原告に話を聞いた。
聴覚障がいの元社員がトヨタを提訴「会社側が無断で労災補償申請書に虚偽記載し、有印私文書偽造された」 意図的に体当たりされて負傷→「歩行中、右肩と右肩が交錯し受傷」
11月21日、元トヨタ社員の竹沢晴敏氏(仮名40歳)が、トヨタ自動車を相手取って400万円の賠償請求訴訟を名古屋地裁岡崎支部に提起した。在職中、同僚に体当たりされて右肩挫傷(全治10日間)したとき、トヨタが労災関連の申請書に、偶発的な事故であるかのように「事実をねじ曲げた内容を書き(中略)有印私文書偽造罪(刑法159条1項)に相当」(訴状)と認識したことなどが提訴の理由。「肩の痛みも勿論ですが、心の痛みはもっとつらかった」との思いを抱き続けて4年余、今年3月に愛知労働局で紛争のあっせんを申請。トヨタと竹沢氏は合意書を交わし解決したかに見えた。だが、あっせんの場で不審な点を感じた竹沢氏は労基署に開示請求して文書を入手。その書類を見た竹沢氏は、あぜんとした——。
背中殴られ体当りされたトヨタ体験記…差別発言、パワハラ、暴力 「お前、障害者年金貰ってるんだろ?皆より給料高い、障害者は得だな」
聴覚障害者の竹沢晴敏氏(仮名、39歳)は障害者採用枠でトヨタ自動車に入社し、14年間トヨタで働き2018年12月に退職した。それから4年が過ぎた今年1月末、「ケガをさせられた肉体的苦痛、及び、傷害を隠蔽された精神的苦痛に対し、700万円の慰謝料を請求」し愛知労働局に斡旋を申請した。在職中に、上司や同僚から差別発言やパワハラ、いじめを受け続けていたというのだ。「私だけが作業遅れやミスをしている訳ではないのに、上司は私一人を目の敵にし、ことさら酷く叱り、怒鳴り、背中を殴ることも頻繁でした」(竹沢氏)。組織ぐるみの弱者いじめカルチャーの下、仕事中に他の社員から体当たりされ肩にケガを負ったが、ただの作業者どおしの接触とされ、実態を隠されたという。3月29日に和解はしたものの、問題は根深い。いったい何が起きていたのか。竹沢氏を訪ね、詳しく聞いた。
マツダ社員が労災と職場復帰を勝ち取るまでに7か月!「精神科に行け」、社内傷病報告には「元々負傷箇所に問題」と虚偽記載…
2020年7月、マツダ本社宇品工場で『CX-5』などのシートを車体に搭載する作業をしていた社員A氏(40代)は、設備の不具合で重量物を引っ張った際、突然、首にピリッと痛みが走り、頚椎症性神経根症を発症。仕事中の怪我だから労災手続きを求めたが会社は協力せず、産業医も巻き込んで“労災隠し”に動く。もともと「首に不安があることを知っていた」「引っ張る行為と、首を痛めた事は、因果関係がないと判断」と、虚偽の事実を社内の傷病報告書に書かれた。療養を終え仕事復帰したA氏が労災申請手続きを求めると「就業禁止」に。退職勧奨的な圧力を感じたA氏は、労働局に紛争あっせんを申請。弁護士を通して会社に申し入れたが「本社が出した書面とわしら(現場)の見解は違う」と抵抗にあう。結局、22年2月10日に復職、労災も適用されたが、同社のみならず多くの人が労災を適用されない実態もある。「同じ思いをする人の役に立てば」と、復職するまでの体験を語った。
トヨタ自動車北海道の”逆切れ裁判” 窃盗犯の汚名を着せられた社員が上司を訴えたら、逆に名誉棄損で訴えられた!
トヨタ自動車北海道の工場内で2017年10月11日、社員の山本義男氏(仮名50代)のキャビネットの鍵が紛失した。山本氏は、ある社員が鍵を盗った疑いがあると複数の社員に話した。名指しされたのは、同じ年だが山本氏より役職が低い、部下にあたる一般職の宮川大介氏(仮名)。「宮川犯人説」は瞬く間に社内に広まり、窃盗犯呼ばわりされた宮川氏は心身ともに憔悴し、うつ病を発症。2カ月余の休職を余儀なくされた。宮川氏によればパワハラは2010年から続いていたという。宮川氏がパワハラ対応部署に相談した結果、山本氏は謝罪文を出した。しかし休職で収入は減り心身共に傷を負った宮川氏は今でも心療内科に定期的に通っている。そのため2019年1月30日、宮川氏は上司にあたる山本氏に対し慰謝料請求訴訟を起こした。すると訴えられた山本氏は、名誉棄損で反訴したのである。前代未聞の社員どおし、上司と部下の裁判てんまつを報告する。(記事末尾で訴訟ダウンロード可)
トヨタ正社員がQCサークル未払い賃金約7万3000円を労基署に申告 「サービス残業に苦しむ全国の皆さんのためになりたい」
トヨタ自動車の本社工場に勤務する吉田亘希さん(22歳)が2月7日、自宅に持ち帰ったQCサークル活動39時間分の賃金7万3206円が未払いだとして豊田労働基準監督署に申告した。トヨタのカイゼン活動の柱として知られるQCといえば、2002年に内野健一さん(当時30歳)が堤工場内で倒れ致死性不整脈て死亡した事件が思い起こされる。内野さんは長時間残業に加え自宅でQC作業を行っていた。妻が労災申請したが労基署は認めず、提訴して07年に全面勝利した。仕事ではなく自主活動だとトヨタが主張していたQCが業務として認定され、それを受けて同社は賃金を支払うようになった。死んだ人は生き返らないが、多くの人々が救われた、と思われた。だが、今回再び表面化したQC自宅作業は、根本的にトヨタの姿勢が変わっていないことを示す。あらためて同社の無償労働の実態をさぐった。(記事末尾でQC資料19枚ダウンロード可)
前代未聞 元期間工がトヨタを訴えた!労組脱退で雇止、会社は「自己都合退職」と離職票に虚偽記載――「雇用上限2年11カ月」の脱法性を問題提起
トヨタ自動車の元期間工・大沢浩二氏(仮名・50歳)は、労働組合脱退を理由に2018年3月に雇止めされた。しかも大沢氏は、契約期間延長希望の書面を提出していたが、トヨタは「自己都合」と離職票に虚偽記載した。そのため雇用保険の給付日数が240日間から90日間に削減されそうになったが、労基署に働きかけて会社都合と認められた。大沢氏は納得がいかず、愛知労働局にあっせんを求めたがトヨタは話し合いを拒否。そこで19年9月17日、本来なら働けた残りの期間の給与と慰謝料を合わせ、約320万円の支払いを求めて名古屋地裁岡崎支部に提訴した。現在、原告被告双方の代理人と裁判所による進行協議が進められている。大沢氏は改正労働契約法の主旨に反する脱法的な非正規従業員の使い捨てを疑問視し、「若い世代のために」と、前代未聞の訴訟に踏み切った。(記事末尾で訴状ダウンロード可)
トヨタ期間工が豊田章男社長に慰謝料330万円を請求「若い世代のためにも私が非正規労働者の環境に一石を投じます」
トヨタ自動車の期間工Aさんは契約期間延長希望の書面を提出していたが、トヨタ労組からの退会を告げたとたん、昨年3月末で雇止めされた。しかも、トヨタは「自己都合」と離職票に虚偽記載したため、雇用保険の給付日数が240日間から90日間に削減されそうになった。ハローワークや労基署に働きかけて会社都合と認められたものの、理不尽な扱いに納得のいかないAさんは、豊田章男社長に慰謝料330万円を請求。愛知労働局の紛争調整委員会であっせんが開始されたが、豊田社長の参加拒否で3月4日に打ち切りとなった。どんなに真面目に働いても最長2年11カ月で“部品交換”のように雇止めされるのが期間従業員だ。「もう次にトヨタで働くのは難しいでしょう。でも、誰かが指摘しないといつまでも変わらない。若い非正規労働者のためにも一石を投じます」と覚悟の行動を起こしたAさんは、法的措置を検討している。(記事末尾で慰謝料請求文のダウンロード可)
トヨタ正社員が実名顔出しで覚悟の告発!純利益2.4兆円の陰で起きている3つの事件、会社は「注意書」で”報復”
今年3月期決算の純利益が2兆4,939億円と、日本企業として過去最高を記録した絶好調のトヨタ自動車。景気のよい話であるが、現場を見ると、労災隠し、有給休暇取得つぶし、期間従業員雇止めなど、なんともトヨタらしい、スケールの小さな話があふれている。自身の労災事件を実名で告発した正社員(39歳、堤工場勤務)は、このほど顔写真の掲載も承諾し、インタビューに応じた。大組織の中で実名顔出しで語るのは、かなりの覚悟がいるが、その決断にまで至った背景には、ここ1年余りの間に起きた働く環境に関する3つの事件がある。指を複雑骨折した期間従業員の労災隠し、年次有給休暇を申請拒否した事件、書類に虚偽記載して期間従業員を雇止めした事件だ。“闘うトヨタマン”に、最近起きた3件についてじっくり聞いた。
石井社長辞任の電通 首を洗って待つ「5人+α」の責任者たち、現場社員が語る「デジタル広告事業で過労死&不正請求が起きた背景」
年末に急展開を見せ、石井社長が過労死事件の引責辞任を決めた電通。厚労省は第一弾として12月28日、まず個別の過労死事件について、容疑が固まった「法人としての電通」と「被害者の直属上司(佐々弘弥部長)」の2者を書類送検し、現在は全社的な違法労務管理の疑いも含め、追加の立件に向けた全容解明の捜査を続けている。社員数が約7千人と大規模で、その1日単位での労働時間が証拠となるため、相応の時間はかかりそうだ。一方で、昨年9月に発覚したデジタル広告部門の不正請求問題については、1月17日、不適切取引は計1億1,482万円だったとの調査結果を発表。当初発表された約2億3千万円を大きく下回ったほか、悪質度の高い架空請求も338万円(10社40件)にとどまり、上層部がいかにデジタル広告の現場を理解していないかも浮き彫りとなった。渦中の現場社員らに、不正発生の背景について聞いた。
トヨタ正社員が実名で語る組織的労災隠し(4) 知人が豊田章男社長らを刑事告発、最終的に労災を勝ち取った!
トヨタ自動車に勤務する正社員・染谷大介氏(36歳、堤工場勤務)は2014年11月、自身が経験した会社の執拗な「労災隠し」に憤慨し、本サイトでの実名告発に踏み切った。その内容は、作業中に膝をケガして治療したところ、上司が病院窓口まで出かけて労災を健保に変えようとしたり上司5人が個室に染谷氏を呼び労災申請を取り下げるよう圧力をかけた、というもの。事実の公表に対し管理職は「情報を漏えいしたのか」と染谷氏を問い詰め、15年3月17日には「注意書」まで発し、懲戒処分をちらつかせた。それにも屈せず同年6月19日、豊田労基署宛に「労働安全衛生違反申告書」を提出、8月後半には労災支給が決定した。続いて9月5日、染谷氏の知人が豊田区検察庁に、豊田章男社長と会社を刑事告発。結局、トヨタは10月1日に傷病見舞金を染谷氏に支払った。巨大企業による理不尽な労災隠しに対し、録音等で証拠を押さえ、現役社員が一人で立ち上がって勝利するまでのプロセスを詳細に報告する。
トヨタ正社員が実名で語る組織的労災隠し(3) “作業観察シート”の上司による自作自演が発覚    
今年8月1日、作業中に右膝靭帯を負傷したトヨタ自動車堤工場で働く正社員の染谷大介氏(35歳)は、仕事中のケガなので労災保険で病院を受診した。すると、狭い部屋で上司5人が染谷氏を取り囲み、健康保険に切り替えるよう圧力をかけ、病院の受付まで行って「トヨタ自動車には独自のルールがあるんです。染谷さんの保険を労災から健保に切り替えてください」と病院に要求したという。さらに、労災申請に必要な用紙にも「事業者名と住所」以外は一切書かず、ケガではなく「疾病」だと会社は主張している。会社に何の疑問も感じない普通の社員だった染谷氏は、労災を認めない会社の頑なな態度を見て、一人でも加入できる全トヨタ労働組合(ATU=全ト・ユニオン)の組合員になった。トヨタ自動車本体正社員が“御用組合”以外の労組に加入すること自体、事件である。“闘うトヨタマン”が誕生した直前の状況を報告する。
トヨタ正社員が実名で語る組織的労災隠し(2) 上司5人が取り囲み「これを見ろ!」と示した“謎の小冊子”
「これは普通、見せるものではないんだ。トヨタ独自のルールなんだよ。こういうルールをやっているのは(グループ内でも)トヨタだけなんだ」――トヨタ自動車の現役正社員である染谷大介氏(35歳)は、仕事中にケガを負い、労災保険で治療しようとしたところ、小部屋で上司5人に囲まれ、黄色い謎の小冊子の1ページを示された。そこには、国の法律などおかまいなし、とばかりの、労災隠しに都合がよい、不可解な社内ルールが記されているのだった。さらに上司は、染谷氏本人に断りなく病院に電話し、健康保険に切り替えるよう伝え、所属する班の全員に対して、社員教育で使う「個人記録票」に、「仕事でケガしたらまずは健康保険」と、一字一句、同じ文言を書かせた。トヨタの巧妙な労災隠しは、どのように行われているのか。染谷氏に詳しく話して貰った。
トヨタ正社員が実名で語る組織的労災隠し(1) 「仕事中にケガしても労災保険使うな」が“トヨタルール”
トヨタ自動車の現役正社員として、プリウスなどを生産する堤工場(豊田市)で勤続8年となる染谷大介氏(35歳)は、会社に何の不満も疑問も感じない、普通のトヨタマンだった。しかし今年8月1日、仕事中に右ヒザ靭帯を損傷して以降、会社の対応に疑問を持ち始めた。狭い部屋で6人の上司に囲まれ「労災じゃない、健康保険を使え」と迫られたり、上司が病院まで出かけて行き「労災保険を健康保険に切り替えます。トヨタにはそういうルールがあるんです」と病院事務員に伝えるほどだったという。会社で仕事中にケガをしたのに、なぜ労災保険を使ってはいけないのか――この素朴な疑問はトヨタでは通用しないのだ、と悟ることになった。15年3月期決算見通しで過去最高の2兆5000億円という空前の営業利益をあげるトヨタの現場で、何が起きているのか。「働いていて楽しいと思えるトヨタに変えなければなりません」と実名で名乗り出た染谷氏本人から、3回にわたり、トヨタの内情を語ってもらう。
「トヨタウン」加速させる豊田市、トヨタに巨額補助金続々 立地補助金46億、道路改良18億…原資は中小零細企業と市民が負担
百姓から取り立てた年貢を、お代官様が“越後屋”に横流し――筆者はそう感じた。2013年度決算で営業利益2兆2千億円を見込むトヨタ自動車。ならば地元・豊田市に納める法人市民税も増えたかと思いきや、過去の損失を9年繰り越し相殺できるため、同市の2012年度法人市民税の8割超は中小・零細業者が負担。一方で豊田市は、中小企業や個人市民税で集めた税金をトヨタに大量投入。本来、外から企業を誘致するはずの産業立地奨励補助金が地元トヨタグル―プに流れる仕掛けにより、13年で46億7千万円がトヨタ1社に。トヨタのテストコース関連に4億8千万円、そこに通勤するトヨタ関係者のための道路改良に18億円。総事業費17億5千万円の豊田市環境モデル都市事業「エコフルタウン」敷地内にはトヨタホーム、プリウス、燃料電池スタンドなどが立ち並び、CM「トヨタウン」でも造るかのようだ。大企業主義の安倍政権の縮図ともいえる豊田市の実態を聞いた。
「職場は極限状態」疲弊するトヨタ中高年社員たち 消費税駆け込み需要に備え労働強化の流れ
一時金が満額回答の組合員平均205万円(平均38.0歳)、5年ぶり200万円超えと、景気のよいトヨタ。だがその裏では、“応援”で疲弊する中高年が続出しているという。震災復興やエコカー補助金・エコカー減税といった環境の変化に応じて生産量の増減が著しいため、その調整弁として、非正規の期間工だけでなく、ここ数年は、かつては考えられなかった「職制」(=班長など下級管理職のこと)や50代正社員が、応援要員として投入されているからだ。消費増税前の駆け込み需要を見込んで、今年8、9月に入社する期間従業員に限っては「初回の契約を更新すると10万円支給」というプレミアムまで乗せて人手を集めている。トヨタの現場業務はキツく、辞める者が多いからだ。戦力保持のため、毎朝、握力を量り、普段より2割数値が低いと注意を受けるという念の入れよう。昨今の工場内の動きを、現役社員に聞いた。
そこまでやるトヨタ式選挙 「候補者氏名を書く練習」「投票済証提出」を家族にまで強要、豊田市期日前投票40%に
先の2013年参議院選挙で、トヨタのおひざ元・愛知県豊田市内では、総投票数のうち期日前投票が39・1%(全国平均23・6%)と際立っていたことがわかった。その背景には、トヨタ労組の末端役員である「職場委員」が現場で指令を出し、選挙管理委員会が発行する投票済証の提出を社員に求めるばかりか、家族の分まで提出させる、という徹底ぶりがあった。さらに「労組が推す候補者の氏名を書かせる練習」も、社員家族の直筆を要求し、代筆さえ認めない。その圧力に対し、仕事を請けるために意見を言えないトヨタの下請企業社員から抗議の書類が、共産党トヨタ自動車委員会に郵送された。磯崎哲史(民主党比例・自動車総連出身)・大塚耕平(民主党愛知選挙区)当選の原動力となった「組織ぐるみ選挙」を目の当たりにしたトヨタ社員に話を聞いた。
「労組を辞めないなら同じ釜の飯は食えない」豊田自動織機下請けの光工業が休職者を“解雇”、1日17時間の原発作業で鬱病悪化
豊田自動織機の下請部品加工メーカー、光工業㈱の社員・山内正さん(46)は、浜岡原発の防潮堤鉄筋加工の責任者となり朝6時~23時までの過重労働で、うつ病を発症。半年間の休職となった。復職できるか不安に思った山内さんは組合に加入。主治医も就労可能と判断したが、復職をめぐる交渉中、営業部長が「(労組を)辞めないなら同じ釜の飯は食えない」と露骨に労組脱退を要求。会社側は、本人の了解なしに、産業医を通して医師に就労不可能の診断書(後に取り下げ)を書かせ、休職期限満了での「一般退職」処分にした。昨年10月3日、山内氏と全トヨタ労働組合は、愛知県労働委員会に対し不当労働行為救済を申し立て、5月27日に審問を迎える。労組に入ると解雇されてしまう中小企業の実態は放置されてよいのか。本人に話を聞いた。(陳述書はPDFダウンロード可)