「トヨタウン」加速させる豊田市、トヨタに巨額補助金続々 立地補助金46億、道路改良18億…原資は中小零細企業と市民が負担
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一企業のトヨタに豊田市の税金が大量につかわれている実態を調査した共産党の大村義則市議。(2013年11月24日に愛知県刈谷市で開催されたトヨタシンポジウムで) |
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- 下請単価切り下げと賃金抑制で営業利益2兆2000億円の見通し
- 利益増大させてもトヨタの法人市民税は増えない
- トヨタ自動車に市の補助金13年で46億7122万円
- トヨタテストコースへ人件費等4億8千万円、道路改良18億円
下請単価切り下げと賃金抑制で営業利益2兆2000億円の見通し
一連の事実を調査した豊田市の大村義則市会議員(共産党)に話を聞いた。大村氏は、豊田市がトヨタ自動車にどれだけ便宜を図っているかを示す資料やデータを行政から提出させ、議会内でも幾度となく質問してきた人物だ。
「豊田市の個人市民税 法人市民税、固定資産税、その他の税の推移を調べてみました。税収が一番多かったのがリーマンショックの前の平成19年度(2007年)で、1293億円の歳入がありました。リーマンショック直後(2009年)には一気に350億円減の842億円まで落ち込みます。
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(上)リーマンショック後に法人市民税は激減した。一方、最近のトヨタの営業利益見込みは、発表ごとに増大しているが、その分法人市民税は増えているわけではない。豊田市の法人市民税の8割以上は中小企業が納めている(下)トヨタの営業利益は、過去最高水準に迫りつつある。表はトヨタ自動車のホームページより。 リーマンショック前までの法人市民税は300億円から400億円の間でしたが、ショック後には34億円と、10分の1ほどにまで、信じられないくらい激減しました(左記参照)。
この傾向は平成21年度(2009年)からずっと続いています。ですから、今年度平成25年度の当初予算も、法人市民税を45億円と見て組み立てられているのです。
平成24年度は、見込みの段階では54億円でしたが、決算では若干増えて60億円ありました。
当然のことながら、法人市民税は、中小零細企業から大企業まで支払うものです。
豊田市内では、従業員が1人とか2人といった零細企業が全体の7割以上を占めており、数の上では大企業はほんのわずか。そのわずかしか占めない大企業からの税収はどうなっているか。
さきほど、決算上は60億円の法人市民税が出たと言いましたが、じゃあ、その60億円のうち大企業トヨタが少し復活してたくさん税金を払ったから法人市民税も(34億円から60億円に)復活したのかと思いきや、大間違いです。
私は法人市民税の内訳を議会で質問しました。事業所別に、一番大きい所は『9号法人』と呼ばれる。資本金や従業員数などによって1号法人から一番大規模な9号法人(資本金50億円超、従業員50人超)まで分かれています。
一番大きい9号法人はどのくらい法人税を支払っているか聞いたら、60億円のうち11億円だというのです。あとの税金(49億円)、つまり全体の81%は、中企業、小企業、零細企業が払っているわけです。
350億円も法人税が減っていますが、トヨタの連結の利益・損益の状況を見ましょう。2009年はリーマンショックで大幅な赤字になりました。それまで一番多かった年は、2兆2703億円(2008年3月期決算)の営業利益が出ていました。そしてリーマンショックで大幅に落ちて、その後少しずつ増えてきています。
昨年度は1兆3000億円超まで営業利益は回復しています。今年度(2014年3月までの1年間)は2兆2000億円くらいの見通しになっている。これだけ利益を回復しながら、なぜ法人税の支払いがその分増えないのか。
11月6日に発表した2014年3月期の見通しは営業利益2兆2000億円。その最大の理由は、『原価低減だ』と発表しました。簡単にいえば、下請企業の単価と労働者の賃金が低減した、ということです
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(上)外から企業を誘致するはずの産業立地費用は、トヨタグル―プ企業への交付金として使われている。儲けている大企業へ税金が投入されている。(下)トヨタが利益を増やす一方。市内中小企業の9割近くが、営業利益は横ばいか減少。
(上)豊田市内の製造業者の7割が「事業に占める自動車関連事業の割合が8割以上」と答えた。(下)トヨタが海外展開や次世代自動車にシフトした場合、中小企業は展望持てないと答えている。
(上)660ヘクタールもの広大なトヨタテストコースの建設が開始された。豊田市は関連道路に18億円、専任職員の人件費など関連支出は4億8000万円。(中)市役所近くの土地に市が建設するエコフルタウンは総事業費17億5000万円。市の施設なのにトヨタ関係施設ばかりが立ち並ぶことになり、税金を使いがら10年後に壊す。(下)エコフルタウンでトヨタ関連施設がたちならぶ地区。
豊田市は環境モデル都市としてCO2削減を誇らしげに語るが、環境省の算定では目標をクリアできない。
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" 一連の事実を調査した豊田市の大村義則市会議員(共産党)に話を聞いた。"
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読者コメント
株式会社トヨタアカウンティング(トヨタ自動車100%子会社)は、人材紹介業を生業とする会社であるが、コンプライアンスは存在しない会社であると判断できる。
理由は、自社の正職員募集で求人を募り、その求人者を別の会社へ紹介する目的で活用する。そんな会社である。良い行為であるとは思えないが、効率的な業務をするには最適な方法かもしれない。
実験として面白いのじゃ無いかな?将来の住宅やインフラの整備・実証実験だね、失敗したら自己責任だね
確かにトヨタ様様の面も有るね、東北大震災でも工場も維持したしね、企業城下町でもデトロイトより断然良いよね
豊田市法人市民税増えたと、朝日新聞にはあるが、トヨタ自動車が納めたとは書いてない。よく読まないとね。
トヨタ関係者が役員になっているリニモも赤字垂れ流し。愛知県民や長久手市を始めとする近隣市民の税金が大量に投入されている。
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