第5回反トヨタ世界キャンペーン ILO現地調査でトヨタ包囲網が加速
東京の支援集会で話すエド・クベロ委員長。クベロ氏の話から、トヨタ包囲網ともいえる国際的支援の現状が垣間見えてきた。(9月22日、東京) |
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- トヨタ包囲網――事態は動き始めた
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「トヨタがやってきた暴挙の代償を支払わせる」
9月22日、トヨタ自動車東京本社前には、赤や青の組合旗がはためいていた。この日は、第5回反トヨタ世界キャペーンの最終日であり、世界統一行動の締めくくりとして、労働争議を抱えるフィリピントヨタのエド・クベロ委員長と支援者が抗議に集まったのである。
ところで、「反トヨタ世界キャンペーン」は日本ではほとんど知られていないが、世界の労働界では有名な統一行動だ。フィピントヨタで233名がほぼ同時に解雇された労働争議の解決をもとめて2006年、トヨタ現地法人の労組や支援者たち(45か国)で始められたもので、トヨタの工場や各国の日本大使館前で抗議行動が行われている。
キャンペーンのきっかけはIMF(国際金属労働組合連盟)の呼びかけ。IMFは日露戦争開戦時の1904年にアムステルダムで結成され、現在は100か国200組織、2500万人と、世界屈指の国際労組連合である。
大量解雇撤回をもとめて活動するフィリントヨタのクベロ委員長は、暗殺の危機にさらされ心配された。フィリピンでは01年のアロヨ政権誕生以降、09年までに労働運動家だけに限っても95人が暗殺されている。このような状況だが、無事に再び来日することができた。クベロ氏は、100人あまりの支援者とともにトヨタ東京本社ビルに向かってマイクをとった。
「日本のみなん、こんにちは。私は日本のトヨタ自動車に強く抗議するためにやって来ました。日本のトヨタ(直接にはフィリピンの現地法人だが)のやっていることは、反労働者的で反フィリピン人的なことだ。そのことを皆さんに知ってもらいたいのです。
2001年にフィリピントヨタは233人の労働者を不当解雇しました。以来、10年間近くもトヨタは話し合いをしようとしません。またILO(国際労働機関)による復職へ向けて労使交渉せよ、という勧告を無視し、国際労働組織(IMF=国際金属労働組合連盟)による抗議にもまったく耳をかしてきませんでした。
しかし、変化が起こり始めています。フィリピン政府はいまや私たちの味方といっていいくらい変わり始めているのです。政府はフィリピントヨタに対して、争議を解決するように話し合えと指示するまでになりました。
ところが、解決に向けて話し合いをするどころか、今年8月にフィリピントヨタは233人に加えて新たに4名の組合員を解雇したのです。そのうちの一人はウェニー副委員長です
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愛知県豊田市のトヨタ自動車本社とトヨタ自動車東京本社前で配布されたビラ。
トヨタ本社前に集まり抗議する人たち。前列にクベロ委員長とウェニー副委員長。(9月20日愛知県豊田市。写真提供=フィリピントヨタ労組)
(上)今年6月、ジュネーブのILO総会に出席したクベロ委員長。会議のほか、積極的なロビー活動を展開した。(中)フィリピントヨタ工場前に集まり抗議する人々。この日は、海外の活動家約30人が参加した。白い塀の向こうが工場敷地(9月29日)(下)フィリピントヨタ工場内の食堂でアピールするTMPCWA(フィリピントヨタ労組)のメンバーら。海外の写真3枚は、いずれも同労組提供。
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日本のトヨタ(直接にはフィリピンの現地法人だが)のやっていることは、反労働者的で反フィリピン人的
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大東亜戦争で進駐し、戦闘に巻き込み、さらに少ない食料を奪い恨みをかった日本。今も恨みを買う状況を作ってしまうのは残念なことだ。
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