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東電お抱えの原発接待旅行参加の民主杉並区議団、8割パクリの「原発必要不可欠」視察報告書を作成
東電主催の“原発ツアー”に参加し六ヶ所村原燃PRセンターで記念写真におさまる東京都杉並区の民主党区議団(上=視察報告書より)。向かって左から3人目が小川宗次郎氏で、右へ順に増田裕一・河津理恵子・安斉昭・田中朝子(現在は元区議)の各氏。安斉氏は東電OBだ(下=杉並区議会HPより)

 東京電力OBの安斉昭・東京都杉並区議ら、民主党の区議会議員5人(当時)が2008年5月、一部公金を使って青森県の原子力施設を2泊3日で視察し、視察報告書を作成。その報告書では「原発は必要不可欠」と結論づけ、本文のうち約8割が、東電・九電・中部電力や青森県の資料からのまる写しだったことが、筆者の取材でわかった。視察は東電が企画したもので、自己負担3万円を除く費用の大半を同社が負担。議員視察とは名ばかりの実質的な接待旅行で、東電による東電のための原発推進議員工作ツアーだった疑いが濃厚だ。電力会社による原発推進に向けた地方議会工作の実態をレポートする。(問題の報告書とパクリ元のタネ本はPDFダウンロード可)

【Digest】
◇東電主催の2泊3日原発ツアー
◇「自己負担わずか3万円」も税金
◇「県」「県民」「県議会」って何県?
◇パクリ率8~9割の「視察報告書」
◇「取材にはノーコメント」安斉議員
◇電力総連パワーで「原発推進」地方議員増殖中


◇東電主催の2泊3日原発ツアー
 視察が行われたのは2008年5月。東電OBの安斉昭(あきら)氏をはじめ、小川宗次郎・河津理恵子・増田裕一・田中朝子の杉並区議5人が参加した。いずれも民主党会派(当時)で、田中氏をのぞく4人は今年4月の統一選で再選され、現職区議の地位にある。

 5人は2008年5月19日から21日にかけて2泊3日で青森県を訪問した。たずねた先は下北半島周辺の原子力施設4ヶ所。

①「東通原子力発電所」(東通村・東北電力および東京電力)

②「岩屋ウインドファーム」(東通原発に隣接、ユーラスエナジー岩屋)

③「リサイクル燃料備蓄センター」むつ市・リサイクル燃料貯蔵)

④「原子燃料サイクル施設(六ヶ所村・日本原子力発電)

 ――である。いずれの施設も資本・経営面で東京電力と縁が深い。

 東京都杉並区の議員がなぜ青森県まで足を運んで原子力施設を視察したのか。いきさつについては、ある公文書の中で安斉区議が説明している。

〈…東京電力から施設見学のお誘いがあり、会派として(視察に)参加したものである〉(カッコ内は筆者注)

 安斉氏によれば、視察は東電からの誘いだった。公文書にはこんな経緯も書いてある。

 〈2泊3日の経費については、主催者である東京電力と協議を行い宿泊費や現地で要した交通費などを協議して負担したものである〉

 視察旅行の主催者は東京電力。つまり東電がカネを出したということだろう。そして双方の話し合いで一部を区議側で負担することにしたと安斉氏は書いている。

 では、議員が負担した経費とは具体的にいくらなのだろう。

 経費は基本的に東電が負担し、「協議」のうえで3万円を議員側で自己負担したという。安斉区議ら4人の区議はこれを政務調査費で支出した。旅行代理店から発行された3万円の領収書(上)と、東電から原発視察の誘いがあった旨、経緯を説明した安斉氏の抗弁書(下)。
◇「自己負担わずか3万円」も税金につけかえ
 区議側が負担した金額については区議会事務局が保管する領収書が参考になった。2008年6月12日付、渋谷区の「富士急トラベル」発行による領収書4枚。宛名は、田中氏を除く安斉氏ら4人。「会派視察代」とあり、金額欄には「3万円」と書かれていた。

 区議らはそれぞれ3万円を、視察から3週間後の2008年6月12日に支払ったことがわかる。

 じつはこの「自己負担分」である3万円について、安斉氏らは自腹を痛めてはいない。「政務調査費」(政調費)という公費で払っている。領収書はその請求手続きのために議長に出されたものだった。なお5人のうち田中氏だけは政調費を使っていない。

 政調費とは区政のために使うという名目で議員に支給される補助金で、杉並区の場合は月16万円、年間上限で192万円が出る。「第二の議員報酬」といった批判がかねてからあり、杉並区では石原伸晃衆議院議員らの政治資金パーティ券を政調費で買うなどの問題も起きている。

 東電と協議して経費を「負担」したと安斉氏らは説明するが、実際には杉並区の納税者が払ったというべきだろう。

 それにしても、東京-青森2泊3日の視察で3万円というのは安すぎないか、と筆者はまず思った。羽田と青森空港、あるいは三沢空港を飛行機で往復するだけで5万円から6万円はかかる。常識的にみれば総経費はひとり10万円をくだらないはずだ。

 3万円とはタダ同然、事実上の東電による招待旅行だったのではないか――

 そう疑問を抱く区民は筆者のほかにもいた。主婦ら有志でつくる区政の見張り番「オンブズすぎなみ」だ。

 「東電お抱えの原発ツアーに政調費を使うのはおかしい。返金すべきだ」(趣旨)

 そう訴えて、2010年4月、杉並区監査委員に対して住民監査請求を起こした。住民監査請求とは住民の申し立てを受けて監査委員が地方自治体の税金の使途を監査する、地方自治法の保障する手続きだ。

 この監査手続きの過程で安斉氏らから「抗弁書」(反論)が出された.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



視察報告書が丸写しした「ネタ元」とみられる青森県作成の冊子『青森県の原子力行政』2003年版(上、コピー)と、報告書の丸写し部分(下、赤線部分)。
視察報告書の中には東電や九電、中部電力ホームページから丸写しした部分もあった。東通原発に関する東電HPと、丸写しした視察報告書(下)。出典や引用した旨を示す記述はいっさいない。
区議会議長あてに提出された問題の視察報告書(上)と、「原発は必要不可欠」などと書かれた結論部分(下)
東電や電力会社OB多数が、東電マネーを使って地方議会に送り込まれている。民主党公認の議員も多い。原発推進に向けた工作はいまも続いているのか。写真は東電本社。

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記者コメント
 本件に関する筆者の取材に対し、2011年7月25日午後、東京電力広報部から以下のとおり電話回答があった。
「一般のお客さま、議会関係者を原子力関係施設にご案内することはやっています。目的は、弊社の施設を見学してもらって理解していただくためです。(視察に参加した)具体的な団体名などの実績については、(杉並区の件も含めて)当社から回答することを控えさせていただきます。また個別の費用(視察に要した総額・支払い方法)についてもお答えを差し控えさせていただきます」
本文:全約7800字のうち約6200字が
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三宅勝久  09:38 01/14 2012
会員
安斉昭・杉並区議は、その後の調べで「東電OB」ではなく、「東電荻窪支社勤務の現職社員」であることがわかりました。つつしんで訂正いたします。また記事で電力会社OBとして紹介したほかの議員も現職である可能性があります。現在確認中です。