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「喫煙本数が多いと自殺の危険性高い」って・・・

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 「中高年男性、喫煙本数多いと…自殺の危険高く」(日経新聞1月18日)という見出しの記事を読んだ。中高年男性ではたばこを吸う本数が多いほど自殺の危険性が高まるというのが記事の趣旨。この手の調査結果をよく新聞で目にするが、この記事のように結論が短絡的である場合が多く、注意が必要だ。

根拠は、喫煙者の喫煙習慣を分析した結果、本数の(ある程度)多いほうが自殺する危険性が高い、ということらしい。

 しかしこの場合、「ストレス」という第3因子があるとはいえないか?実は喫煙本数と自殺とは関係なく、ストレスと喫煙の因果関係とストレスと自殺の因果関係がたまたま相関関係として見えていただけなのかもしれない。

また、この記事中にある調査45,000人中、173人の自殺というのは多いのか少ないのか?喫煙調査が1990年と93年で、自殺調査が2000年までというのは統計的に有為なのか?もともとたばこを吸わない人はどうなのか?たばこを止めたら自殺も減るのか?喫煙本数に応じてどのような自殺者数のカーブを描くのか?サンプル数は妥当なのか?年齢や地域は妥当なのか?疑問は無数に浮かぶ(記事に載っていないだけで実は検証されているのかもしれないが)。

しかも、このように結論づけた主体は厚生労働省の研究班であり、国立がんセンターの研究員である…。

記事には「喫煙と自殺の因果関係は不明」との趣旨の記述がなされているので、記事内容への違和感は書き手にも、もしかしたら発表主体自体にもあったのかもしれない。「喫煙本数が多い人の心のケアをすることで、自殺を予防できる」という結論も論理的には必要十分ではないが、的外れではないと思う。

しかし個人的にはどうしてもこのタイトルはいただけない。かなり恣意的である。

いずれにしても、(あまりいないかもしれないが)このタイトルだけ流し読みすると「喫煙すると自殺するのか。それはやだな。じゃあ煙草を止めよう/止めさせよう」という思考がはたらくだろう。もし本当の理由(例えばストレス)が別にあれば、煙草を止めることが自殺を助長させる可能性もあるわけで、むしろこれでは有害である。

 マスコミといっても企業体だし、ポリティカルな側面も多くあるので、やはり我々の方で、書き手の立場、意図、更に論理構成も十分に考慮し、冷静にメディアに触れていきたい。

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はうさん2012/09/06 00:42
タバコと精神衛生2008/02/01 02:51
イ・ユン2008/02/01 02:51
もんた2008/02/01 02:50
hyte2008/02/01 02:49
hyte2008/02/01 02:49
2ちゃんねらー2008/02/01 02:49
F2008/02/01 02:49
t2008/02/01 02:49
書き手2008/02/01 02:49
taka2008/02/01 02:49
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