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主要5紙への政府広告費支出、4年間で50億円 最高額は読売とその代理店に対する21億円
2008年8月9日付け朝日新聞に掲載された政府広告。わずか25行程度のスペース。この種の広告を年間で102回掲載し、価格は、約1億3900万円(朝日の場合)。

 

 


 「政府による広告費支出」の情報開示請求により、このほど2700枚を超える膨大な資料が開示された。内閣府から入手した資料によると、国の借金が増え続けるなかでも、2007~2010年の4年間で、朝日、読売、毎日、日経、産経の紙面広告に対して、計約50億円も支出されていたことが分かった。最高額は、読売とその広告代理店に対する約21億円。時期をみると自公政権時代に支出が突出しており、民主党政権になって支出が抑制されたことも分かった。広告単価はABC部数に準じて設定され、ほとんど変動がなかった。第二次安倍内閣では新聞族議員2人が入閣を果たしており、政府広報を増加に転じさせたり、その増減をカードにメディア対策を取る強い懸念がある。開示資料をもとに、新聞利権の実態を検証した。(政府広告費集計データはダウンロード可)

【Digest】
◇突き出し広告
◇政府広告で潤う新聞社
◇低落しない政府広告の相場
◇新聞社が「押し紙」を止めない理由
◇地方紙や業界紙にもばら撒き
◇新安倍政権とメディア対策

 12月26日に首相に就任した安倍普三氏のメディア戦略を占う上で糸口となりそうな資料が、わたしの手元にある。今から5年半前、安倍氏が首相の座にあった2007年4月28日に、日経新聞に掲載された「美しい国づくりプロジェクト」の政府広告(左下写真)である。

2007年4月28日付け日経新聞に掲載された「美しい国づくりプロジェクト」の政府広告。価格は631万2180円。
 この広告の価格は、631万2180円。広告価格の相場が下落を続けている状況の下で、政府広告は新聞社にとって安定した高い収入源となっている。それを逆手に取れば、広告主である政府は、新聞社の編集方針に、暗黙の了解で介入することもできる。

 政府広告により、新聞社が1年間にどの程度の収入を得るのか、詳しくは後述するが、支出の規模を考慮すると、広告費が実質的に新聞社に対する「補助金」として作用している、という疑いを抱いている。

 もちろん、広告本来の役割である意思の伝達に一次的な目的があることは言うまでもない。安倍首相がイデオロギー色の強い「美しい国づくりプロジェクト」を打ち出した背景については、多様な解釈ができるだろう。(※わたし個人は、小泉構造改革による格差や不満が暴動などにエスカレートするのを防ぐために、国家的な取り組みで愛国心を育てる必要性に迫られた結果だと解釈している)

 個々人の解釈が当を得ているにせよ、的外れな極論であるにせよ、少なくとも、政権党がみずからの政策を新聞広告を通じてPRしてきたことは紛れもない事実である。

 しかも、それが結果として、政府を柱とする権力構造に、新聞社を巻き込む働きを果たしている。そもそも、財政が悪化するなか、巨額の税金を使って政府の政策をPRする予算こそ無駄な支出ではないのか、という問題もある。

 政府広告の種類は多く、2007年の安倍政権下の例を引いても、次のような記事下広告がある。

美しい国づくりプロジェクト
消費税および地方消費税
年金記録問題への新対応策
3兆円の税源移譲の実施
特別慰労品贈呈事業について

 民主党政権下の2010年については、次のような記事下広告がある。

消費税および地方消費税
北方領土問題
児童虐待防止対策
臓器移植

2008年5月28日付け読売新聞に掲載された政府広告。当時の福田康夫首相が登場。価格は、3443万7000円。
 右側の画像は、2008年5月28日付け読売新聞に掲載された政府広告である。全面(15段)を使ったもので、当時の福田康夫首相が、みずから登場。価格は、3443万7000円。読売はこの3日前、25日にも政府の全面広告を掲載している。価格は、4060万8000円である。読売と広告代理店(電通)は、この月だけでも政府広告から約1億700万円の売上を上げている。

 読売の場合、他社よりもABC部数が多いため、価格も相対的に高く設定されるのだ。

◇突き出し広告
 政府広告には、記事下広告や全面広告とは別のタイプのものもある。「突き出し広告」と呼ばれるもので、紙面の記事中に配置する小型の広告である。(下写真)「突き出し広告」は、年間契約で掲載回数と価格を決める。たとえば2007年4月2日、内閣府と広告代理店アイアンドエス・ビービーディオーの間で、読売新聞に年間103回の「突き出し広告」を掲載する契約が取り交わされている。契約書によると、価格は約1億6700万円だった。

「突き出し広告」の例。左側の中段。2008年5月2日付け読売新聞の第1面。

 

 同じような広告費の支出は、中央紙は言うまでもなく、地方紙、ローカル紙、タブロイド紙、さらには業界紙に対しても行われている。

 大半のケースでは内閣府と新聞社の間に、広告代理店が入っている(通常、手数料として20%を抜く)ので、支出された広告費がすべて新聞社に入っているわけではないが、それを考慮しても膨大な収入になる。広告代理店が新聞社の系列会社のケースでは、全額が同グループの収入になる。

 政府広告は、年間でどの程度出稿され、それにより新聞社はどの程度稼いでいるのだろうか。また、自民党政権時代と民主党政権時代では、広告費の支出がどう変化したのか?

 こんな関心から、わたは内閣府に対して、政府が広告主となった新聞広告の価格と支出を示す資料の開示を請求した。

 その結果、12月になって2700枚を超える膨大な資料が開示された。対象期間は、2007年から2011年までの5年間である。

 このうち本稿では2007年から2010年を検証対象にした。(2011年度の資料に関しては、一部が欠落している可能性があり、綿密な検討が必要。)

◇政府広告で潤う新聞社
 結論を先に言えば、自民党政権の時代に新聞社に対して多額の広告費がばら撒かれ、2009年の民主党政権に移行した後、かなりの割合で広告費の支出が減っている。

 次に示すのは、朝日、読売、毎日、産経、日経の各社と広告代理店が政府の広告で得た収入の年度別比較である.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



新聞の「押し紙」(偽装部数)。政府広告の場合、ABC部数に準じて広告価格が設定されるので、新聞社は「押し紙」政策を中止しない。
政府広告の出稿先は、ローカル紙にまで及んでいる。資料は、電通が内閣府に発行した2008年1月分の請求書の一部。

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