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萌えアニメ、コナン、べるぜバブ…スタジオイースター社員3人が“アニメ村”ルールを告発 時給250円、サビ残徹夜、退職強要…
左から原告の猪鹿倉(いがくら)智幸氏(実名、30代前半)と陳盈如(えいじょ)氏(実名、20代前半)

 

 

 


 萌えアニメ、名探偵コナンなどのアニメの背景を手掛ける制作会社スタジオ・イースターの社員3人が、長時間の肉体労働で身体を壊した挙句に減給させられたり、徹夜のサービス残業などで体調を崩し退職強要を迫られたり、1人部署に隔離され解雇寸前に追いやられた等を理由に、12年4月、会社を相手取り、計3272万円(提訴時)の損害賠償を求め東京地裁に提訴した。長時間のサービス残業を強要し、それができない社員の給料を下げ、身体を壊すまで働かせ、使い捨て、また次を採用する。こうした劣悪な環境ながら、意外にも同社は、アニメ業界のなかでは給料は良い方だという。原告3人と会社への取材に基づき、一見華やかにも見えるアニメ産業の深い闇を詳報する。(訴状全文は記事末尾よりPDFダウンロード可)

【Digest】
◇「サインしないと休めません」
◇「時給250円」研修時→「月15万円」研修後
◇1人部署に飛ばされ、業務指導書連発、懲戒処分で解雇寸前
◇3200万円強の賠償求め提訴
◇アニメ業界のなかではいい方

◇「サインしないと休めません」
 スタジオ・イースターは1985年に設立。本社は東京都杉並区内で、韓国支店と合わせ、計約95人の社員がいる。原告によると社長の東潤一氏は、アニメの背景の絵描きとしては大御所で、「社長を親方とした徒弟制のような会社」という。

 アニメの背景を手掛ける会社としては、日本で制作するアニメの約1割のシェアを占める。例えば最近の作品では、『えびてん』『名探偵コナン』『PSYCHO-PASS』『好きっていいなよ。』『トータル・イクリプス』『べるぜバブ』といったテレビアニメを手掛けている。

 同社のアニメ部門は、「背景」「仕上げ」「撮影」の3つある。

 「背景」とは、アニメの背景の制作。美術監督の指揮の下、約40人の背景スタッフがいる。

 「仕上げ」とは、アニメのキャラクターなどに色を塗ること。同社では約10人が従事している。

 「撮影」とは、背景、仕上げを終えたデータを合成、加工する部署。スタッフは約7人。

 ほかに、マネジメント部門やシステム部門などがある。

 原告の猪鹿倉(いがくら)智幸氏(実名、30代前半)は、もともとコンピュータグラフィックスのキャリアを積んできた人物で、アニメの会社に入るのは、スタジオ・イースターで2社目だった。アニメ業界に入った理由を、こう語る。

 「ちょうど時期的に、CGをアニメでもどんどん使い始めていたので、アニメ会社に一回入って勉強してみようかな、という思いで、前の会社に入りました。でも、経営が難しくなる中で、偶然、スタジオ・イースターのチーフに声を掛けられ、手伝ってほしい、ということで、入社しました」

 こうして09年12月14日、入社した。部署は撮影部だった。しかし、入ってみると、「前のアニメ会社と比べても、労働条件がメチャクチャでした」という。

スタジオ・イースター本社(同社HPより)、東京都杉並区本天沼にある

 

 入社前の説明では、勤務は朝10時から始まり、夜7時に帰社、と聞いていたが、実際は、朝9時過ぎから夜9~10時まで作業することが多かった。徹夜の日もあったという。

 猪鹿倉氏は、前の会社では月収23~25万円程度だった。スタジオ・イースタでは、28万円になった。しかし、前の会社は隔週で週休2日の週があったが、ここでは週休1日。サービス残業も多く、多少給料が上がっても割に合わなかった。

 しかも、入社当初から、原画やレイアウト用紙を「スキャナーで大量にスキャンする業務」を長時間させられた。これは専門のグラフィックスの作業とはかけ離れた、過酷な肉体労働だった。

 そのスキャナーはA3もとれる業務用のスキャナーで、2~3kgもあるフタを、ひっきりなしに上げ下げして開閉しなければならなかった。

 「アニメーションのスキャンの素材は、カット単位といって、カット毎に束になっています。それを開けて、1枚1枚スキャンしなければならない。自動スキャンはできません。大きさがA3、A4などバラバラでテープでつないである素材も多いので、自動だと紙詰まりになってしまう」(猪鹿倉氏)

 納期にも追われた。

 「とにかく、急がないと終わらないんです。そもそも前の会社は、せいぜい10~20カットでしたが、ここでは、数百カット。仕事量が10倍以上になりました。それに、前の会社では、長時間になる場合は、ローテーションをしていましたが、そうした配慮もありませんでした」(猪鹿倉氏)

 こうして入社から3か月後、身体に異変が起きた。スキャナーのフタを持っていた左腕と左肩、そして首がしびれるようになり、徐々に悪化して、歩くのさえ困難になってしまったのだ。起き上がれなくなり、ほとんど寝たきりの状態となったため、病院に行くと、「頚椎症」と診断された。やむを得ず、上司にこう申し出た。

 「2週間、会社を休みます」

 すると、上司はこう言ったという。

 「『2週間で会社に復帰できないようであれば、退職します』という紙にサインをしないと休めません.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



原告の山田徹氏(実名、40代後半)
立て続けに発した業務指導書3枚と懲戒処分書
会社に対する要望書とビラ

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匿名希望  17:18 02/23 2013
過重な業務の疲弊度は外から見えません。VDT作業に関するガイドラインというのがありますが、強制力や罰則が無いという現状が多くの悲劇の元凶ではないかと思います。頚椎症という診断だそうですが、頭痛、めまい、自律神経失調症が起こる頚性神経筋症候群という疾患もあります。 原告の方が元気になることを願っています。