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“ブラック病院”ランキング 都内40病院の6割が過労死基準超えの残業協定 年最長は2400時間の武蔵野赤十字病院、月最長は日赤医療センター327時間
開示された残業協定書。開いているのは聖路加国際病院。

 

 

 

 


 都内主要40病院の6割にあたる24病院が、医師や看護師などの残業時間上限を定める労使協定で、国の過労死基準を上回る協定を締結していたことが、東京労働局が開示した協定書から明らかになった。日赤医療センターのように1カ月とみられる残業時間の上限を327時間としていたり、武蔵野赤十字病院のように年間2400時間もの残業を可能とする病院もあった。医師の残業時間については、日本外科学会が今年4月に発表したアンケート調査報告で、外科医の81%が、外科診療における医療事故や「ヒヤリ・ハット」の原因は「過労・多忙」と思うと回答しており、患者が医療ミス被害を避けるうえでも、残業上限の長さは病院を選ぶ際に知っておきたい項目だ。(40病院の一覧表は会員限定、全開示資料はPDFダウンロード可)

【Digest】
◇武蔵野赤十字病院、残業上限は年2400時間
◇ワーストは日本赤十字社医療センター
◇「残業協定さえ結べば何時間でも」 厚労省監督課の職員
◇独立行政法人の2病院で「医師は3カ月600時間」
◇慶應病院など15病院が月80〜150時間
◇過労死基準以下は聖路加国際病院など16病院
◇資料ダウンロード

 筆者の情報公開請求の結果、開示されたのは、大学病院や地域医療の中核を担う(1)特定機能病院(2)地域医療支援病院(3)都道府県がん診療連携拠点病院(4)地域がん診療連携拠点病院のいずれかに指定されている病院の「時間外労働・休日労働に関する協定届」。

 今年3月15日時点で有効だった同協定のうち、残業の上限時間がもっとも長い職種が、国の過労死認定基準である「1カ月の残業が100時間」または「2〜6カ月の残業が平均80時間」を超えるかどうかをチェックした。

 上限時間がとくに長かったのは以下の5病院。過労死基準を大幅に上回っていることがわかる。職種は、独立行政法人の2病院の3カ月600時間はともに医師。ほかの3病院は職種がスミ塗りされているが、日赤医療センターの協定書には「診療科名」とあることや、武蔵野赤十字病院の職種が2文字とみられることから、医師とみられる。

病院名所在地1カ月3カ月1年
1日本赤十字社医療センター渋谷区327時間--------
2武蔵野赤十字病院武蔵野市200時間----2400時間
3(独法)東京医療センター目黒区----600時間1440時間
3(独法)災害医療センター立川市----600時間1200時間
5NTT東日本関東病院品川区150時間----1000時間
開示された残業協定から作成。時間は協定上の残業上限時間。
【日本赤十字社医療センターがトップの理由】327時間の対象期間は同センターから明確な回答がなく不明だが、40時間といった上限もあり、わざわざ3カ月40時間という複数月の短時間協定を結ぶことは考えにくいため、期間は1カ月と判断した。年間の上限時間も通常協定の360時間以外に記載がなく、「年6回まで」といったような回数制限も見当たらない。トップにしたのは、上限の長さに加え、327時間x12回が可能とも読める書き方が理由。
開示請求したのは、10以上の診療科があり病床数400以上で高度先進医療を提供する大病院(特定機能病院)や、病床数200以上で救急医療を実施している(地域医療支援病院)、高度ながん治療の体制が整っている(がん診療連携拠点病院)などの要件をクリアした病院。

 医師の残業時間については、日本外科学会が今年4月に発表したアンケート調査報告で、外科医の81%が、外科診療における医療事故やインシデント(ヒヤリ・ハット)の原因は「過労・多忙」だと思うと回答している。

 医師や病院職員の過労死・過労自殺も多数起きている。医師の過労死問題を取り上げた週刊東洋経済オンラインの2008年の記事によると、次のような過労死が起きている。

所属等年齢都道府県状況発生年
外科勤務医29茨城県過労自殺1992
産婦人科勤務医35山梨県過労死1995
麻酔科勤務医33大阪府過労死1996
小児科女性勤務医43千葉県過労死1997
関西医大の研修医26大阪府過労死1998
整形外科勤務医----神奈川県過労死1998
小児科勤務医44東京都過労自殺1998
部長医師53東京都過労自殺1999
横浜市立大の研修医30神奈川県過労自殺2000
嘱託医30沖縄県過労死2001
内科勤務医43福岡県過労死2001
外科勤務医38栃木県過労自殺2002
小児科勤務医31北海道過労死2003
麻酔科女性医師28愛媛県過労自殺2004
離島診療所の歯科医51東京都過労死2004
内科勤務医26奈良県過労死2004
外科勤務医44京都府過労死2006
日大の女性研修医26東京都過労死2007
週刊東洋経済オンライン掲載の表から。表欄外に「(出所)日本医療労働組合連合会資料を基に本誌で加筆」とある。記事は2008年11月11日付けの「過労死・自殺が相次ぐ勤務医、ずさんな労務管理が横行、2割が過労死ライン」。

 このほか、以下の3件は最近報道があったケースだ。

所属等年齢都道府県状況発生年
男性職員43山梨赤十字病院過労自殺2007
中国人研修医28弘前市立病院過労死2010

 協定に書かれているのはあくまで上限時間。上限まで残業させていない場合や、上限を超えて違法に残業させていることもあり得る。

 旧国立病院など公的な病院は職種まで開示されたが、それ以外の病院については、「当該法人等の正当な利益を害するおそれがある情報が記載」されているとの理由から、職種や診療科目はスミ塗りされていた。そのため、医師や看護師といった医療職の上限時間であるか否かは、明確に判別できない。

 上限時間は、所定労働時間に対してではなく、法定労働時間を超える分として扱った。協定は1年ごとに締結するため、現在とは内容が異なっている可能性もある。

 宿直勤務については、病院が労基法41条に基づいて労働局の許可を受けた範囲内は法定労働時間の適用除外となり、残業協定を締結する必要がない。

 病院が労働局に提出した宿直許可申請書は開示請求しなかった。

 開示請求した40病院は以下の通り。

公益財団法人 がん研究会 有明病院
東京都江東区有明
公益財団法人 東京都保健医療公社 東部地域病院
東京都葛飾区亀有
社会福祉法人 仁生社 江戸川病院
東京都江戸川区東小岩
杏林大学医学部付属病院
東京都三鷹市新川
日本赤十字社 武蔵野赤十字病院
東京都武蔵野市境南町
国家公務員共済組合連合会 虎の門病院
東京都港区虎ノ門
東京慈恵会医科大学附属病院
東京都港区西新橋
日本赤十字社医療センター
東京都渋谷区広尾
公益財団法人 東京都保健医療公社 大久保病院
東京都新宿区歌舞伎町
東京女子医科大学病院
東京都新宿区河田町
慶應義塾大学病院
東京都新宿区信濃町
東京医科大学病院
東京都新宿区西新宿
社会医療法人 河北医療財団 河北総合病院
東京都杉並区阿佐谷北
青梅市立総合病院
東京都青梅市東青梅
東邦大学医療センター 大森病院
東京都大田区大森西
独立行政法人 労働者健康福祉機構 東京労災病院
東京都大田区大森南
公益財団法人 東京都保健医療公社 荏原病院
東京都大田区東雪谷
公益財団法人 東京都保健医療公社 豊島病院
東京都板橋区栄町
帝京大学医学部附属病院
東京都板橋区加賀
日本大学医学部附属 板橋病院
東京都板橋区大谷口上町
順天堂大学医学部附属 練馬病院
東京都練馬区高野台
独立行政法人 国立がん研究センター 中央病院
東京都中央区築地
聖路加国際病院
東京都中央区明石町
日本医科大学付属病院
東京都文京区千駄木
東京医科歯科大学医学部附属病院
東京都文京区湯島
順天堂大学医学部附属 順天堂医院
東京都文京区本郷
国立大学法人 東京大学医学部附属病院
東京都文京区本郷
がん・感染症センター 都立駒込病院
東京都文京区本駒込
公益財団法人 東京都保健医療公社 多摩南部地域病院
東京都多摩市中沢
東京医科大学 八王子医療センター
東京都八王子市館町
昭和大学病院
東京都品川区旗の台
NTT東日本 関東病院
東京都品川区東五反田
国家公務員共済組合連合会 東京共済病院
東京都目黒区中目黒
独立行政法人 国立病院機構 東京医療センター
東京都目黒区東が丘
公立 昭和病院
東京都小平市天神町又は花小金井
公益財団法人 東京都保健医療公社 多摩北部医療センター
東京都東村山市青葉町
財団法人 日本心臓血圧研究振興会附属 榊原記念病院
東京都府中市朝日町
東京都立 多摩総合医療センター
東京都府中市武蔵台
国家公務員共済組合連合会 立川病院
東京都立川市錦町
独立行政法人 国立病院機構 災害医療センター
東京都立川市緑町

◇武蔵野赤十字病院、残業上限は年2400時間
武蔵野赤十字病院の協定書。職種はスミ塗りされているが、最長は月200時間、年2400時間となっている。
 40病院のなかで最長クラスの協定を締結していたのは、武蔵野市にある武蔵野赤十字病院だった。

 昨年3月30日に締結されたこの協定では、上限一覧表に出ている54部署うち、最も上限の長いところは月200時間の残業を可能としていた。「延長が予測される回数」という欄には「12」と記入されており、年間の上限は2400時間になっている。

 職種はスミ塗りされており不明だが、2文字とみられる文字数から推測すると「医師」ではないかと考えられる。

 このほか、やはり医師とみられる職種について、この部署以外の2部署でも月200時間、年2000時間の上限を設定していた。

 同病院では、月100時間超えが21部署、80〜90時間が6部署となっており、54部署の半数にあたる27部署で過労死基準を超えていた。「●●で1回100時間の勤務を別途命ずることがある」とも協定書の欄外に書かれていた(●●はスミ塗り箇所)。

◇ワーストは日本赤十字社医療センター
 しかし、調査結果のワーストと認定できるのは、日本赤十字社医療センター(渋谷区)だった。

 同センターの上限一覧表には37の診療科がある.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



日本赤十字社医療センターの協定書。こちらも職種はスミ塗りだが、上限時間に「327」の記載がある。
独立行政法人2病院の特別条項。3カ月600時間の残業を命じることができるようになっている。
都内主要40病院の残業時間上限ランキング。今年3月15日時点で有効だった残業協定から作成した。

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ああ  15:46 07/13 2014
亀田総合病院は職種によって残業代ゼロ!
シオキチ  00:59 10/23 2013
本当のブラック病院は職員の超過勤務を把握しておらず調査にあがらないとおもいます。
病院事務職員  01:39 09/07 2013
会員
ここに掲載された病院の中の1つで働いています。 残業は多い時で100時間を超えます。 病院の幹部は、働きやすい職場が職員満足度を上げるといっていますが、それは口だけ。 業務を整理するとか、具体的に動くことはありません。 重圧とストレスにやられている毎日です。 当然、職員も育たないのでいつまで経っても業務効率は悪いまま。 そのため残業が発生する→幹部が文句を言う→やる気がなくなる。 の、負のスパイラルが続いています。 この協定が結ばれているのは、長時間の協定を結ばなければならないくらい、残業が生じているから。 協定が60時間を超えている病院には就職しないほうがいいです。私も転職準備中です。
独立  11:37 09/02 2013
昨年2度ほどけがと病気で入院しました。 患者」ど毎日、朝から晩まで休みなく、お盆、正月も休みなく反じゃさんを見ていただいていました。本当に感謝しています。ブラック病院にならないようにするに大変でしょうが。医療現場の方々に心から感謝しています。
佐藤裕一  20:19 06/19 2013
会員
「ブラック病院」や「ブラック企業」という言葉を見出しに使うと、労働者側の視点になることがこの記事でわかった。残業代が出ているかどうかに関わらず、医師が過労状態にあるかもしれないというだけで、患者にとってはリスクだ。「過労病院」と呼称する方が良さそうだ。労基署の監督・是正指導の書類が病院名付きで出ればもっと突っ込んだ記事になりそう。
N  22:13 06/16 2013
残業時間を認定してくれているのは、優良病院でしょ。給料出してくれるんだから。 時間外労働が当たり前なのて、こういう単純なやつではわからない。 例えば、天皇を手術した教授がいるところの大学病院の若手は、一切給料を病院からもらえてないんだよ。 独なのでった学生の身分にして、労働とみなさない。どんだけ働いても、残業という概念さえ適用させないのですから。 記者の人は実態をみてから記事にしてください。
トヨタCS  11:26 06/09 2013
長時間の手術と、研修医のバイト。最大の問題は医局派閥かな。