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読売の販売部数が半年で66万部減 1千万部ビジネスモデルの崩壊、販売店「残紙整理が始まった」

情報提供
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ファミレスに置かれている読売新聞にはられた「読みトク キャンペーン」のシール。これらの新聞が読まれているとは限らないが、ABC部数には加算されている。工夫を凝らして新聞拡販に取り組んではいるが…
 日本ABC協会が発表した5月の部数表によると、読売新聞の販売部数(朝刊)が、昨年11月から今年5月の半年で65万9,291部も減ったことが分かった。これは販売部数52万2252部の東京新聞一社分をはるかに超える大幅な減数だ。原因について読売等の販売店を取材すると、共通して「残紙整理」ではとの見解が返ってきた。これは、販売店に実配部数を超えて搬入される新聞、いわゆる広義の「押し紙」(残紙)を排除する販売政策で、はるかに規模が小さい産経新聞が2008年10月からの1年間で46万243部を「整理」した前例がある。販売店の経営悪化、新聞社の補助金抑制の流れのなか、4月の消費税アップを機に新聞業界を直撃したのは、新聞購読者の減少よりも、むしろ「折込チラシの広告主が減った」ことだと関係者は話す。現場の証言をもとに、読売部数減の背景を報告する。(末尾で全国56社の販売部数の変遷を示したデータのダウンロード可)
Digest
  • 読売新聞の販売部数・地域別の比較
  • 販売部数の長期変遷
  • 駅売りの新聞など即売部数は7倍に増
  • ABC部数は新聞社による申告
  • 中央紙で読売だけが部数の激減
  • 「紙を切りはじめた」
  • 新聞業界全体が「残紙整理」へ
  • 折込チラシの激減
  • 増税分108億円の試算

読売新聞の販売部数が極端な下降を続けている。7ヶ月で65万、9,291部の減。昨年10月からの部数の変化は次の通りである。(数字はいずれも朝刊部数、駅売りなどの即売部数を含む)

年・月 部数
2013年10月 9,882,625
2013年11月 10,007,440
2013年12月 9,767,721
2014年1月 9,825,985
2014年2月 9,738,889
2014年3月 9,690,937
2014年4月 9,485,286
2014年5月 9,348,149

 昨年11月には、一時的に販売部数が前月比で12万4815部増え1000万部の大台に戻るが、その後、坂道を転げ落ちるように、半年の間に、65万9,291部を失った。今後、どこまで落ち込むのかに関心が集まりそうだ。

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『ジャイアンツ応援キャンペーン』のチラシ。応募すると個人情報が読売新聞販売店へ提供される。拡販戦略のひとつである。

今年1月、読売は東京・大手町に33階高層の新社屋をオープンしたというのに、紙新聞の時代の終わりが見えてきた感がある。

この65万部という数字は、たとえば東京新聞の販売部数が52万2252部(2014年5月の時点)、あるいは神奈川新聞の発行部数が20万3483部であることを考えると、尋常ならぬ事態である。神奈川新聞の規模の新聞社3社分の販売部数が、短期間のうちに消えたことになる。

他の主要紙の発行部数と併せて、2013年11月と2014年5月を定点として、比較したのが以下である。

《読売新聞》

 2013年11月: 10,007,440
 2014年 5月: 9,348,149

部数の増減: -659,291(6.6%減)

《朝日新聞》

 2013年11月: 7,527,474
 2014年 5月: 7,402,289

部数の増減: -125,185(1.7%減)

《毎日新聞》

 2013年11月: 3,330,577
 2014年 5月: 3,302,323

部数の増減: -282,54 (0.8%減)

《産経新聞》

 2013年11月: 1,606,743
 2014年 5月: 1,606,140

部数の増減: -603(0.04%減)

《日経新聞》

 2013年11月: 2,763,441
 2014年 5月: 2,767,499

部数の増減: +4058(0.1%増)

《北海道新聞》

 2013年11月: 1,101,504
 2014年 5月: 1,074,319

部数の増減: -27,185(2.5%減)

《西日本新聞》

 2013年11月: 727,008
 2014年 5月: 713,916

部数の増減: -13,092(1.8%減)

《京都新聞》

 2013年11月: 488,217
 2014年 5月: 478,703

部数の増減: -9514(1.9%減)

《神奈川新聞》

 2013年11月: 204,697
 2014年 5月: 203,483

部数の増減: -1,214(0.6%減)

読売の減少率だけが6.6%と、突出して高い。

読売新聞の販売部数・地域別の比較

次に読売の販売部数の変化を、地域ごとに分析してみよう。北海道地区、東京地区、北陸地区、中部地区、大阪地区、西部地区で区割りして示したのが次の数字である

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朝日、毎日に対するライバル意識をむき出しにしたイラスト。部数へのこだわりが尋常ではない。出典=『やっぱり読売新聞が面白い!』(中経出版)

トラックで回収される「押し紙」(残紙)。新聞業界では当たり前の光景になっている。

朝日の販売局長が、「実売部数」にこだわっていくことを公言。出典=『新聞情報』(2014年5月21日)。

朝日オリコミ社(大阪)の折込広告出稿統計。(上)2013年4月。(下)2014年4月。大幅な減数はみられない。

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TPC2014/07/28 13:17

KMC それでもまだ900万部以上の不思議

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doublejoy692014/07/27 09:39

東京新聞がそれでも成立してるのがすごいような肝。RT @sangituyama: 東京新聞まるごと分をさらに超える部数限、さらに今月七万部減で73万減らしてる。 読売の販売部数が半年で66万部減 1千万部ビジネスモデルの崩壊

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Zodiac2015/10/07 22:13
p2015/09/01 00:02
u2014/11/07 00:36
p2014/08/23 22:20
Y2014/07/30 22:36
Aの幹部2014/07/13 01:03
hiro2014/07/06 23:26
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甚六2014/06/26 00:04
2014/06/25 18:28
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