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2030年、《「すごくデキるタイプ」ではない子》に親が与えるべき教育
『AERA with Kids 2014冬号』。購入はこちら

 子供がいる親向けの教育雑誌『AERA with Kids』の取材を受けたので、自分の言葉で改めてまとめておこう(掲載は計4ページ)。私は20~40代の大企業サラリーマン、なかでも第一線のホワイトカラー層を中心に、会社の広報を通さず、インタビュイーとフラットな立場で10年以上取材してきた唯一の記者である。『10年後に食える仕事食えない仕事』ほか多数の本を書き、『企業ミシュラン』を連載し、少なくとも数億円の付加価値を生み出し、読者の支持を得てきた(広告収入はゼロ)。その立場から、以下のテーマについて考えをまとめておきたい。

【Digest】
◇「一生働く時代」に
◇「これまではよかった」パターン
◇「マイルドに貧しいヤンキー」に
◇中学までに「近未来」「70億人思考」「日本の歴史文化」をインプット
◇バーの高さを決められるのは本人だけ
◇高校から1~2年だけでも
◇米英豪ではなく、今後はアジアへ
◇やるかやらないか問題

《依頼内容サマリー》
・「子どもが大人になったとき(2030年ごろのイメージ)に社会はこうなる」という情報を伝えたい。読者は、小学生の母親(35~45歳)がメイン。

・「すごくデキるタイプ」ではない子が、重力の世界以外の領域で、家庭を持って生活していくとした場合、どんな仕事をイメージするとよいか

・「高校や大学で留学させ、英語ができるようになっておけばなんとかなるんじゃないか」という考え方について、どう思われるか

・英語力は必須、と思われるか

・これから社会で生きていくために、子どもに育みたい力とは何か

 ※雑誌はスポンサーのしばりがあるため、編集内容も影響を受ける。たとえば、このテの雑誌は子供向けの英語学習業者などが広告主となっているため、そこを否定しないような内容にせざるをえない事情があり(僕は小学生以下に国内で週に数回英語を教えるのは無駄だと思う)、バイアスから逃れられない。読者は注意が必要である。

◇「一生働く時代」に
 このテーマ設定の秀逸なところは、《「すごくデキるタイプ」ではない子》を対象にしている点である。デキる子供は、勝手に医者にでもなれば生涯安泰が約束されるし、自分でビジネスのタネを見つけて起業でもして生きていけばよい。ただ、そういう人は稀だ。問題は、親の支援のしかた次第では生きるも死ぬもありうる、平均以下の層である。

 時期の設定である「2030年」というと、15年先である。いま10歳の子供は25歳で、社会に出て自分で仕事をして稼いでいなければならない(親からはそう望まれている)。重要なことは、先進国での平均寿命が現在伸び続けており、100歳に迫っていくなかで、25歳のあと、自力で70年も生きなければならないことだ。

 「自力で」というのは、国は助けてくれないからである。人口が増えた時代は、多数の現役世代が働いて納税し、国を通して少数の高齢者を支える仕組みが機能したわけだが、減る時代にそれはありえず、甘い期待を寄せてはならない。

 それどころか、既に日本は1000兆円の借金を抱え、かつ借金は増え続けており、子供たちは、今の親世代が勝手に作った借金の返済を迫られつつ、自分も養っていかなければならない。いまの日本政府は、まさに「子供たちのクレジットカードで買い物をしている」という、世代間多重債務者なのだ。

 その、明らかに厳しい、「貧乏クジ」を漏れなく引かされて生まれてしまったのが、今の子供たち世代である。フリーライドの余地はなく、一生、働いて稼ぐ覚悟が必要な時代に生まれたのだ。

 そうであるなら、親としては、少しでも子供がまともに稼いで生きていけるよう、子供に最適な教育機会を提供してあげたいところだ。生きていく基盤となる「稼ぐスキル」を身につけるうえで、子供時代の教育環境が決定的に重要であることは誰も否定しないし、そのメニューを決め、教育を提供できるのが親だけであることも事実である。

 子どもの学力には遺伝的な初期の能力差があり、小学校の頃には完全に顕在化していることは、誰もが認めるところだろう。デキるタイプの子は自力で勉強して、必要なら海外にも出て行くから、放し飼いにしておけばよい。親から見て特に問題なのは、表題のとおり「すごくデキるタイプ」ではない子、の場合である。

◇「これまではよかった」パターン
 これまで、《「すごくデキるタイプ」ではない子》は、日本国内で、それなりにハッピーな人生を歩めていた。私は、ふつうに都内の田舎のほうの区立小学校を卒業しているので、クラスメートのその後の動向を聞くと、だいたいわかる。

 1つは、地場の商業・工業高校・専門学校などを卒業し、地元で続けている小規模な家業を継ぐか、整備工や美容師など専門職につき、いわゆる「マイルドヤンキー」化して地元に根付くケース。

 この場合、高校時代までの友人を一生の友とし、夫婦共働きの世帯年収400万円程度で、イオンモールやドンキホーテとその周辺を活動範囲として、軽自動車で動きまわりつつ、親の持ち家を相続して、一生を穏やかに過ごす。

 もう1つは、頑張ってMARCH等の大学を卒業し、流通や外食(イメージとしてはABCマートやワタミなど)といった、人気ランキング圏外の、バリューチェーンで下流に位置する企業に就職し、ブラック労働に耐えつつ、国内を転々としながら年収400~500万円の生活を送る。または、地銀・信金でキツいノルマを課され、ドサ周り営業に励む。こちらはマイルドではなく、少々ハードなヤンキーになる。

 大卒の出世頭は、試験に受かって地方公務員になるケースと、民間なら、生保や住宅の営業マンになるケースで、平均以上の給料を得て、「デキるタイプ」と似たような職業人生になるわけだが、ごく少数だ。

◇「マイルドに貧しいヤンキー」に
 ところが、これらのそこそこハッピーだった人生パターンは、国内市場の縮小によって、今後は貧しくなることが確定している。今の10歳が働き盛りの45歳=2050年には、既に人口1億人を割っている(国立社会保障・人口問題研究所の推計)。1億3千万人⇒1億人割れというだけでも3割近く減るわけだが、活発な消費者である労働力人口(15歳以上)はさらに大きな比率で減ってしまい、日本は、引退して資産を貯め込んだ高齢者だらけの国になる。拡大するのはオレオレ詐欺のような高齢者目当てのマーケットだけだ。

 日本創成会議の推計によれば、そもそも人口減少によって、2040年までに20~39歳の女性が半減する自治体が、全国約1800市町村のうちの半数にのぼり、自治体そのものが消滅危機に陥る。高齢者ばかりになり、ヤンキーの餌場すら維持できなくなり、田舎町を追い出されるのだ。

 公務員給与や年金収入といった「制度から出ているお金」は安泰かといえば、かなりの確度で予想される財政破綻(国債価格の暴落)とハイパーインフレによって目減りし、実質的に3~4割のカットは免れないはずである。

 年金や保険といった福祉はカットされ、国際的にみてまだ低い消費税は当然のごとく引き上げられることが予想されるなか、これらのヤンキー組は、どんどん生活が苦しくなり、真綿で首を絞められるように徐々に貧しくなっていく。つまり、明るく呑気なマイルドヤンキーから、「マイルドに貧しいヤンキー」になっていく。

 こういう近未来がわかっていながら、あえて国内市場という不利な環境に限定して生き抜くほうを選んでも、面白いことは何もない。もはや海外市場と無縁で職業生活を終えられる人は限定的になっていく。どんな業界でも、客が3割減るのは苦しい。子供が能力を活かすフィールドを狭めてしまうことを、親としては、見過ごすべきではない。

◇中学までに「確定した近未来」「70億人思考」「日本語と歴史文化」をインプット
 結論を言うと、僕は、高校か大学のいずれかで海外留学の機会をオファーするのが、親としての務めだと思う.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



求められるのは橋渡し役(『AERA with Kids 2014冬号』より)
グローバル時代の職業マップ。既にいろんなところで紹介されているもの。
「人口ボーナス期」が続く国々(内閣府「世界経済の潮流 2014年」より)

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    01:20 01/10 2015
結局JRだの海外勢との競合にさらされていない業種であっても少子高齢化の悪影響をもろに受ける。給与も今以上に伸びにくい時代になっていく。留学はさせたいだろうけど厳しそう。