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住友化学 ドメスティックでガラパゴスな「ザ・日本企業」
Ba:普通の企業
(仕事3.0、生活3.3、対価3.2)

 米倉弘昌氏が会長時代に経団連会長を4年兼務するなど、「ザ・日本企業」ともいえる住友化学。売上に占める海外比率が61.3%(2015年度、以下同)を占めるグローバル企業だ。なかでも5つのセグメントのなかで最大の社員数(1,927人)、最大の営業利益(775億円)を叩き出す「健康・農業関連事業」は、主に農薬や化学肥料を開発・製造し、国内市場でシェアトップ。ところが、主な海外市場のターゲットは米国とブラジルで、EUは最初から諦めているという。「EUはハザード評価、日米はリスク評価で、安全性に対する考え方が違う。EUの規制の仕方は間違ってると思います」(社員)。EU官僚組織による細かで過剰ともいえる規制が一因とされる英国民投票(6月)によるEU離脱判断は、住友化学にとっても共感できるものだった。

【Digest】
◇ハザード評価のEUはマーケット対象外
◇リクルーター+ゼミ推薦の理系
◇英語力は問われない
◇研究所中心主義――文系職種に飛ばしちゃう
◇研究所の組織と人事評価――所長との人間関係が重要
◇短い研究者人生、「40歳からつまらなくなる」
◇海外は出張ベース、年2~3回
◇やりがい「仮説を証明できたとき」
◇日本の農業は変わるのか――精密農業、NBT
◇全セグメント一律のボーナス倍率
◇ライン課長になれる人は3割くらい
◇雇用は持つのか
◇午前8時~午後8時勤務
◇有休取得率45%
◇工場、研究所、本社で異なるカルチャー
◇「住友化学女性差別事件」和解後の動き
◇判子を貰うためにエラい人を待ち伏せ


◇ハザード評価のEUはマーケット対象外
 EUの「ハザード評価」とは、予防原則に基づき、因果関係が立証されなくとも、予防の観点から事前に規制しておくもの。逆に日米では、因果関係が明らかとなり、リスクが顕在化したものを規制する「リスク評価」。企業活動にとっては日米のほうが合理的であり、人間生活にとっての安全性や地球環境を第一に考えるとEUが合理的だ。両者は思想・哲学が異なる。

 最近の例では、世界的なミツバチの大量死問題を受けて、欧州委員会は2013年12月、原因が疑われている「ネオニコチノイド系農薬」の、EU域内での使用を予防原則に基づいて禁止。住友化学もネオニコチノイド系農薬であるクロチアニジンを、日本国内では『ダントツ』『フルスウィング』といった商品名で販売中とあって、「現行の製品ラベルどおり適正に使用いただき…」といった見解を発表せざるをえなくなった。

 「この農薬が使用できなくなった結果、病害虫が増えて別の問題が出ても構わない、というのがEU方式。住友化学の農薬は、ほとんどがグローバル市場向けですが、対象マーケットとしてEUを最初からから外さざるをえない。イギリスがEU離脱すれば、少なくともイギリス市場については、変わる可能性があります」(社員)

 同様に、住友化学が開発した農薬である殺菌剤『プロシミドン』は、環境ホルモン作用が指摘され、EUでは2008年に使用禁止となったが、日本では現在も甘い残留基準のまま、イチゴの栽培などで利用されている。EUの規制方法は、住友化学ほか世界の農薬メーカーにとって非常に都合が悪く、本音では加盟国が減ってほしいと願っている。

◇リクルーター+ゼミ推薦の理系
 住友化学の特徴は、農薬事業にある。日本の化学業界トップ5(三菱ケミカル、住友化学、三井化学、信越化学工業、旭化成)のなかでは、三菱ケミカルが農薬事業を日本農薬に譲渡(2002年)して撤退。三井化学は子会社「三井化学アグロ」が小規模に続けるが、信越化学と旭化成はいわゆる農薬を手掛けていない。農薬を主力事業に位置付けているのは住友化学だけで、特殊なポジションである。

 住友化学は、全体が5つのセグメントに分かれる。2016年3月期で単体社員数が多い順に、「健康・農業関連事業」(1927人)、「石油化学」(1331人)、「エネルギー・機能材料」(830人)、「情報電子化学」(755人)、「医薬品」(27人)。医薬品は子会社の大日本住友製薬(株)と日本メジフィジックス(株)が事業を行っており、人材採用の入り口もそちらになる。

 この5つのセグメントは、それぞれが独立した事業で、技術面でのシナジーもほぼないため、実際にはそれぞれが別会社みたいなもの。部門をまたいだ異動もないことから、最初の配属先が重要だ。

 配属されるセグメントは、理系の場合、採用時にほぼ決まっている。理系は、リクルーター+ゼミ推薦。大学に人事部がやってきて、会社説明会を開催。そこで登録した学生の連絡先に、大学先輩のリクルーター(課長、部長クラスも多い)から連絡がきて、研究所見学に誘われる。見学当日に簡単な面接があり.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



左:経団連会長を務めた前会長の米倉弘昌氏。右:現在の十倉雅和社長。(同社『CSRハイライト2012』より)
住友化学の現場組織(研究所)
住友化学のキャリアパスと報酬水準
評価詳細&根拠

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農協経由の日本  08:35 09/27 2016
グローバルにおける日本の農薬メーカーは、「ガラパゴスというよりシーラカンス」「ガリバー村の小人たち」(大前研一)