「電通は、モラハラの温床『密室の局長室』を廃止すべきだ」元部長がハリボテ対策室の実態と対策を進言
密室の局長室でパワハラを受けた経験のある電通元部長(50歳前後) |
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- 人事に相談した翌月に自殺した高橋まつりさん
- 新入社員が休日にゴルフを強制される
- モラハラは権威の象徴「局長室」で決められる
- 成果主義に反するオフィス環境の序列主義
- 教育係をモラハラ拡張要員にするな
- 電通の伝統「勝ち負け二元論の価値観」
- 旧日本軍に似ている
- 電通にとっての本当のイノベーション
人事に相談した翌月に自殺した高橋まつりさん
「ハラスメント相談課」の成果を強調する電通(公式サイト) |
電通は、モラハラ対策室を作りました、という事実だけで責任から逃れようとしていますが、実態としては、機能していない“ハリボテ対策室”です。
公式サイトには、各年度のモラハラ相談数と、それらに対処しました、と書かれていますが、ほとんどが相談を聴いただけで終わっている、と推測できます。私自身がそうでした。
形式を整えてやったふりをしているだけで、実効性はありません。
私自身が、この2012年度以降に、パワハラ被害にあって相談に訪れたものの解決せず、2年通院の後に辞めていますので、このハラスメント対策が機能していないことは、事実として断言できます。
高橋まつりさんが、明らかなパワハラ・セクハラのアラートをツイッター等で発し、人事にも相談していたにもかかわらず自殺に追い込まれたのも、2015年のことです。人事が有効な手を打っていたら、自殺という最悪の事態は防げたはずです。
わたし「充血もだめなの?」(October 30, 2015)
そして、このツイートの翌月、つまり亡くなる1か月前には、友人にメッセンジャーで以下のように送っていた(リンク先画像参照)。
高橋さんは、人事に対して、モラハラ上司や休日出勤について相談したあげく、解決せずに自殺に至ってしまったわけである。
それでよくも、ハラスメント対策をやっています、などと、反省も改善もないままにCSRに書けるものである。
新入社員が休日にゴルフを強制される
私にパワハラ危害を与えたS局長は、新入社員にも、休日のゴルフに“自発的に”参加するよう、強要していました。今から3~4年前の話です。
それが分かったのは、私の部に在籍していた、とてもゴルフなどやりそうもない、クリエーティブ系の新入社員が、似合わないゴルフバッグを持って苦々しい顔をしていたからです。「ゴルフなんてやるの?」と聞いたところ、「休日に局長と新入社員でゴルフするんで、練習しないといけないんですよー」と、何ともやりきれない、疲れ切った返答をしていました。
初耳でした。なぜ、新入社員と局長が、ゴルフをするのか?局内の部長以上が集まって毎週行っている幹部会でも、その話は出ていませんでした。どういうことか新入社員に聞いてみると、5~6年目の先輩社員たちから、局長とゴルフをする際に下手だと迷惑をかけるから、新入社員はその時までに練習するように言われている、とのことでした。しかも、練習にかかる時間と費用は自腹なのだ、と。
ただでさえ覚えることが多い新入社員の貴重な休日なのに、ゴルフに駆り出されるとは、一体どんな理由があっての事だろう
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「局」を中心とした、電通の組織図
局長・局長補が仕切る局の現場
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“なぜとてもゴルフなどやりそうもない新入社員がゴルフを?聞いてみると、先輩社員から、局長とゴルフをする際に下手だと迷惑をかけるから、その時までに自腹で練習するように言われている、とのことでした。”
“高橋さんは、人事に対して、モラハラ上司や休日出勤について相談したあげく、解決せずに自殺に至ってしまった”
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読者コメント
電通を見ていると、貴乃花親方を降格させた日本相撲協会と通じるものを感じる。変わらない変われない日本国の悪習の塊とでも言おうか。このような組織に踊らされる東京五輪はごめんこうむる。
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