私が電通を辞める原因になったパワハラ被害体験――「体育会系ハラスメント体質が今後も治らないなら、訴訟も考えています」
“クラッシャー上司”によるパワハラ被害で精神科に2年通院後、会社を辞めた電通の元部長 |
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- 抽象的な指示で「ダメ出し」を3か月繰り返す
- 「穴埋め問題にしよう」
- 「気がふれました、とメールで出せ」
- パワハラ局長補が「パワハラ対策担当者」
- 鬱で精神科に2年通院
- 「自己愛性人格障害」の上司たち
- 体育会系パワハラ体質の蔓延、浄化システムなし
- ボイスレコーダーで記録すべき
抽象的な指示で「ダメ出し」を3か月繰り返す
つい数年前に起きたことです。4月に新しい部のライン部長に就任することになった私は、7月までの約3か月間にわたって、部の活動方針を数十バージョンも書かされるというパワハラを、S局長とH局長補(当時の呼び名は「局次長」)から受け、その際に、人生で味わったことの無い暴言、人格否定、恫喝などを受けました。
電通は2015年7月からマネジメント等級を再編。現在の「局長補」を、以前は「局次長」と呼んでいた。 |
その3か月間は、土日も関係なく、毎日、明け方の3時、4時までパワーポイントで活動方針を書き、その後、風呂に入って2時間くらい寝て朝8時には出社、9時からS局長・H局長補と活動方針の打ち合せをする、というスケジュールが続きました。S局長からは「部長は何時間残業しても関係ないから」と言われました。
新しい部ですから、活動方針を最初に定めること自体には、異議はありません。ただ、S局長とH局長補からは、新しい部の方針や計画に関する詳細な説明やディレクションはほとんどなく、抽象的な指示があるのみ。
私はそれを基に活動方針を書いていたつもりですが、連日の抽象的なダメ出しに、意識が朦朧としていました。
電通では局(100~300人)の独立性が高く、「局長+数人の局長補」の権限が強い。中間管理職であるライン部長は、ほぼ権限がない。 |
H局長補も、明快な指示など一切出さず、私が書いた文章の「テニヲハ」を修正するだけで、時に「お前は給料分働いていない」などの発言を差し込んできます。このH局長補は、以前に在籍していた部署でパワハラをして異動してきた人物として知られ、「歩くパワハラ」のような人物でした。
この活動方針を書いている数か月間、部の運営は止まり、新入社員が部に配属になっていたのですが、その面倒をみることも出来なくなってしまいました。
毎朝9時前に出社する新入社員でしたが、それ以上に早く出社してPCに向かってパワーポイントを打ち続けている私を見て、毎日、私のデスクの前まで来て「おはようございます…」と言った後、何か異常な事が起きていることを察知したのか、私に声を掛けようとしてくれていたようで、口をパクパクさせて戸惑っていました。
この新入社員の面倒見に関しては、隣の部長がS局長に告げ口をしたことで、S局長から、「新入社員も、局自体も、お前の能力不足で迷惑している」と言われました。
「穴埋め問題にしよう」
数十回も提出したパワーポイントの活動方針が完全に行き詰った頃、S局長から、「もうパワーポイントで書かずに、シンプルにワード1枚の穴埋め問題にしよう」という提案がありました。私は、これは助かったと思い、S局長が書いたワード1枚の穴埋め問題の、穴の部分に文字を書き込み、翌日に提出したところ、S局長は「お前は俺を舐めているのか? 活動方針がこんな1枚で済むと思っているのか?」と激怒されたのです。
その場には、H局長補も同席していたのですが、流石に「S局長が自分から言った提案だったのに、激怒するというのはおかしい」という趣旨の発言をしていました。
この後、私ひとりで局長室に呼ばれ、S局長から、更に驚くべき指示を聞きます。
「気がふれました、とメールで出せ」
「お前は、部の活動方針をワード1枚で済まそうとして、気がふれている。局に3人いる局長補全員に、自分の気がふれたということをメールで出せ。そして、再度やり直しをします、と書くのだ」。私は自分の耳を疑いました。気がふれているのはS局長じゃないか、と。
私は、言われた通り、3人の局長補(H局長補含む)に、その通りに書いたメールを送りました。3人の局長補は、そのメールを見ても、何の反応もありませんでした
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山本敏博社長「社長就任にあたって」(2017年1月23日)より。「答えを示すことなく精神論で解決を求める」趣旨のパワハラメッセージが散りばめられている。
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これはソフトウェア上の傷害事件だな。全速力で逃げるべき案件
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