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社員の人柄が自分に合う会社、合わない会社

情報提供
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社員の人柄の見分け方〔各エリアの特徴〕
 社員の「人柄」について比較をしたい、会社説明会でも、そこを見ている――就職活動中の学生に聞くと、そういった声が多い。まだ働いたことがないがゆえに賃金や休暇についての実感がない学生にとって、もっとも現実的な問題が、職場で一緒に働くことになる社員の人柄だろう。毎日、顔を合わすのだから、確実に精神的なストレスとなり、それはプライベートにも影響を及ぼすので、確かに重要なポイントだ。
Digest
  • 新聞社は内向き・軍隊体質の典型
  • ひたすら百点を目指すタイプ
  • 時間は永遠にある
  • 社内ミーティングも改善
  • 営業を内包するメーカー

人柄を一くくりに表現するの無理だ。そこで、「どういう人が向いているか?」「どういう人柄の社員が多いか?」と現役社員に聞いた際に返ってきた答え(マジメ、ノンビリ、優等生、バカになれる人、突き抜けた人…)の原因を考えたところ、突き詰めていくと、社員が内外から受けるプレッシャーの質との相関が大きそうであることが分かった。

たとえば、市場との連動性が高いビジネス、つまり、末端顧客を相手に日々、他社との厳しい競争を繰り広げている環境では、プレッシャーを外から受ける。逆に、顧客から遠く、市場との連動性が低いビジネスは、プレッシャーを内から受ける。これが長年続けば、人格形成に、大きな影響を及ぼす。

さらに、その受け方が軍隊的・体育会的なのか、逆にフラットな上下関係のなかでのものなのか(これは、固有のカルチャーによる)で、人柄に影響も出る。

もともと、その会社の仕事に適した人が集まってくるうえに、よく言われるように、「仕事は人を作る」。よって、ここでは、「市場との連動性」「上下関係」の2点で分析する。

■「考えるな!動け!」エリア

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社員の人柄の見分け方〔代表的な企業名〕

まず、その会社の市場との連動性は、社員としての人格に影響が大きい。どんなに上司の指示・命令が厳しいものであっても、そこに顧客との関連性が見えるならば、プロとして納得できるし、頑張れる。

だが、無意味な仕事を理不尽に命令されると、人格的におかしくなっていく。これが、軍隊的・体育会的な組織内で行われるのが、左上の「考えるな!動け!」エリアだ。

このエリアは、体育会系のノリが大好きで、あまり物事を深く考えないタイプ、理屈は通らなくとも言われたことを猪突猛進にこなすことが性に合っているタイプの人にとって、絶好の環境だ。そういう人は、上司ともウマが合い、会社に行くのが楽しくなるだろう。逆に、私のような、上司に「おまえは問題意識が過剰なんだ!」と怒鳴られるタイプには、向いていない。

新聞社は内向き・軍隊体質の典型

新人記者のころ、私の1つ上の先輩は「日曜の夜になると、胃が痛くなる」と言っていた。私自身、その立場になってよくわかった。訳も言わずに怒鳴る、できないことを言いつける、とにかく精神論のオンパレードで、胃が弱い人は体が持たない。軍隊的なのだ。実際、2002年に新人記者が亡くなったとき、「ついに被害者が出たな」と思ったものだ。

日本の新聞社は、どれも100年以上前に出来た組織で、古い価値観に支配されている。たとえば、「今日、逮捕へ」といった記事を夕刊に載せるために、血眼になる。夕刊など普通の社会人は読んでおらず、どうせ今日、発表されるんだから、逮捕してから朝刊に書けばよいではないか、と思う。

それが顧客に価値を与え、部数増につながっているならば分かる。だが新聞社は、紙面の内容ではなく、販売力で部数が決まる要素が強い。実際、ここ5年の毎日新聞はスクープを連発し、新聞協会賞も最も多く受賞したが、一向に部数は増えない。販売が弱いからだ。紙面の中身より、配る洗剤の数のほうが売り上げに影響が大きいのが現実である。

つまり、編集部門では、評価指標が市場と連動していない。これは視聴率に直結するテレビや販売部数に表れる雑誌との決定的な違いだ。市場ではなく社内の、理屈を説明できない評価。独善的で価値がないものに向かい、社員が膨大な労力を費やす。新聞は規制産業なので市場原理が働きにくいが、編集部門に至っては、もはや自己満足の世界だ。

ヒラの記者が「兵隊」と呼ばれるように、新聞社は軍隊組織そのものなので、その指示・命令の内容に合理性がないと、ものごとを深く考えてしまう人にとっては、なかなかついていけない。軍隊的で、内向き体質。結果、命令するほうもされるほうも、一般人の感覚とはかけ離れたおかしなものになっていく。

私は、「どの記事が読まれているのかを知りたい、マーケティング的なことをやらないのか、現場にフィードバックはないのか」といったことを、たまたま部会に訪れた当時の編集局長に尋ねたことがあるが、「定期的にやっているものは、ないよなぁ?」などと付き人(部長らしい)に尋ねていた。独占市場(経済紙において)なので、顧客の声は聞かなくても、自己満足でやっていけてしまう。こりゃだめだ、と思った。

ひたすら百点を目指すタイプ

特に日経と、販売力が強い読売には、その傾向が顕著だ。編集では、これが起きやすい。ベネッセを辞めたばかりの、複数の元社員から同じような話を聞いて、似ているな、と思った。「企画を出すと、部下に対して、平気で15回もやり直させる上司がいて、無駄に怖い。上司のなかでは答えがあるのに部下には教えない」。「自分が辞めた理由は、“こういう人にはなりたくない”という上司が多かったからです」(20代元社員)。

このエリアは、「マネジメント」の概念がない。三洋電機に中途入社した中堅社員が言う。「精神論が大好きなカルチャーで驚きました。『オマエが作る資料には、魂が入っていない。心血を注げ!』と

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おまけに、2008/02/01 02:50
知れば知る程・・2008/02/01 02:50
M元帥2008/02/01 02:50
社風2008/02/01 02:50
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