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【こだわりグルメ】天然麹・天然蔵付き酵母の酒、寺田本家・木戸泉酒造(日本酒/お取り寄せ)

情報提供
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寺田本家の天然酒(1本2400円、左)と木戸泉の天然酒(3本セット5040円、右)をMyNewsJapan読者限定で販売。
 天然の蔵付き酵母、天然の種麹菌を使っている「天然酒」づくりをする酒蔵が見つからなかった。自家酵母使用の日本酒も純粋培養しているものがほとんど。そこで千葉の寺田本家、木戸泉酒造に天然酒づくりをお願いしたが、最初は「酒が腐ってしまうかも」(寺田本家)という不安の中、仕込みが始まった。結果、寺田本家はやや甘口、木戸泉はやや辛口と個性的な天然酒ができた。この割水なしの原酒は現在、ネットショップ等でも入手できないが、ここで紹介するにあたり、MyNewsJapan読者限定で販売されることになった。
Digest
  • 天然酒は1本もなかった
  • 自家製「天然酒」を造ってみた
  • 「100%純米造りの蔵」寺田本家、天然酒づくりへ
  • 米をたくさん削った吟醸・大吟醸は美味しいか?
  • MyNewsJapan限定「天然酒」の注文

天然酒は1本もなかった

 日本酒は米を精白し、蒸し米を作り、種麹菌をつけて米麹を作る。米麹と蒸し米と水で仕込み、酵母をつけて発酵させる。

 現在では、麹菌も酵母もほとんどが純粋培養をした菌で作られている。なかには自家酵母を使用している、とうたっている日本酒もあるが、蔵に生息している自家酵母を使っていても純粋培養しているものがほとんどだ。発酵醸造菌の天然菌と純粋培養菌の培養液の内容についてはマルカワみそを参考にして欲しい。

 1998年(平成10)頃から天然の蔵付き酵母で、しかも天然の種麹菌を使っている日本酒を探したが、残念ながら販売されているものは1本もなかった。

 以前から、こだわった自然酒を造っている千葉県の寺田本家の寺田啓佐社長さんと木戸泉酒造の荘司文雄社長さんに2001年(平成13)10月頃、麹菌や酵母の実態を説明し、天然酒を造っていただきたいとお願いした。しかし、2人ともに「今まで天然麹菌や天然酵母で日本酒を造ったことがない、そんなことしたら酒が腐ってしまうかもしれない」と言われた。

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寺田本家の寺田啓佐さんの自画像(上)と木戸泉の荘司文雄さん(下)
 そこで思い出したのは1996年(平成8)頃、関西のある自然食のレストランに行った時、その店のご主人に自家製で造った日本酒を飲ませてもらったことだ。自家培養の天然麹菌で造った麹米を使い、空気中の天然酵母で発酵醸造させた日本酒だった。

 それを紹介しようにも量は少ないし、もちろん密造酒だから販売などできない。そこで、そのご主人に日本酒の造り方を教わって自分で造ってみた。

自家製「天然酒」を造ってみた

 無肥料無農薬米をマルカワみその河崎社長さんに送って、味噌蔵に生息している天然麹菌を大豆に付着させて造った天然種麹菌で麹米を造ってもらった。その麹米と無肥料無農薬のご飯と丹沢の湧水で2001年(平成13)12月頃、仕込んでみた。通常は蒸し米を使う。家庭で蒸し米を作るのは難しいが、ご飯を使って造ったので簡単にできた。

 断ってはおくが、酒税法という悪法があるため自家製でも法律上は酒を造ってはいけないことになっていることを承知していただきたい。

【材料】米5合の冷やご飯(約1.8kg)、麹米500g、ミネラルウォーター2リットル

【用具】陶器の容器(3升用)、木ベラ、ガーゼ

【作り方】
1)容器に材料をすべて入れる。
2)木ベラでご飯と麹米と水が均一になるようによくかき混ぜる。
3)容器の上に、ガーゼをかぶせる。
4)毎日木ベラでかくはんする。最初の2、3日はアルコール発酵しないため、甘酸っぱい炭酸飲料になる。
5)発酵が始まって2、3日後からアルコールが増えてくる。約1ヶ月で出来あがる。気温によって多少の長短はある。
6)出来あがったら、ざるの上にガーゼを置き、濾す。こして残ったものが酒かす。

【ポイント】
1)ご飯は必ず冷やご飯を使う。
2)最高気温が20度以下の時期に仕込む。20度以上の時期になると乳酸菌が繁殖しやすくなり、酸味が強くなる。
3)発酵し始めはパンの天然酵母の酒種としても使える。


 やや酸味を感じるが美味しい日本酒ができた。

 自家製で造った日本酒はいろんな味が楽しめることが分かった。

1)ご飯粒が残ったできたままの味。
2)ざるで濾して酒かすを分離した後の味、これがいわゆるどぶろく。
3)どぶろくを静置ろ過した上澄みの味。
4)上澄みを冷蔵庫で寝かせた味。どれも個性のある味わいだった。買ってきた日本酒では味わえない醍醐味だ。

 そして寺田さんと荘司さんに自分でも日本酒を造ることができたことを伝え、「もう一度天然酒を造ってもらいたい」とお願いしてみた。

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寺田本家

◆住所:千葉県香取郡神崎町神崎本宿1964
◆TEL:0478-72-2221 FAX:0478-72-3828
◆E-mail:info@teradahonke.co.jp

写真上から、
寺田本家の酒造所、麹造り、自家栽培米

*今回、寺田本家の天然酒 1本2400円(税込・送料別)で特別に販売。本数とともに、住所、氏名、電話、FAX、E-mailを明記の上、上記電話、FAX、e-mailにて注文。

「100%純米造りの蔵」寺田本家、天然酒づくりへ

 ようやく納得してもらえ、まず寺田さんが2002年(平成14)2月に試作の天然酒の仕込みを始めた。寺田さんは経験したことのない仕込みなので不安だったが、マルカワみその麹米と無肥料無農薬米を提供し、地下水を使い天然酵母で少量の40リットルで仕込んだ。

 天然の麹菌が米のデンプンを糖に変える酵素を盛んに出して糖化する。この時、上澄み液を飲むと甘酒の味がしたという。

 次に乳酸菌が働きだし、糖を乳酸に変える。乳酸は雑菌の働きを抑え、酵母菌が働きやすい環境を作り出す。この時の上澄み液は甘酸っぱい乳酸飲料の味がしたという。

 しかし寺田さんは、純粋培養の酵母を使わず蔵に自生している蔵付き酵母だけでは発酵してこないのではと思い、失敗覚悟で待っていた。

 すると仕込んで3日目に泡が立ち始め、蔵付きの天然酵母が発酵を始めた

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木戸泉酒造◆住所:千葉県いすみ市大原7635-1◆TEL:0470-62-0013FAX:0470-62-3300◆E-mail:kidoizumi@mail2.bii.ne.jp写真上から、木戸泉の酒造所、麹造り、契約栽培米*今回、木戸泉の天然酒を1本1680円で3本セット5040円(税込・送料別)で特別に販売。セット数とともに、住所、氏名、電話、FAX、E-mailを明記の上、上記の電話、FAX、e-mailにて注文。

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編集部2008/04/19 09:03
編集部2008/04/19 09:02
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