「精華堂あられ総本舗」のあられとせんべい
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せんべい、おかき、あられを作って創業70有余年の、江東区・清澄白河の「精華堂あられ総本舗」。「原材料の食材のこだわりが第一」と全国の食材を探し歩き、うまいもち米10種類を味比べ、「味が良く、こくもある」もち米と出会った。ひたすら美味しい食材を求めた結果として、無農薬のものになったのだという。使う黒豆も、無農薬・無肥料。原材料の栽培履歴を取り寄せ、疑問が生じれば取引中止するなど、安全性にもこだわりつつ江戸の味を守り続ける。
【Digest】
◇創業70年、江戸の味を守り続ける
◇無農薬の農産物のほうが美味しい
◇うまいもち米10種類の味比べ
◇栽培履歴を取り寄せて確認
◇あられとおかきの製造工程
◇創業70年、江戸の味を守り続ける
「
精華堂あられ総本舗」2代目の代表取締役、清水精二社長は、1938年(昭和13)東京都墨田区向島に生まれた。清水社長の父親の六蔵さんは山梨の農家の次男として生まれ、東京都墨田区向島のおせんべいやさんに丁稚奉公し、1935年(昭和10)2月に独立して、精華堂あられ総本舗清水六蔵商店を創業した。
しかし、戦争が始まり空襲で工場も全滅した。その後、1951年(昭和26)に江東区清澄であられ製造を再開した。現在は従業員が宮城工場も合わせて70名になる。
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精華堂あられ総本舗
◆住所:東京都江東区清澄3丁目10-5
◆TEL:03-3461-9288
◆FAX:03-3461-9221
◆e-mail:shimizu@seikadoarare.co.jp
◆営業時間 平日:9時~18時30分 土曜日:9時~17時
◆定休日 日曜日・祝日
■宮城支店 古川山荘
◆住所:宮城県大崎市古川清水新田65-1
◆TEL:0229-26-2890
◆営業時間 9時~17時
写真は、本社の売店(左)と創業当時の看板(右)

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清水さんは4人兄弟の次男で、子供の頃から家業を継ぐものと思っており、大学を卒業後、父の右腕として活躍していた。1963年(昭和38)頃から美味しさと食の安全を意識し始め、味で一番を目指すには「原材料の食材のこだわりが第一」と思い全国を渡り歩き、食材を探し歩いた。
◇無農薬の農産物のほうが美味しい
清水社長が原材料を無農薬にこだわるきっかけは、1982年(昭和57)の夏に、石井農園を訪れたことだった。
清水さんは次のように語る。
「一般の消費者と、レストランの料理人や私のような加工食品を作っている職人たちとは、無農薬の農産物に興味を持った理由に違いがあるようです。
一般の消費者は市販の農産物は農薬を使っているので安全性に疑問を感じて不安に思い、無農薬の農産物を求めています。最近の中国の毒入り冷凍ギョーザ事件以来、この傾向は強くなっているようです。
私たち職人は普段ひたすら美味しい食材を求めています。まず最初は農薬を使っているかいないかにはこだわらず美味しい食材を探します。そして見つけたものは結果的に無農薬の農産物だった、という人が多いのです。
一般の消費者たちも無農薬の農産物のほうが美味しいと言うことは共通して言っています」
とはいえ、清水さんのように美味しくて安全性の高い食材を常に求めている食品加工業者は少ないのが現状だ。少しでもコストを抑えるために安い原材料を世界中から集めて、いかに利益をたくさん上げようかと考えている食品業者が多いだろう。
私の臨床経験では、化学物質過敏症やアレルギーの患者たちは、また別の違いがある。患者の中には農薬を使った市販の農産物が食べられない人がいる。無理して食べて食べられないことはないが、食べると発疹が出たり頭痛がしたりのどが痛くなったり、吐き気がしたりする人がいる。そのため無農薬の農産物しか食べられない人がいるのだ。
一般の消費者たちは安全性を重視して、化学物質過敏症やアレルギーの患者たちは体の反応を重視して、レストランの料理人や加工食品を作っている職人たちは美味しさを重視して無農薬の食材を選んでいる傾向にあるのだ。
三者それぞれ理由は違うが行きつくところは、無農薬の農産物は本来の食材であるということであろう。
◇うまいもち米10種類の味比べ
「日本でうまいといわれているもち米の10種類(新潟・宮城・東北6県と滋賀県、島根、九州など)を味比べしました
.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
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「精華堂あられ総本舗」の清水精二社長と石井農園の石井稔さん
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あられ工程
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