 A 優良企業
(仕事4.5、生活4.0、対価4.2)
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NHK職員の中心を構成する記者職・ディレクター職のキャリアは、地方局からスタートする。具体的には、管担局と呼ばれる地方の中心局(札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、松山、福岡)を含む53の放送局と14の支局の、いずれかに配属されることになる。
【Digest】
◇別キャリアを歩む記者とディレクター
◇記者は競争・選別の一生
◇ディレクターは地方と東京を行ったり来たり
◇政府よりの構造
◇Dは企画力、演出力、発想力
◇モチベーションは、希望の番組を担当すること
◇自由裁量に任される
◇番組制作費を横領
別キャリアを歩む記者とディレクター
平均的な放送局は、記者が約10~13人、ディレクターが5~7人、それにデスクや管理職、放送技術、カメラマン、総務などを併せると、60~70人規模である。
記者の仕事は、日本の新聞業界の慣例に沿って、警察担当から始まる。だいたい先輩記者(3年目の場合もある)と組んで、県警記者クラブに所属し、事件や事故の取材をし、夜討ち朝駆けで刑事や副署長などの自宅前で捜査情報(いつガサ入れをするのか、いつ逮捕するのか…)等を聞き出す、といった日本独特の慣習のなかで、新聞社や地元TV局の記者らと、心身ともに疲弊する消耗戦を繰り広げる。
警察を2年担当したあとは、行政(市政、県政)・遊軍を担当するのが普通だ。新聞記者と違うのは締め切りの時間帯。新聞が夕刊と朝刊に合わせて記事を出すのに対し、NHKは昼のニュース、夕方のニュース、21時前のニュース、朝のニュースと、次々に締切が来る。
ほかに違う点は、カメラマンを動かすこと。現場の映像が必須となるため、警察官が事故後の侵入禁止の「縄張り」前にいる映像や、鑑識が作業している映像を撮りに行かせる。記者ではなくデスクが指揮をとるケースもある。
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NHKの組織
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ディレクター(D)の場合は、赴任すると「来月、1本あてたから」と、いきなり3分リポートをふられ、ネタ探しが始まる。ひたすら人に会ってはネタを探し、取材する。ロケの日を決め、撮影内容を決め、ナレーションもD自身がやる。放映されたときに右下にテロップで自分の名前が流れるので、それなりにやりがいはある。一連の作業を、デスクの指導を受けながら、OJTで覚えて行く。
記者やアナウンサーが全国放送にも出ることがあるのに対し、Dは裏方の仕事がメイン。記者はいきなり3分前に来てニュースを読んで終わりのケースもあるが、Dは、立ち位置を他局と調整するなど、様々なセッティングをし、後片付けをし、番組全体を仕切るのが仕事。NHKは報道ありきなので、記者は新聞社と同じように報道に特化したキャリアしかなく、民放のように記者がDを経験するキャリアパスは用意されていない。
◇記者は競争・選別の一生
アナウンサーと記者は、とにかく東京に引き上げられるか否かが評価基準なので、ほとんどの人がそれを目指している。アナの場合では、久保純子は3年目、膳場貴子は4年目に東京・アナウンス室に.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
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NHKの年収推移
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評価・報酬/雇用安定性/意思決定カルチャー
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