【格付け】Caa:不良企業
(仕事1.5、生活1.7、対価4.4)
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2003年春、北海道支社管内で、1人の若手記者が倒れた。検査した結果判明した病名は胃ガン。入社4年目、まだ27歳だったが間もなく亡くなった。社内では、道警(北海道警察)担当時代の精神的なストレスが原因で胃に来たのではないか、というのが専らの噂だ。
読売に限らず、新聞記者は「公私混同」の生活を強いられる。入社3年目くらいの若手記者でも、「通信部」と呼ばれる住居一体型の小さな拠点にたった1人で住み込み、公私混同の日常を送るのが普通である。支局では支局長が同じ建物内に住み込むため、若手記者は住み込みを免れるが、多くの記者は、事件や事故が起きた時にすぐに駆けつけられるくらいの距離に住む。
事件が起きれば取材に忙殺され、たとえ長期休暇をとる予定になっていてもキャンセルが当り前。1年目は支局での勤務となるが、キャップと呼ばれる中堅記者の指導を受け、OJTで記者の仕事を叩き込まれる。このため自分のペースで仕事をすることは難しいが、ある程度成長した3年目くらいからは、通信部を1人で任され、平和な日々さえ続けば、1日3時間程度の仕事で、記事を1本出していれば、残りは読書でも何でも好きなことをしていればよい。自分のペースで仕事ができる。
ただし東京本社採用の場合、首都圏に残ることができるのは、10人前後に限られる。残りの大多数は、東北、甲信越、静岡、北海道などの各道県に約2名ずつ配置され、うら寂しい、退屈ともいえる地域で、20代の6年間を過ごさねばならない。
通信部では、記者が外出していれば、「奥様」が記者の代わりに、電話対応をしたりするのが普通だ。その労苦に報いるため、通称「奥様ボーナス」が、年間20万円、文字通り記者の奥さんに対して、「渡邉恒雄」名で支給されている。記者が男であることが暗黙の前提となっているあたりが社風を感じさせる。
このような、仕事と生活が一体化した環境にストレスを感じる人にとっては大いに苦痛となるだろうし、逆にそのような田舎の緑の多い自然環境のなかで、のんびり、じっくり記者修行をしたいと考える人にとっては、絶好の環境であろう。ただ、地方であっても全国的に注目度の高い地域(田中康夫知事のいる長野県など)では、のんびりする暇もない。
年間休日は105日と、完全週休2日制をとる大企業と比べると、そもそも20日程度も休日数が少ない。つまり、普通の会社よりもまるまる一ヶ月分の営業日を多く働け、ということである。具体的には、事前に、曜日に関係なく1ヶ月で8日程度の休みが決められるが、そのうちの数日間が事件や事故で潰れることもざらであり、月によって変動が大きい。
年中忙しいと思われがちな記者業務だが、読売では連休をとることも可能だ。夏休みと冬休み、ゴールデンウィークといった特定の季節に限られるが、新人で1週間弱、それ以外は1週間~10日は取るのが普通である。社会部は、社内でも「休まないことが美徳とされる職場」といわれているが、全体から見れば例外的である。ただ、休んでいる期間の原稿(置き原)を事前に書き溜めておかねばならないという慣習があり、連休の前が余計に忙しくなる。決められた記者数で決められた紙面を埋めることが最低限の使命だからだ。
勤務地に関しては、県庁所在地の支局(1-2年)、県庁所在地以外にある支局や通信部(1-2年)、県庁所在地の支局に戻って勤務(1-2年)を経て、6年目に本社に帰るというコースがほぼ決まっている。ただ最近は、出産や介護といった家庭の事情には、柔軟に対応して、例外的に勤務地を個人の事情に合わせて動かす例も見られる。
いったん東京に戻ると、しばらくは東京から出ないケースが多い。各都道府県に必ずいる支局長は、実際には取材活動をせず、管理業務が中心で、50歳前後の老記者が担当するポストである。地方は20代の若手が半数以上を占める構成となっており、東京本社には働き盛りの30代中堅記者が多く配置されている。
本来、労働者のために休日を一般企業並みに増やしていく努力をすべき労組は、委員長、副委員長ポストが取締役への出世コースとなっており、経営側にうまく操られている。このため、週休2日制への動きも見られず、社内外から「御用労組」との批判が強い。
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意思決定カルチャー等 |
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年次主義は根強く、入社年次は常に気にされる。たとえば「02(ゼロニ)の誰々」、といった名前の接頭辞として用いられることが多い。これは2002年入社という意味であり、年次が下の記者に対しては、呼び捨てか君付けとなる。なお、西暦で呼ぶのは朝日も同様であるが、日経はなぜか元号で呼ぶ。つまり「ゼロニの誰々」(2002年)ではなく「イチヨンの誰々」(平成14年)と呼ばれるのである。
同社の災害マニュアルには、緊急時には「役職者または年次上級者がキャップを務める」と明確に記されている。入社年次は本来、実力や成果とは関係がないが、人事上、生涯付きまとう重要な基準とされており、このあたりは官僚組織の人事に似ている。
「出世したいならイエスマンになれ」。ある新人記者は上司にそう言われ、やっぱりそうなのか、と改めて思ったという。同社では、会社に対して、そして上司に対して、とにかく「イエスマン」であることが.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
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年収推移 |
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20代後半の給与明細 |
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