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「嘘は大きく、訂正は小さく」日経・読売の検察リーク虚報問題で購読打ち切りました

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日経新聞1月25日夕刊社会面トップ記事。日経は無防備にも、検察リークによる架空の「手帳メモ」の詳細まで書いてしまい、取材源さえごまかせなくなってしまった
 日経・読売の記事「石川議員の手帳にホテル名メモ」と翌日の訂正記事に対し、私は日経本社にて抗議し、各社の報道も検証した。その結果、検察が記者に「ウソ情報」をリークし、その後で取り消したとしか考えられないこと、大手紙のなかで2社だけが怪しい情報を記事にし、訂正記事を出したことが分かった。だがこれは訂正どころではなく、関係者に謝罪の上、記事の「取り消し」をすべきではないか。社長宛の質問状を携え本社を訪問したが、その対応の悪さに怒った筆者は、25年も購読してきた日経新聞の契約を打ち切り、この問題を広く世に知らせることにした。
Digest
  • 嘘は大きく、訂正は小さく
  • 検察でっち上げ情報をそのまま垂れ流す日経・読売
  • 購読していた日経に読者として抗議
  • この虚報事件を整理する

嘘は大きく、訂正は小さく

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讀賣新聞1月25日夕刊社会面トップ記事。「石川議員側関係者からの取材に基づく」と検察をかばう「嘘のコメント」を付け加えている

読売新聞と日経新聞が、1月25日夕刊で同時に「石川議員の手帳の現金授受とされる日と同じ日に供述通りのホテル名のメモがあった」という記事を社会面トップで掲載し、翌日、同時に「ホテル名メモの記述がある欄は04年10月15日ではなく、05年4月の誤りだった」とのごく小さな訂正を載せた(右記参照)。

両紙とも、ウソ情報をトップ記事扱いで大きく載せておきながら、訂正情報はほとんどの読者が気づかないような片隅に小さく載せるという、卑怯な姿勢だった。この、検察の世論誘導としか考えられない虚報によって、石川・小沢サイドは回復しがたいダメージを受け、一般市民らが構成する検察審査会の「起訴相当」議決の背景の1つにもなっている。

実際、「起訴相当」議決を受け、東京地検特捜部は5月15日と17日に、小沢一郎幹事長や石川知裕議員への再聴取を行っている最中だ。

これは「訂正」では済まされず、記事の「取り消し」を行ったうえで、少なくとも同じ扱いで読者に知らせるべきではないか、虚報を流した経緯も含め、関係者に正式に謝罪したうえで、読者にしっかりと知らせるべきではないか、と考えた私は、1購読者として日経に抗議したが、一切、こちらの要望には応じない。

その対応は、読者を顧客とも思わぬ失礼なもので、筆者は購読契約を打ち切った上でこの事実を広く知らせることにした。その詳細をお知らせしたい。

検察でっち上げ情報をそのまま垂れ流す日経・読売

二社の訂正記事では「ホテル名メモの記述がある欄は04年10月15日でなく、05年4月の誤り」とある。読売と日経が揃って、同じように日付を取り違えることはありえないので、元情報が間違っていた、と考えるのが妥当だ。

元情報とは、押収した手帳を見ることができる検察以外にはありえない。だが、毎日新聞記事によると、検察は「04年分の手帳は見つけてない」とされる。手帳を持たないのに、「04年10月15日」という特定の月日のメモだと言い出したこと自体、不可解だ。

検察は、手帳の05年4月のどこかの欄に全日空と記載されているのを見つけ、架空の、注目される「ウソ情報」“石川議員 手帳メモにホテル名 「現金授受」と同じ日(04年10月15日)”をでっち上げた、と考えるしかない。そして、読売と日経はそのリークに基づき、そのまま、でっち上げられた情報をデカデカと記事にしたのである。

他社(朝日、東京、毎日)は、元情報「5,000万円、ホテルで授受」が、水谷建設元会長の証言しかなく、小沢側も全面否定していることから、怪しい情報だと思っていたはず。そこで、次に検察から与えられた情報「現金授受と同じ日」も、余りに出来すぎた情報だと判断し、「記事にしたら危ない」との常識が働いたと思われる。

記事にした読売・日経は、検察と良い関係を保ちたいとの思惑もあったのだろう。日経ネットなどにも記事を掲載し、数時間後にネットから消し去った。

購読していた日経に読者として抗議

日経・読売の小さな訂正記事に気づく人は、ごくまれだ。このまま石川議員が多くの国民に疑われたままでは浮かばれない、などの思いから、私は新聞社に抗議することにした。

筆者は、日経を約25年購読してきた顧客として、日経に抗議した。だが読者センターに「購読者はどうしたらよいのか」と問うと、「不買運動をやっては、インターネットで知らせてはどうか」と言われる始末で、お粗末な対応に終始。小さな訂正以外は何もしないと言い張り、反省はなかった。

以下、その模様を時系列で詳細に記す。

1月26日午後、私が日経本社読者センター担当員に、小さな訂正記事では済まないのではないか、と抗議の電話(1時間50分)。

(担当者)「訂正記事でよい」と、こちらの言い分を全く聞かない。

1月27日午後、 新聞を契約している販売店に、「日経本社の対応が悪い。販売店から日経本社上層部がしっかり対応するようお願いしてほしい」と伝える。

(販売店からの返事)「日経本社に連絡したが、本社はそのような電話を受けていない、とのことだった」

1月28日午前、再度読者センターに電話、女性が対応 (36分)。

(女性担当者)「貴方の言っていることは全てその通り。ぐうの音も出ない。経営者が対応すべき 内容。全てを上司に報告する。」 (後日、他の担当者にも聞いてみたが、同様な意見であった)

1月28日午前 根本読者センター長から電話。

私 「社長宛の手紙を持参する。その際、私の話も聞いてほしい。」

その後、電話での打合せで、2月1日13:00時に、日経本社を訪問することになった。

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日経本社にて手渡した2月1日付の社長宛質問状
2月1日13:00~14:50 私と家内で、社長宛手紙を持参し、日経本社を訪問、打ち合わせ。

日経側のメンバーは、編集局調査部読者センター長 根本正一氏と、担当部長(紙面審査委員会)の上嶋光貴氏

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