東京都大田区田園調布の高級住宅街に構えた大東建託会長・多田勝美氏の豪邸。500坪ちかくの土地だけで40億円をくだらないとみられる。
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連日15時間の長時間労働に加え360万円の支払いを上司から強要されるなどして自殺した大東建託(株)藤枝支店の元営業社員について、島田労働基準監督署は6月はじめ、自殺は上司のパワーハラスメントが原因だとする労働災害を認定した。一方、これに対する大東建託の反応は「ノーコメント」と、まるで他人事だ。同社トップ・多田勝美会長の報酬は2億5800万円。会長ひとり勝ち企業の内幕には、営業社員同士が殴り合うほどの、すさんだ職場環境があるという。現役社員と元社員に職場の実態を聞いた。
【Digest】
◇ 労災認定に「ノーコメント」
◇ “社員自殺は他人事”の一方で会長報酬2・6億円
◇ 「殺されても放すな、目的完遂までは」
◇ ヤクザみたいな巻き舌で「どうなっているんだ!」
◇ ミーティングで殴り合う社員たち
◇ “生き地獄”の「管理者養成学校」
◇労災認定に「ノーコメント」
大東建託藤枝支店の元営業社員・谷坂聡太郎さん(享年42歳)が自殺した事件をめぐり、労災認定した旨の連絡が島田労働基準監督署から遺族のもとにもたらされたのは、6月はじめのことだった。詳しい認定の内容は現在のところ当事者にも明らかにされていないが、今後、遺族に対して一時金と年金が支給される見通しだ。
労災の申請内容によれば、谷坂さんは生前毎日15時間に達する過酷な無償労働をさせられており、それに加えて顧客とのトラブルの穴埋めとして360万円の支払いを上司から強要されていた。結果、精神的に追い詰められてうつ病を発症、自殺した。今回の労災認定は、これらの事実が「パワー・ハラスメント」(職場での地位を利用したいじめ、いやがらせ)にあたり、自殺の原因となった、と労基署が判断したことを意味する。
大東建託の従業員に対する安全衛生管理に問題があった、と厚生労働省の機関が指摘したのである。同社に対するイエローカードといってもよいだろう。ところが大東建託の反応はそっけない。筆者の取材に、次のように答えただけだった。
「労災認定が出たことは認識しているが、これはご遺族と労働基準監督署の問題である。したがってコメントする立場にない」
コメントする立場にないからノーコメントと、まるで他人事のような口ぶりなのだ。
谷坂さんの遺族は、労災申請と並行して大東建託を相手どった損害賠償請訴訟を静岡地方裁判所に起こしている。今回の労災認定がこの訴訟に影響を与えることは間違いないが、いまのところ大東側に和解などの動きはなく、全面的に争う構えを変えていない。サービス残業やパワハラといった事実はない、会社にいっさい責任はない、という主張を続けているのである。
もっとも、争っているとはいえ「谷坂さんの自殺がパワハラによるものではない」という主張を裏付ける具体的な反論は、昨年11月の提訴から7ヶ月がすぎたいまも大東側からは出てきていない。本論に入れないまま審理は膠着したままだ。
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多田勝美会長に対して2億5800万円の報酬を支払ったことが記された、大東建託の有価証券報告書(2009年度分、大東建託ホームページより)。 |
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◇“社員自殺は他人事”の一方で会長報酬2.6億円
社員の自殺について労災認定が出たにもかかわらず「ノーコメント」というのは、上場会社の株主に対する説明責任という観点からみて、いささか非常識な印象を受ける。その非常識感覚は、経営トップに対する報酬額の突出した高さからも伺える。
谷坂さんの労災認定から1ヶ月足らず後の6月25日、2009年度の株主総会が開かれ、役員報酬の一部が明らかにされた。それによれば、09年4月1日から2010年3月末までの1年間で支給された役員報酬は、社外取締役6人を含む17人分で計7億100万円。このうちもっとも多額の報酬を受け取ったのが、創業者で大株主でもある代表取締役会長の多田勝美氏だった。その額は実に2億5800万円にのぼる。
自殺に追いやられるほどの過酷な働き方をさせられた、と社員の遺族から訴えられている一方で、経営トップは2億5800万円の報酬を受けとっている。これだけのカネを一人に対して払うことについて会社はどう考えているのか。筆者は大東建託に、ただすことにした。
――多田勝美会長に2億5800万円もの報酬を払ったのはなぜですか。
そう質問してからわずか2時間ほどで、大東建託経営企画室という広報担当部署の男性社員から、電話で回答があった
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大東建託の支店。社員同士がときに殴り合いになるほどのすさんだ職場環境だという(沖縄県内、本文とは直接関係ありません)。 |
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課長など管理職になった際や、成績不良の管理職がいかされる「管理者養成学校」のホームページ。軍隊式の教育は、”生き地獄”だと恐れられているという。 |
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