Ba 普通の企業
【生活重視型】
(仕事3.0、生活4.7、対価1.8)
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2005年3月 691万円(31.9歳)
2010年3月 591万円(33.1歳)
有価証券報告書によると、ヤフー社員の平均年収は、過去5年間で、ちょうど100万円も下げられた。平均年齢は逆に上がっているので、待遇の悪化は一目瞭然だ。一方、このほど公表された井上雅博社長の役員報酬は、1億5900万円。役員平均は7975万円で、役員が従業員の何倍の報酬を得ているかを示す役員/従業員倍率では13.5倍となり、「TOPIX(東証株価指数)100」に採用されている代表的な上場企業のうち、第4位にランキングされている。
【Digest】
◇役員/従業員倍率で13.5倍、第4位
◇労組を作ろうとした社員が退職に追い込まれた
◇「新卒も中途もみんな上がらない」が共通認識
◇ネットの世界のNHKに
◇「この会社入ったの失敗だったんじゃないか」
◇コンプライアンス徹底による監視社会
◇モバイルはモバゲーに負け、コマースは楽天アマゾンに負け…
◇社内公募も中止
◇4年いると古株、転職先はグリーやグーグル
◇孫正義トップダウンカルチャー
◇だらだら働きたい人向け
◇「独立した個人労働者」の集団
◇役員/従業員倍率で13.5倍、第4位

グローバル企業は、米国を中心に、この倍率がはるかに高く、よってトップの日産自動車(26.9倍)が「グローバル企業だから世界基準が適用される」というゴーンCEOの理屈は分からないでもないが、ヤフーはグローバル企業ではなく日本の国内市場向けに限定してサービスを展開する超ドメスティック企業だ。資本も、最大株主はソフトバンクである。
では、いったいどういう根拠で、従業員が役員に比べこれほど安くなっているのか。ヤフーは売上高2798億円に対して経常利益1433億円で、経常利益率は51%(2010年3月期)にもなる超高収益企業だ。成長著しいウェブの世界で一人勝ちしているトップ企業の社長なのだから、貰い過ぎというわけではない。むしろ、従業員のほうが搾取されすぎている、と言えそうだ。
この会社の社員に対する姿勢は、売上高がほぼ同規模の楽天(2982億円、2009年12月期)と比べると分かりやすい。楽天は経常利益率18%とヤフーの半分以下にとどまるが、従業員の平均年収は681万円(31.4歳)と、平均年齢がほぼ同じの割に、ヤフーより90万円も高い。逆にいえば、楽天は利益率を下げてでも人件費にコストを割いて、よい人材を集めようとしている。
◇労組を作ろうとした社員が退職に追い込まれた
「役員報酬はフジテレビと同じくらいだと聞いて、むかつくからそれ以上調べませんでしたが…」(中堅社員)。実際には、日枝会長は1億7100万円、社員平均が1452万円。ヤフーは井上社長1億5900万円に対し、社員平均は591万円。確かに社員のほうの差だけは2倍超と大きい。
何しろ、日枝会長は元労組委員長。労組という基本的な交渉団体すら存在しないヤフーと差が開くのは当然とも言える。仮に、トップ企業らしく、ヤフー社員の年収をフジと同水準に引き上げたとすると313億円のコスト増になるが、それでもまだ経常利益は1120億円(フジの約10倍)も残り、経常利益率40%を維持できる。
客観的に見て言うなら、利益を51%も出して法人税を4割も払うくらいなら、少しは社員に報いてやればいいのに(社員のほとんどは給料が低いので所得税・住民税合せても4割に満たない)、といったところだ。法人と個人を合わせたヤフーという組織全体でみた場合の総税金額を減らせるからである。
だが実際には、これだけの驚くべき体力がありながら、ヤフーの社員は毎年着実に高齢化している一方、経営陣の驚くべきガメツさで、給料は、ほぼ一直線に下げられている。この1年で下がった要因の1つは、一律で一定時間働いたとみなして残業代相当額を支給する「裁量労働制」の廃止(2009年4月)と「フレックス勤務制度」の導入だ。「実際の労働時間よりもたくさん貰っていた人が多かったので、給与が減った人が多い」(中堅社員)という。
「残業はつけにくくなり、22時以降は本部長申請が必要。月60時間以上は残業をしないという規制もかかった。ここ1年はコスト削減が厳しく、PCの電源をシャットダウンして帰れ、と。ロックをかけて帰るだけだと、待機電力がかかるからです。それでいくら減らせるから、という連絡もきます」(若手社員)
現在はリーマンショック後の不景気で広告出稿も好調とはいえないため、仕事量も多くはない。よって、仕事量の大小にかかわらず一定額を支払う仕組みは、経営側にとっては負担になり、従業員にとっては都合がよい。通常の大企業では、このような従業員に不利となる制度変更は、労組との調整が難航し、そう簡単には決まらないものだ。
ところが、ヤフーには労組が存在しない。代わりに、四半期に3人だけ従業員代表が選ばれ、経営側からヒアリングを受けている。「昨年の裁量労働制廃止を含む人事制度変更のとき、従業員代表の3人はいずれも反対したんですが、何も反映されなかったんです」(中堅社員)。これでは従業員代表など、アリバイ作りに過ぎない。
なぜ、これだけの規模の会社(単体で3644人)でありながら、労働組合が存在しないのか。社内でよく知られているのが、経営側の「労組潰し」事件だ。
「労組を作ろうとした人が潰された件は、2人ほど知っている」(若手社員)。これはどういった事件だったのか。中堅社員が説明する。「2004年~2005年ごろ、2ちゃんねるに、『労組を作る』という話を書き込んで、社員が会社側から摘発され、最終的に退職に追い込まれた例がある。そのときは、ヤフーメッセンジャーのログから見つかったらしい.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
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