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トヨタグループ多重ピンハネ事件 愛知製鋼の偽装請負問題、最高裁へ
名古屋ふれあいユニオン知多分会長の槻本力也氏。下請企業から愛知製鋼の工場に派遣され、偽装請負、労災隠しなどの不正を自身の目で見続けてきた。労基署にはたらきかけるなど事態の改善をめざし、現在は派遣業者を相手取った裁判を支えている。


 トヨタ系の老舗企業・愛知製鋼(旧豊田製鋼)グループ内で明らかとなった多重偽装請負・多重派遣・多重ピンハネ・労災隠し。2007年に発覚して以来、騒ぎが拡大していくなかで、240人の労働者を愛知製鋼に送り込んでいた派遣業者(有)三築は、一方的に廃業を宣言し、偽装請負や労災隠しなどを追及した社員らを解雇した。元従業員は地位保全と給与支払いなどを求めて07年9月、名古屋地裁に提訴したが、一審も控訴審でも敗訴し、今年3月25日、最高裁に上告した。愛知製鋼の工場に派遣され、不正・無法行為の一部始終を目の当たりにし、裁判を支援する槻本力也(51歳)氏に話を聞いた。

【Digest】
◇トヨタグループの支柱・愛知製鋼
◇発端は、ひ孫請け労働者からの内部告発
◇室温50度以上、倒れた従業員を外に出す
◇リフトの偽装免許証
◇たたき上げの社長
◇愛知製鋼に警察が駆けつけ大騒ぎに
◇労基署への救済申請では勝利和解  
◇派遣業者が廃業宣言し課長らを解雇
◇純資産1億8000万円でも廃業せざるを得ない?
◇240人の派遣労働者のその後
◇闘った結果、労働条件(賃金2倍)が改善した
◇巨利を得るトヨタの白い手は汚れない・・

◇トヨタグループの支柱・愛知製鋼
 同社は従業員2330人(2010年3月31日現在)と、規模としてはそれほど大きくないが、トヨタグループにとっては意味のある企業である。豊田佐吉が創業した豊田自動織機製作所内に1934(昭和9)年、自動車国産化のために必要不可欠な特殊鋼の研究開発をする製鋼部を設けたのがはじまり。1940年には正式に豊田特殊鋼として独立、のちに愛知製鋼と改称した。

 いわばトヨタ車の起源のような愛知製鋼には、トヨタ自動車が23・71パーセント出資(10年3月31日現在)し、取締役会長の森田章義氏はトヨタ自動車元専務である。このような背景をもつ一部上場企業にとって、これから報告することは、決して“あってはならない”ことなのである。

 一連の出来事を2000年からつぶさに見続け体験してきた槻本力也氏に話を聞いた。

――まずは、重層的偽装請負の全体の構図を教えてください。

「一番上にいるのが愛知製鋼㈱で、その100%子会社がアイチセラテック㈱(耐火煉瓦など耐火物メーカー)。愛知製鋼の知多工場長がアイチセラテック(以下アイセラ)の社長になる場合が多いです。全体の構造を話すと、まず愛知製鋼が自社の工場に人を入れたいとアイセラに伝えます。アイセラ自体に人はいないので、(有)三築に人材を要請するわけです。

 この三築が偽装請負やいろいろ問題を起こした中心企業なのですが、ここには30数人しか従業員がいない。そこで三築の下請会社(07年当時13社=愛知製鋼から見れば三次下請)に労働者の提供を要請するんです。この下請会社の労働者が履歴書を持って愛知製鋼担当者と面接して採用がきまります」

重層的偽装請負と多重派遣の全体図。愛知製鋼→アイチセラテック(アイセラ)→三築→下請(協力)会社→労働者、という構図になっている。愛知製鋼が1人日当2万円出すと末端で働く人は9000円から1万2000円の賃金になっていた。契約関係がない労働者たちの人事異動を愛知製鋼が指示していた。

――すると、労働者→下請→三築→アイセラ→愛知製鋼と4段階、その先のトヨタ自動車まで入れれば5段階にもなる。まさにトヨタピラミッド・システム。その間に給料はピンハネされてしまいますよね。

「愛知製鋼は、朝8時から夕方5時までの勤務で1人につき平均1日2万円出しますが、人材を要請されたアイセラが7%(1400円)を自社に入れます。ということは、三築には1万8600円でおろし、三築は下請会社に1万6000円払う(昼勤務だけで2600円が三築の取り分)。実際に働く労働者はだいたい日当が1万2000円から9000円くらいでした。

 最初に面接するときは、愛知製鋼担当者・三築担当者・労働者が顔合わせして、あとは働く者が愛知製鋼の工場に直接出勤し、愛知製鋼社員の指示にしたがって仕事をします.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



愛知製鋼本社(事務本館)。同社は、安い労働力を確保するため長年にわたり偽装請負で利益を享受してきた。さすがに愛知労働局から複数回にわたって指導や立ち入り調査が入り、かつての状況は改善されている。現在進行中の裁判は、愛知製鋼の工場に労働者を送り込んでいた孫請け派遣業者が労働者に訴えられているのであり、愛知製鋼が訴えられているのではない。最大の利益享受者であるグループトップの愛知製鋼は無傷である。

愛知製鋼鍛造工場の門。内部では50度を超える暑さ(夏季)で多くの従業員が倒れ、すぐには救急車が呼ばれずに、倒れた人を工場の外に運び出すようなことが何度もあったという。また、フォークリフトによる事故なども起きていた。このような工場に240人が派遣されて契約書、健康保険、雇用保険などもないまま低賃金で働かされていた。

インタビューに応じた槻本氏や、派遣会社に解雇された従業員らが名古屋ふれあいユニオンに加入して以降、事態が動き出した。解雇された人たちは最高裁に上告して大変だが、かつては無権利状態でピンハネされていた労働者たちの多くが直接雇用や一次下請けからの派遣に替わり、保険関係も整備されるなど労働条件が向上した。

(上)槻本氏らを対象とした人員異動申請書。契約関係のない労働者たちの異動を愛知製鋼が承認しているのはおかしい。実際に指揮していた証拠。請負できている人たちを直接指揮監督していることにもなる。(下)も同種のものである。

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