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証券アナリスト=日本株を裏で動かす高給激務な「記者+コンサル」

情報提供
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A:優良職種
(仕事4.5、生活2.7、対価5.0)
 JPモルガン証券出身の勝間和代、藤原紀香と噂になったUBS証券の乾牧夫でも知られる、証券アナリストという仕事。特に「セルサイド」と言われる証券会社に所属するアナリストは花形職種で、ランキング上位は年収5千万円を超え、「フェラーリやマセラッティなどを持ってる人が職場に普通にいる」(外資証券アナリスト)という、成金趣味も多い、高収入の実力世界だ。企業横断のプロフェッショナル職種として確立しているものの、近年はグローバルの中での日本株の地位低下でリストラも進み、“アベノミクス効果”で一時的に好景気となってはいるが、中長期トレンドとしては、生き残りをかけた厳しさが増しているという。
Digest
  • 記者+コンサルな仕事
  • ブローカーズポイントでランキング評価される
  • 成果がないシニアは1年でクビ
  • 個人名のランキングが社内に貼り出される外資
  • 日本の証券会社は広島カープ
  • バイサイドに転職できれば「勝ち組」
  • 会計事務所やメガバンク出身者も
  • 日本株専任→「日本株+アジア株」に
  • 社内外から常に評価され続ける
  • 豪邸が建つほどには稼げない
  • 7~22時まで勤務が普通
  • リテール中心の日系、機関投資家向けの外資

記者+コンサルな仕事

セルサイドアナリストとは、証券会社に在籍し、担当企業を取材し、決算説明会に出席し、業績を独自に分析し、株価の見通しとその根拠をリポートにまとめ、どの株を売買すべきかを、機関投資家向けにアドバイス(プレゼン)するのが主な仕事だ。

直接、売買契約を貰うわけではなく、情報提供のみ(機関投資家営業が別にいて、同行することも多い)。この点では医者に医療情報の提供だけを行うMRに似ている。取材してリポートを書く点では産業・証券記者に似ており、投資アイデアを考えプレゼンする点ではコンサルタントに似ている。

1人あたり主に10~20社をカバーし、四半期ごとの決算発表当日にアナリストリポートを書く。決算発表後の説明会にも欠かさず出席し、ここでも内容に応じてリポートを書く。アナリストリポートは、文章としてはA4サイズ2~3枚程度で、グラフや図表類をつける。決算期でなくても書くので、平均すると、1人で月10~20本ほど、多い人で年100本ほどを書き、顧客に送る。

アナリストリポートは、個人名で書く。世間の流れと逆のことを述べたり、他の人が持っていない切り口で書くと目立って読まれるが、ほとんどは読み流される。元々その業界にいた技術者が、エンジニアとしての専門的な視点で書くなどしない限り、なかなか差別化できないという。

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アナリストリポート。これは日興コーディアル証券のもの。

リポートには通常、「Sell(売り)、Hold(中立)、Buy(買い)」といった5段階程度での、売買の推奨、および目標株価も示される。売り推奨を出すと、出入り禁止にされる会社もある。「自分は、リポートで『売り』をつけるのは、10本に1本くらいだけでした」(日系準大手証券の元アナリスト)

このリポートをもとに、プレゼン資料を作って、顧客先に、投資アイデアの説明に行く。「バイサイドアナリスト」とは、このプレゼンを聞く側の、顧客企業に所属する証券アナリストのことだ。

「私の場合、顧客企業は、ヘッジファンド、日本の機関投資家(日本生命など)、海外の大口機関投資家(フィデリティ投信など)で、3分の1ずつ、というイメージ。顧客企業に所属するバイサイドアナリストやポートフォリオマネージャー、ファンドマネージャーらが、実際に説明に行く相手です」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券のアナリスト)

このプレゼンが勝負の世界なのだという。「一回、コイツはダメだな、と思われたら、次から呼んでもらえなくなるからです。特にヘッジファンドはシビアに見ているので気合を入れて臨む。私の場合、2~3割がヘッジファンドで、残りが日本系でした」(日系準大手証券の元アナリスト)

大和投信や日本生命など日系の機関投資家は、基本的にBuy&Holdなので、Buyのアイデアを求められる。かつ、サラリーマンなのでのんびりしているという。一方、『セルのアイデアを教えて』と言ってくることがあるのが、ヘッジファンド。こちらは殺気立っているので

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企業の枠を超えた証券アナリストのキャリアパスと報酬水準

モルスタアナリストの年俸(30歳前後)

上:日系準大手証券の元アナリスト(30歳前後)の給与明細。下:ボーナス明細。年間ではこれが夏冬で約2倍になるイメージ。アナリストランキングの10位以内に入ると、このように報奨金もつく。

評価詳細&根拠

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