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3年で半分辞める「契約書なき労働者」、長時間・高密度な“ローファーム弁護士”の厳しい職場
Baa:優良予備軍
(仕事5.0、生活2.0、対価4.6)

 

 

 


 2013年に新規法曹を2千人にした後も年2千人を維持した場合、弁護士人口はどうなるのか――という将来予測が『弁護士白書2012年度版』にある。そして実際、2013年の司法試験合格者数は2049人と発表された。予測では、10年後に約1万4千人増えて4万7千人、20年後に6万1千人を突破し、現状の約2倍に。弁護士はやっと国民にとって身近な存在となりそうだ。だが机上の勉強ばかりで営業センスが欠落した集団である弁護士に需要の掘り起こしができるとは思えず、供給過多から「下層」が増加し、格差拡大の可能性が高い。今回は「上層」の典型である規模上位の事務所で働く典型的な“ローファーム弁護士”(いわゆるブル弁=ブルジョア弁護士)に、現場の実情を語って貰った。

【Digest】
◇進む大規模化、コンサルファーム化、サラリーマン化
◇けっこう年功序列的
◇評価ポイントは、パートナーにとっての「使いやすさ」
◇内定は、2年目夏のインターンで決まっている
◇独立性高いファイナンス
◇「これ負けたら潰れちゃうんです」深刻さやゲーム的要素も
◇「流行り」で決まっちゃう専門分野
◇トータルなビジネス感覚が必要、裁判は1枚のカード
◇5~7割が海外ロースクール留学へ
◇新規開拓ができないとツラくなる
◇「労働者」ではないが…「訴えたら勝てるよね」
◇ぶっちゃけ「弁護士というブランドが欲しかった」が多い
◇30代アソシエイト、17時間労働が普通な1日
◇通常勤務で子育てとの両立は無理
◇弁護士とCAの合コンは本当に多い

◇進む大規模化、コンサルファーム化、サラリーマン化
 同白書によれば、司法試験合格者を増やし、弁護士総数が1.7倍となった過去10年間で、事務所の大規模化が急速に進み、1人事務所で働く弁護士の比率は45%(8525人)→25%(8310人)に20ポイント下がった。

司法制度改革の結果、急増を遂げた弁護士数。特に女性が増加が顕著(『弁護士白書2012年度版』より)
 理由としては、①新司法試験で激増した新規の有資格者が既存事務所に吸収されたまま独立には至っていない、②弁護士業界にやっと競争原理が持ち込まれ、シェアドサービス化(オフィスコスト、秘書や若手弁護士の人件費、判例データベース、書籍などを共有)で経営効率を上げる必要に迫られた、などが考えられる。

 一方で、もっともシェアを増やしたのが、10年前は1.3%に過ぎなかった100人超の大規模ファーム勤務者で、2012年は6.2%を占めるまでになった。

同白書によれば、現在、事務所規模別の弁護士数と全体に占める比率は、以下の通りである(2012年3月末)。大手:100人以上=6.2%、準大手50~100人=1.3%、中堅:20~50人=5.8%、中小:6~20人=25.3%、小規模:3~5人=23.9%、個人事務所:1~2人=40.6%。

 つまり、この10年の最大の変化は、事務所の大規模化、弁護士のサラリーマン化、といえる。50人以上の弁護士が勤務する準大手以上の大規模事務所で働く弁護士の数は、全32,088人のうちの7.5%(大手+準大手)を占めるようになり、これは実数で言うと、10年で3.5倍(688→2,422人)にまで激増したのである。参考:弁護士数ランキング

 こうした大規模ファームは、債務整理・過払い請求を中心に急成長した「アディーレ」「ベリーベスト」のような新興カタカナ系事務所(このあたり不動産業界に似ている)を除き、法人向けに特化した会社がほとんどだ。料金も「着手金+成功報酬」ではなく、「弁護士1人1時間いくら」のタイムチャージ方式が多く、一般の個人客から見るとかなり高額な水準が設定されている。

 つまり、ビジネスモデルとしては、Mckinseyをはじめとする戦略系コンサル会社の法律版みたいなものと考えてよい。「弁護士事務所のコンサルファーム化」である。

 では、最近のトレンドとなった大規模ファームで働く弁護士は、どのような労働実態なのか。その典型例ともいえる、大手・準大手ファームで働く30代弁護士に話を聞いた。上位30社のなかの1つであるが、事務所名は匿名とする(人数が少ないため事務所名を出すと特定されやすく、本当のことを話せなくなる)。


 「弁護士業務の経済的基盤調査」(同白書より)によれば、弁護士の収入の中央値は、2000年の2800万円→2010年の2112万円に、大幅に下がった。しかも、2000年が弁護士活動に限定した収入であるのに対し、2010年は不動産収入等も含めての収入だというから、純粋な弁護士としての収入は、さらに下がっていることになる。

 同調査による「弁護士としての将来性に対する満足度」(2010年)というアンケートでは、「満足」29%に対して「不満」25.9%、「どちらともいえない」45.1%で、「満足」な弁護士が3割弱しかいない。これは「司法試験合格=資格=身分」であった過去に比べ、既得権が改革された証と見ることができる。

 資格自体が将来を約束してくれるとなれば公務員と同じで「お役所仕事」となり、競争も努力も研鑽も不要だから、退廃は免れない。今後は、法律の専門家としてどの分野でキャリアを積み世の中に付加価値を提供する(つまり稼ぐ)かは自分次第ということになり、弁護士という職業のあり方として正常化しつつあると言ってよい。

◇けっこう年功序列的
準大手の30代アソシエイトにじっくり話を聞いた
 10年前は、大手だと、新卒でも最低1000万円からスタート、と言われていましたが、新試験が導入され弁護士が供給過多となったことで、全体的な水準が下がりつつあるのは確かです。現在では、4大事務所でも1000万円以下からということもあると聞いております。

 なお、入社前の、司法修習期間中(新司法試験合格後の1年間)は年収300万円程度ですが返済義務があるため、ようは働き始める前に、借金を作らされる仕組みになっています。

 ロースクールの学費を奨学金でまかなっている場合には、さらに借金がふくれあがることになります。

 就職後は、全て固定給、という事務所もありますが、インセンティブ分が年俸の2分の1~3分の1に及ぶ事務所も多いです。会社業績と個人業績に応じて、若手でも年間で100万円くらいは上下します。

 ただ、驚くべきことに、外資金融のように1年ごとに年俸を提示されて正式な労働契約を結ぶということは全くなく、法律事務所のくせに、かなり曖昧で日本的な「空気を読む」世界になっているという。

 実は、一部の事務所をのぞいて、正式な契約書の類は、何もないんです。実際、自分がいま、基準年俸いくらで働いているのかも、正式な額はよくわからない。毎月の振込額を見て、ボーナス額を見て、源泉徴収票を貰って、あとから確認できる、というだけ。

30代中堅アソシエイトの年収
 これは自治体(区)から送られてくる住民税額を知らせる通知ですが、こういう書類で、自分の給与収入が最終的にわかります。

 この私の年収は、大手・準大手の30代シニアアソシエイトのなかでは平均的なものではないでしょうか(左記参照)。

 なんとなく「大手・準大手の相場」みたいなのがあって、新人は800~900万円くらいから始まって、年功序列的に、1年ごとに年収が、たとえば100万円前後ずつ上がっていくイメージです。

 3、4年目までが「ジュニア・アソシエイト」。労働時間的にブラック職場なので、上位30社くらいでは、3年目までの同期入社組が半分くらい辞めることもあります。

 この段階では自分から辞めていくケースが多いですが、仕事がデキなくて切られる人もいます。厳しい世界なので、まともに受け止めていると精神的に追い詰められて鬱になるようなこともあり、少し鈍感なくらいの人のほうが向いているかもしれません。

大手・準大手のファームにおけるキャリアパスと報酬水準
 社内ランクは、ジュニアアソシエイト→シニアアソシエイト→ジュニアパートナー→シニアパートナー(→エクイティーパートナー)、の5段階。これは業界全体で、ほぼ共通言語として通用します。

 ジュニアとシニアで階段式に明確に給料に差があるわけではなくて、単に社歴が3年未満だとジュニア、という感じで、これは業界慣習的なものです。

 最速25歳程度で入社しますが、切られず、辞めなければ、30歳シニアアソシエイトの年収としては、.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



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