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ハウス食品が契約社員89人を一斉解雇、無期雇用への転換を阻止 「ゴミの分別のように切り捨てるな」とユニオン結成

情報提供
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契約社員らは、解雇された翌日の朝に抗議活動を始めた。ハウス食品本社にちかいJR四ツ谷駅でビラをまく人たち。
 この10月に創業100周年を迎えたハウス食品は持ち株会社体制に移行したが、それに合わせるかのように9月30日、営業担当の契約社員89人全員を一斉に雇止めした。ほとんどは「定年まで働けますよ」との言葉を信じ10年、20年と責任を持って働いてきた女性従業員だ。4月1日施行の改正労働契約法では、通算5年の契約期間がすぎた労働者は契約期間の定めのない無期契約転換を申し込める権利を得た。この動きが具体化するのを阻止するため、改正法施行直前の3月27日~29日に同社は急遽説明会を開き、契約不更新つきの契約書を4月1日必着で出せ、と突然の最後通牒をつきつけた。これに対して「ゴミの分別のように切り捨てるのは許せない」と、契約社員はハウス食品ユニオンを結成し、解雇撤回を迫る行動を開始。解雇されてしまった契約社員7名に、事のてん末を聞いた。
Digest
  • 「89名の人生設計は狂った」
  • ハウス食品は「不更新条項」を示さず押印を強要
  • こまめな営業と気遣いの店舗フォローという仕事
  • 金曜日に説明し「月曜日までにハンコを押して書類を出せ」
  • 「定年まで働ける」と言われていたのに 

「89名の人生設計は狂った」

 89人の契約社員が一斉に雇止めされた翌10月1日朝8時15分、ハウス食品本社に近いJR四谷駅に、解雇された人たち十数人が集まった。
「責任と誇りを持って働いてきたのが報われない、契約期限が切れたから、の一言で営業の最先端の契約社員が一斉に雇い止めとなりました。こんなことは許せません」

 雇止めされた契約社員は、次々にマイクをとり途行く人に訴えビラを配った。しばらく訴えた後、近くにあるハウス食品本社に全員が向かった。道すがら、勤続13年の三枝さん(44歳)が、つぶやいた。
「本社の食堂がガラス張りで、これから会社の前で抗議する私たちが丸見え、どんなふうに見えるのか、昨日まで働いていたのにへんな気分です、いやだな」

つい最近まで、労働争議の渦中に自分が入り込むなど夢にも思わなかったし、14時間前(終業時刻の前日午後6時15分)まで社員だったのだから、困惑し不安に思うのは当然だろう。

 ハウス食品本社前に到着すると、勤続20年を超えるベテラン契約社員のAさんが社屋に向かって話し始めた。
「ゴミの分別のように契約終了と言われ、私たちはすべてを失いました。何の保障もありません。一生懸命に仕事をしてきた私たちに対して、どういう気持ちで切り捨てるのですか。

定年まで働けると信じて長い間頑張っていた。私たち契約社員89人をハウス食品は一斉解雇。89人の人生設計は狂ってしまった・・・」

  勤続11年目を迎えた岡田英子さん(54歳)もマイクを手にした。
「3月末に突然呼び出されて会社内で話を聞き、4月1日までにハンコを押せと言われ、頭が真っ白になりました。電話やメールで早くハンコを押せと責め立てられたのです。これまでの団体交渉のなかで社長は、私たちの業務はいらない、経費がかかるというのです。私たちの気持ちをわかってほしい」

話を聞いていると、切羽詰まっている様子がうかがえる。解雇された89人のうち25人で結成したハウス食品ユニオン(派遣ユニオン・ハウス食品支部)の組合窓口になっている派遣ユニオンの関根秀一郎書記長も一緒に抗議活動していた。

 雇止め撤回の申入れと抗議をするため、関根書記長を先頭に10数人が社屋正面入り口に向かうと、社員2名が立ちはだかった。
  関根 「団交の要求と抗議書を渡しに来ました」
  社員 「ここで受け取ります」
  関根 「ここでですか? 建物の外の、ここでですか?」
  社員 「・・・用意してないもので」

 関根 「では受付に」

切迫感と気迫を持った十数人が、さっと一階ロビー内に入る。関根氏が受け付けで「抗議及び団体交渉申入書」を渡そうとすると、担当者が出てきたので、みんなが見守るなかで、文面を読み上げ手渡した。

 本格的な争議行動の開始である。

ハウス食品は「不更新条項」を示さず押印を強要

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ハウス食品本社前で抗議する解雇された人。
 なぜこのような事態になったのか。これまでの流れを派遣ユニオンの関根秀一郎書記長に説明してもらう。
「労働契約法が改正され、通算5年の契約期間を過ぎた労働者には、無期契約に転換する権利が付与されました。

一部の企業はこれを回避するために長年働いてきた有期雇用の労働者を雇止めする動きが拡がっており、ユニオンに次々と相談が持ちかけられています」

マイニュースジャパンでも報告した通り、早稲田大学が非常勤講師を5年で一律雇止めにする就業規程を強行したり、㈱シャノアール(カフェ・ベローチェ)がパート従業員を通算4年上限で雇止めするなどの動きが広まっており、ハウス食品の今回の動きも同じ流れにある。

「こうしたなかでハウス食品は昨日9月30日をもって89名の契約社員が一斉に切り捨てられました。ほとんどが店舗フォロー業務に従事していました。この店舗フォロー業務というのは、

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会社側が示した契約書。11項目目に2013年9月30日をもって以後契約を更新しないとされている。営業所によっては金曜日にこれを示し、月曜日に提出しろと契約社員に迫った。

雇止め条項入りの契約書を出す代わりに「労働契約申込書」を提出した

解雇された89人のうち25名が派遣ユニオン・ハウス食品支部(通称・ハウス食品ユニオン)を結成した。

最初に示された不更新条項付の契約書を出さなくても2013年5月1日以降も働ける、と「雇用契約通知書」を送ってきた。しかし、10月1日以降の雇用を保証するものではない、と書いてある。

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