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ピーク時から年収35%減!「リストラ対象外」のバブル期採用社員が語る、シャープ崩壊の原因と若手流出、転職市場での扱い
四半世紀をシャープで過ごしている社員。「他でもやっていけるような若手社員の多くは、今でもやめていく人が後を絶ちません」

 過去2回のリストラで、40代以上の中高年ばかり6千人強を削減し、ホンハイ(鴻海精密工業)の郭台銘(かくたいめい=テリー・ゴウ)会長から、次なるリストラ宣告を受けているシャープ社員たち。ただ、それ以上の勢いで若手社員が流出していることが、有価証券報告書から明らかになった。若返りを図った中高年リストラ2回を経た4年間で、2012年3月期末=平均年齢41.9歳(単体21,538人の平均)→2016年3月末=平均年齢43.4歳(単体14,544人の平均)と、逆に1.5歳も老化が進んでしまったのだ。この期に及んで来春入社の新卒採用を進めている裏では、「もはや『辞められない人』しか残っていない」とも言われる寂しい現実がある。創業104年で外資となった今、終身雇用を含む経営信条「誠意と創意」はどう運用されていくのか。シャープ転落の原因と中高年社員の現実について、希望退職対象外とされた(つまり戦力とみなされている)ベテラン社員にじっくり聞いた。

【Digest】
◇会社に拒否権がある「疑似」の希望退職制度
◇転職活動の実情「700はしんどい」「選ばなければある」
◇若い人がゾロゾロ辞め、平均年収が2年で101万円もアップ!
◇シャープの新報酬制度(2016年4月~)
◇失敗の原因①:経営信条「誠意」に反した評価基準
◇失敗の原因②:社是に基づく「和」、ぬるま湯カルチャー
◇失敗の原因③:天狗、慢心のツケ
◇「創意」のない液晶に集中
◇歯抜け感、どんより重苦しい空気
◇社員の人がら「マジメで大人しい」


◇会社に拒否権がある「疑似」の希望退職制度
 シャープには、鴻海ナンバー2の戴正呉(副総裁)が、次期社長として送り込まれることが決まっており、戴氏は(2012年夏、2015年夏に続く)3回目のリストラを示唆しています。条件面では、1回目より2回目が厳しいものとなりましたが、当然、3回目をやる際も、前回の手法や条件は考慮されるでしょう。

 シャープは2015年夏、2012年に続いて2回目の希望退職募集による人員削減を行った。対象は45~59歳で、割り増し退職金が出る。7月27日に希望退職者の募集を開始し、8月4日に終え、退職日は2015年9月末。応募者は3,234人だった、と発表された。

 流れとしては、まず、事業所ごとに大部屋で、対象者(つまり45歳以上)全員が集められ、全体的な説明会がありました。7月に入ってからのことです。次に、対象者は全員、経営職(所長、副/正事業部長クラス)との個別面談がセットされました。部長よりも上位の経営層が担当した理由は、職場のモチベーション維持に影響があるため、だそうです。

 面談では、応募した際の条件面が記された書類が示され、「ここで話したことは口外しないように」と口止めもされました。ボイスレコーダーについての注意もあり、録音してもよいが公開はしないように、とのことでした。かなり面談のマニュアルがきっちり行き届いているようです。

 私の場合は、通常の退職金に加えて、「約1500万円が割増になる」といった内容が記されていました。合計では、手取り3千万円くらいになる計算です。ただし、応募できるのは「会社が認めた者」と書いてあり、そして、「あなたは辞めないで下さい、応募しても認められません」と言われました。つまり、会社側が拒否権を行使するため、私が応募しても、その金額は、書いてあるのに貰えない、というのです。

 1回目の希望退職では、この面談が何度も続いた人がいました。私が以前に所属していた部署の50歳過ぎの知り合いは、何度か面談をして、最終的に応募して退職しました。

 今回は、同僚らの話によると、実は3種類に分けられていたことがわかりました。①「辞めてほしい人」②「どっちでもいい人」③「辞めてほしくない人」。私は、割増退職金は出ない③に分類されていたのです。

 分類の基準はわかりませんが、辞めている人をみると、①に入った人は、退職金の割増率が一番高い50歳前後、毎年の査定が低い、管理職になっていない、管理職だけど部下がおらず給料だけは高い、などでしょう。

 未練があるような口ぶりで、ご本人は辞めたくなかったんだろうな、という管理職も身近にいました。何度も面談がセットされて説得された、という報道もありましたから、事実上の指名解雇に近いケースがあったと思います。

 希望退職募集といいながら希望しても退職できないのはアンフェアだと思いますが、労働組合はいわゆる御用組合で経営側の言いなりですから、争った形跡はありません(組合費は月7千円ほど徴収されています)。

 製品設計関連の部長が、希望退職の面談を部下としていて、その部下は「辞めないでほしい」という分類だったので、部長から「一緒に頑張りましょう」と言われたそうなのですが、直後に、その部長自身が辞めてしまった、という話もあります。「なんやったんやろ、あれは」と言っていました。

 私が去年、出勤していた大部屋のメンバーは、平均年齢が高かったこともあり、約100人のうち、3割ほどがごそっといなくなりました。希望退職に加え、5~10人は自主的に辞めたようです。

 2012年の1回目は目標の1.5倍にあたる2,960人が応募した。2015年の2回目は当初、3,500人の応募を目標としていたが、既に辞める気がある人は1回目で応募していたためか、2回目は計画数を下回る3,234人にとどまった。

 1回目の希望退職募集と比べると、2回目のほうが割増の条件が少し下がった、そして強制度合も高まった、と聞きました。

 「会社が認めた人にしか払わない」という条項については、会社としても目標人数があるので、私が交渉して、無理やり認めさせて辞める、という手もあったかもしれません。ただ、辞めるとなったら妻にも理解して貰わなければいけない。そこまでシャープが追い詰められているという状況については、妻にいきなり説明しても分からないので、私も動くことができず、転職活動も間に合いませんでした。

 シャープが、本格的に自力再建が不可能とみられるようになったのは、昨年(2015年)末ごろからだ。希望退職で3千人以上が9月に辞めてもなお、巨額の負債を自力では返せないことが明らかになり、産業革新機構と鴻海の二択になったことが繰り返し報道された。結果的に、機構案に比べると、鴻海案のほうが、短期的な社員個人への影響は、しんどいものとなりそうだ。

 今のシャープは、「辞められない人」しか残っていない会社だと思っていただければ、想像つくと思います。イエスマン、意気地なしで、辞められなかった人ばかり。あとは、現実が分かっておらず鴻海を信じている人も、少しはいます。

 テリー・ゴウのメッセージによると、3回目がありますから、そこで応募して辞められるように、現在は転職活動をしています。6月中に契約完了して正式に子会社化、夏に募集をかけて10月でクビを切るという流れになるかもしれません。その際には、対象外でも、「辞めさせてくれ」と言うつもりです。

◇転職活動の実情「700はしんどい」「選ばなければある」
 転職活動は始めていますが、厳しいです。日本電産とアイリスオーヤマがシャープ狙い撃ちで、社内に“シャープ社員採用チーム”を作って積極採用している、という話は、転職エージェントから聞きました。

 日本電産へは、元社長の片山幹雄氏が副会長として移籍。元常務執行役員の広部俊彦氏も子会社の取締役に移籍。テレビ部門トップだった毛利雅之氏も移籍して執行役員に。元副社長の大西徹夫氏も顧問として移籍。永守重信会長は「部長級の採用が100人を超えた」「300人くらい採用したい」と2016年4月25日に発言している。

 私の知り合いも1人、スマホを手掛けていて、ゴールデンウィーク明けに、日本電産に移籍しました。いわゆるインダストリー4.0関連の部署に配属されるそうです。ほかにも、液晶の開発拠点でもある天理工場関連の知り合いが、電産に移籍しています。確かに100人規模で、山のように行っている。ただ、片山さんはじめ移籍した有力者の元部下や、電産が手掛けるモーター開発に応用が利くような技術者などが中心で、私のキャリアとは合致しないんです。

 アイリスの場合は、かなり採りたい人が明確で、.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



ピーク時から35%下落した年収。転職先は「選ばなければあるが…」
2008年と2016年の春闘結果
シャープのキャリアパスと報酬水準
2016年4月~管理職クラスの新人事処遇制度(上2枚)と、一般社員層の人事制度改定の方向性(下1枚)
50歳前後・主事(管理職の一歩手前)の給与明細

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    23:58 06/29 2016
中高年のリストラしているのに社内平均年齢が上がってしまう・・これはもうアカンね。鴻海の深センでの子会社フォックスコンのような運命が待ち受けている予感。