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除草剤『ラウンドアップ』320億円発がん訴訟、モンサント社に勝訴した理由はこれだ!
モンサント社を相手に320億円の損害賠償を勝ち取ったリー・ジョンソン氏 原告側弁護士のHPより

 アメリカ・カリフォルニア州で先月(8月10日)、除草剤『ラウンドアップ』の使用によって悪性リンパ腫を発症したのか否かを争った裁判があり、被告モンサント社に対して約2億9000万ドル(320億円相当)の損害賠償金の支払いを命じる評決が下された。化学物質被害の裁判では日米間で雲泥の差があり、日本では、たばこによる肺がんの訴えにおいても認められていないのが現状。日米の裁判制度に詳しい弁護士によれば、日米の決定的な違いは、陪審員裁判制度と、徹底した証拠開示制度にある。当該訴訟において、陪審員がどのような証拠に基づいてラウンドアップの発がん被害を認めるに至ったのかを、原告側弁護士が開示している膨大な資料より整理し、被害者救済を進めるために必要な日本の裁判制度の改善点を探った。

【Digest】
◇全員一致の評決だった
◇陪審員裁判と社内資料証拠開示制度がカギ
◇陪審員に求められる判断は50.1%以上のもっともらしさ
◇モンサント社員の論文ゴーストライター疑惑
◇被害者の問い合わせを無視し続けたため症状悪化
◇加害企業に有利な日本

◇全員一致の評決だった
 この訴訟は、外国での報道に比べ、日本ではAFPニュースくらいで、あまり大きく報道されていない。

 敗訴したモンサント社は判決に不服で上告すると言っている。日本モンサント社のホームページでは、「陪審員の理解が間違っている」「原告弁護士は科学では勝てないと思っているから、事実を歪曲し陪審員をあおっている」と反論しているが、肝心の根拠を示していないため負け犬の遠吠え的にしか聞こえない。

 まず原告(被害者)リー・ジョンソン氏の被害をまとめると、ジョンソン氏は、2012年にカリフォルニア州のベネシアユナイテッド学校区の校庭管理員として、校庭やグラウンドで除草剤『ラウンドアップ』の定期的散布を開始した。

 定期的な散布に伴う慢性的なばく露に加え、2013年には一度、散布中に薬剤タンクのホースが外れ、全身に除草剤を浴びるなどの大量ばく露事故も経験。除草剤散布を開始して2年後に皮膚の発疹が見つかり、その後の検査で、がんの一種である皮膚のリンパ腫(菌状息肉腫)、と診断された。

 ジョンソン氏は、モンサント社に対して、自身の発がんがラウンドアップによるものではないか、とモンサント社に対して2度の問合せを行った。モンサント社は後日、回答すると約束したものの、結局、回答をしなかった。

 ジョンソン氏はその間もラウンドアップの散布を2年以上継続したため症状がさらに悪化した。そして2016年1月、モンサント社に対して訴訟を起こした。

 裁判は2018年の7月9日から8月10日の1か月、陪審員裁判で行われ、8月10日に陪審員は全員一致で、ジョンソン氏のガンが、除草剤『ラウンドアップ』が主要な原因で起こり、モンサント社が発がん性について警告をしていなかったばかりでなく、悪意を持って隠していたという点で、実際の損害賠償に加え、懲罰的損害賠償も認め、およそ2億90000万ドル(日本円で約320億円)の支払いを命じる評決を下した。

 320億円という膨大な損害賠償金額にまずは驚かせれるが、それ以外にも今回のような化学物質による健康被害などの損害賠償訴訟については、日米で大きな違いがある。

 その違いについて、日本での化学物質被害の損害賠償事件の経験も多く、またアメリカの法制度にも詳しい、中下裕子弁護士に話を聞いた。

◇陪審員裁判と社内資料証拠開示制度がカギ
日米の損害賠償訴訟に詳しい中下裕子弁護士
 ――まず、賠償金320億円という破格な額に驚かされるわけですが?

 中下裕子氏「アメリカでは、懲罰的損害賠償が認められている点が日本との大きな違いですね」

 ――懲罰的損害賠償というのはなんでしょうか?

 「加害者の企業の不法行為に悪意があったと認められた場合に、懲罰と将来の同様の行為を抑止する目的で、実際の損害の賠償に上乗せして支払うことを命じられる賠償のことです。イギリスやアメリカの法制度で認められていますが、実際にやっているのはアメリカだけだと思います」

 ――今回の裁判では、被害者の実際の損害額は「約43億万円(3920万ドル)」と算定されましたが、懲罰的損害賠償額が6倍以上の「275億円(2億5千万ドル)」にもなっています。原告の弁護士の話では、さらに同じようなガン被害者で告訴準備の人達が4000人いる、とのことです。

 「アメリカでも確か、アスベスト被害の事件で、賠償金額が高額になりすぎて倒産した会社もありましたよね。日本では考えられない話ですが。」
 ※ジョンズ・マンビル社など

 ――日本では認められていないのでしょうか?

 「日本では、民法やPL法で定める損害賠償は実際の損害だけにしか賠償は求められません。慰謝料は別に認められますが非常に限定的で、裁判では原告の請求額よりも削られるのが普通です。

 いま日本では交通事故による死亡事故でも損害額は1億円行くか行かないかくらいです。安いと思いますけど。日本で懲罰的損害賠償を認めさせるには、民法などの法律改正が必要です.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



民事の陪審員裁判で、陪審員に求めらえるのは50.1%を超える確実性
米陪審員裁判の「ディスカバリー」制度で出てきた疑惑の社内メール資料
被害者ジョンソン氏の除草剤散布とがん発症の時系列

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植田武智  16:16 11/06 2018
会員
筆者  14:36 10/10 2018
会員
海賊版サイト「漫画村」の運営者を特定したのも、モンサント社の社内資料開示させたのとの同じ、アメリカの民事訴訟の紹介開示制度「ディスカバリー」。アメリカで訴訟を起こした方がスピーディ。 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181010-00010002-bfj-sci
低周波の健康被害  22:20 09/26 2018
アメリカでは、エコキュートが普及しているだろうか?日本の住宅街では深夜に低周波音が鳴り響いているが、TV番組で話題にすら取り上げられないだろう。アメリカだったら大問題になっていることでしょう。アメリカで問題になったら、日本でも話題にされるのだろうか?広告費が多いからということで見て見ぬ振りされるかもしれない。