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『くら寿司』の無添加表示はイカサマ認定 ホンモノ無添加/イカサマ無添加を見抜くコツ――「丁寧回答」で高評価のマクドナルド

情報提供
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無添くら寿司の店舗に張ってある無添加表示。ガリまで無添加、とある。嘘でないなら、消費者からの問合せに説明責任を果たすはずだが…
 法律の不備で明確な表示ルールがないなか、「無添加」を強調する食品が増え混乱を招いている。四大添加物無添加を謳う『無添くら寿司』に「どのメニューに使われていた添加物を無添加にしたのか?代替物は使っていないか?」などを質問したところ、さんざん待たせたあげく「回答できない」という不誠実な全拒否対応だった。店名にまで「無添」と冠しながら説明ゼロで逃げ回る不自然な態度から、無添加の嘘が濃厚となった。一方、パテの「100%無添加ビーフ」などを謳うマクドナルドは具体的な回答を示し、他社のパテには、つなぎの成分や調味料が使用されているものがあることが確認できたことから、ホンモノ無添加表示と認定。その他、「合成保存料・合成着色料無添加」を謳うコンビニ3社のおにぎり表示も比較した。日本は「無添加表示食品」の法規制が無いため、消費者には、その真偽を見抜くスキルが要求される。3つのポイントを整理した。
Digest
  • 公的ルールが無い食品の「無添加」表示
  • ガリの保存料無添加はくら寿司のみだが
  • 無添くら寿司「回答は差し控える」
  • 100%無添加ビーフを謳うマクドナルドのこだわりは?
  • 大手ハンバーガーショップのパテ・卵のこだわり調査
  • 合成着色料・保存料無添加を謳う大手コンビニ3社おにぎり比較
  • 湖池屋「うま味調味料・香料無添加」ポテチはイカサマか?

公的ルールが無い食品の「無添加」表示

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現在の日本の食品表示法では、「無添加」表示に関する基準が存在しない。消費者庁が、左図のように加工食品品質表示基準Q&A集 表示基準Q&Aで一応のルールを示しているだけだ。

食品添加物について、無添加表示が適切である条件として、

1)何が無添加なのかを具体的に記載している

2)通常同種の製品には、一般的にその食品添加物が使用されている

をあげている。

これはQ&Aによる行政指導に過ぎない。実際の無添加表示食品を見ると、1)は概ね守られているが、2)は守られていないケースが多い。例えば、生鮮食品に近い寿司などには、そもそも合成保存料や合成着色料を使うことなど通常はないわけであるが、「無添加」と表示されていることがある。

また、業界団体である「日本食品添加物協会」の見解の中には、さらに「当該食品添加物と同一機能の成分が含まれていないこと」という条件がある。

これはどういう事例かというと、後で詳しく述べるが、「合成保存料無添加」と表示しているのに、代替添加物として日持ち向上剤「グリシン」(たしかに、合成保存料ではない)を添加していたり、「化学調味料無添加」と表示して酵母エキス(たしかに、化学調味料ではない)を添加していたりする場合だ。

そもそも食品添加物メーカーが「無添加表示」に反対するのは当然であって、消費者がそれに付き合う必要は全くないが、上記の条件は、消費者にとっても意味がある。

これら条件を参考に、消費者が無添加表示食品の妥当性をチェックするためのポイントを、以下3点にまとめた。

1)もともと他の同種の食品には添加されていること。したがって、無添加にするために、当該事業者はそれなりの努力を払っていること
2)無添加にする代わりに、同じ機能の別の成分が使われていないこと
3)以上の点についての問合せに対し、事業者が具体的に真摯な説明を行うこと

同じ無添加表示食品でも、スーパーやコンビニで販売されている加工食品には原材料表示があるので、注意深く読めば、その真偽をチェックすることは可能。だが外食チェーンの場合は、メニューの原材料が表示されない(表示義務がない)ので、一方的に店側の主張を信じるしか手段がない。無添加をうたう店側に説明責任が生じるのは当然だ。

そこで、まずはじめに調べたのが、四大添加物無添加を謳う『無添くら寿司』だ。化学調味料・人工甘味料・合成着色料・人工保存料の4つが無添加だと主張している。

なぜくら寿司にしたかというと、「寿司には、もともと添加物など使わないだろう」というツッコミが多かったためだ。

その一つが、元東京都立衛生研究所・西島基弘氏の「誰も知らない『無添加』のからくり」(青春新書2013年)。

「寿司店でも『無添加』をウリにしているところがありますが、そもそもネタやシャリに保存料や着色料など入れるはずがありません。~ きっとさび抜きの寿司しか出さない店なんだな、と皮肉の一つも言いたくなってしまいます」と書いてある。

『サンデー毎日』2016年7月17日号の記事「無添加食品は健康にいいはホントか?」では、青沼陽一郎氏も、「近頃は『無添加寿司』を看板に掲げた回転寿司チェーンまであるが、握りたてを頬張る寿司に『添加物』が加わることの方が疑問に思える」と書いている。

ガリの保存料無添加はくら寿司のみだが

ただこれらの指摘は、一概には「くら寿司」には当てはまらない。西島氏や青沼氏は、実際に『くら寿司』に行ったことが無いのかもしれないが、『くら寿司』のメニューには、寿司だけでなく、うどんやラーメン、牛丼、カレーなどもある。これらのメニューには一般的に化学調味料が使われるケースは多い。それらを無添加にしているのであれば意味があると言えるからだ。

また、ショウガのガリには、一般的に保存料が使われていると思われる。

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主な回転寿司チェーンでのガリへの号税保存料の有無

「思われる」という思い込みだけでは証拠不十分なので、実際に他の回転寿司屋にも聞いてみた結果が、右図だ

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大手ハンバーガーチェーンでのパティと卵の調査

3大コンビニチェーンのおにぎりの食品添加物比較

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加工でんぷん?2018/12/30 09:20
 2018/12/29 21:09
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