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東京都公立中学教師が語る、知られざる“クラス分けかるた”運用実態――「大M」「C」「MP」、小学校からの全員分申し送り情報も重視
教員免許取得に向けた勉強当時に使っていた学習指導要領とインタビュイー(若手教員)。なお記事中の、若手教員=30歳前後、中堅教員=40歳前後、ベテラン教員=50歳前後、である。

 価値観の多様化が進んだ時代に、そもそも何の共通点もない「ただその学校の周辺に住んでいた同学年うまれ」という共通点だけを持つ子どもたちを、同じ校舎に無理やり集めて複数クラスに編成し、毎日の通学を強制するのが、日本の公立中学校だ。生徒に選択の自由もなければ学校の新規参入もなく競争がない。生徒が教育方針や理念・校風に共感して選んだわけでもなく、強制的に義務教育で通学する子がほとんど。となると、トラブルを未然に防ぐための知恵が必要となる。「私もこの業界に入って初めて知りましたが、暗黙の了解で、どの中学校でも同じ手法と隠語で、いわゆる“クラス分けかるた”をやっています」(中堅教員)。そのノウハウからは、人間が集まると何が起こり、トラブルをどう管理すべきかという、人間集団の機微、組織の本質が見えてくるのだった。

【Digest】
◇小学校からの「申し送り」とは
◇「クラス分けかるた」に記されるマーク
◇大Mの多くは家庭が原因
◇CとMPがセットで出現
◇文京区は45%も私立国立中に進学する「都内格差」
◇子どもに人気だが倍率は3.3倍に低下
◇英語教員「英検準一級」でOK、ライティング試験なし
◇満期6年、島しょ部含め都内610校どこにでも異動
◇足立区は墓場、葛飾・江戸川への異動も通りやすい
◇教科によって授業量は異なるが給与は同じ
◇公立ならではの「道徳・総合・特別」
◇やりがい「嘘のないやりとり」「驚くほどの変容」…
◇内申点「説明できれば自由に決めてよい」運用実態
◇全員100点でも全員5にならない――内申「相対評価」の闇
◇都立高の推薦は内申オール5でも落ちる
◇辞められなくなる…公立教員のキャリア
◇現場に負荷かけるイベントが校長の得点に
◇自分の意志で転職「見たことない」


◇小学校からの「申し送り」とは
 一般には知られていないが、公立中学校には、小学校時代の情報が、いわゆる通信簿の学業成績だけでなく、アナログの「注意コメント」つきで、勝手に申し送りされている。

 「内容は、基本的に『良くないこと』がほとんどです。この生徒は、指導されたときに、こういう問題ある態度をとったというエピソードや、小学校時代に起こした事件の内容、その背景にある家庭環境、経済状況などです」(中堅教員)。問題なければOKなわけで、注意事項となると、当然、生徒と親のネガティブ情報になるわけだ。

 申し送りは、必ずしもクラス分けのためだけに使用される情報ではなく、適切に教育指導していくために必要な、いわば裏管理のアナログ情報で、全員分が存在するが、プライバシーの塊だから開示されることはない。そこには、生徒どうし、親どうしの、相性や人間関係も記されている。

 「この生徒は誰々とトラブルになった、親どうしでのいざこざがあったから3年間、離したほうがいい、この生徒の親は虚言を吐くクセがある、この生徒は文字に対する認識が弱い、目立ちたがり屋だ、など。もちろん、何事も積極的にやる、など『良いこと』が書かれていたり、何も書かれていない人も一部にいます」(中堅教員)

 同じ区立の学校どうしとはいえ、説明も許可もなく個人情報を流すのはどうかと思うが、学校運営上、必要不可欠な情報共有であることは誰も否定できないだろう。学業(通知表の評価)の情報も共有されるが、こちらは中学校に入ってからの定期テスト結果のほうが正確なので、2年次以降はあまり見ることがなく、アナログの申し送り情報のほうが重要なのだという。

◇「クラス分けかるた」に記されるマーク
 この申し送り情報と、中学校入学以降の情報をもとに、カードが作られ、クラス分けの「かるた」が行われる。時期としては、3学期から情報整理が始まり、新学期が始まる前の春休み中に、1つの学年に関わる全教員、担任や学年主任を中心に7~8人による“かるた大会”となり、本音のディスカッションが繰り広げられる。副校長・校長は参加しないという。

 「カードは、だいたいエクセルで、まずPC上で作ってから、プリントアウトします。生徒1人あたり、A4サイズの紙を4分割した大きさ。その1枚には、氏名性別、そして申し送り事項の文章が数行と、定期考査の点数に加えて、以下の隠語を意味するマークが記されます」(中堅教員)

 L=リーダー格。「エル」
 小L=サブリーダー格。「コエル」
 大M=問題大アリ生徒。「オオエム」
 小M=問題小アリ生徒。「コエム」
 C=Care、手間がかかる生徒、学習障害児など。「シー」
 MP=モンスターペアレント、親がモンスター。「エムピー」

 ベテラン教員が解説する。
「これらに加え、体育における運動神経のバランスも考えますし、音楽におけるピアノができる子も、ばらけるよう考慮します。『いまMの数、何個?』とか言いながら、カードを入れ替え、クラス分けしていきます。特定の相性が悪い2人、『あの子とあの子は一緒にしちゃだめ』というのも、必ずチェックします。このカード情報は外部に漏れたら確実にヤバいことになりますが、各学校で必ずやっていることで.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



中学校の国立私立進学率は、最下位の江戸川区が、トップ文京(45%)の4分の1未満と、23区内でも格差が大きく、公立校生徒の質も異なる。元データ=令和2年度公立学校統計調査報告書(東京都教育委員会)。
2021年度東京都公立学校教員採用試験候補者選考データ
中学生が「なりたい職業」1位が「学校の先生」
「批判的に考える必要がある課題を与える」が48カ国平均の5分の1と断トツで低い日本の中学校教育(国立教育政策研究所「我が国の教員の現状と課題」より)
中学校の組織と職種、体制図

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    23:56 05/26 2021
生徒の資質別、能力別、運動能力別クラス分けをするのが結局一番良いのでは無いのか。ここまでして苦労してクラス分けをする労力より効率的に苦労できると思うが・・・