材料偽装疑惑が発覚した大野精工の加茂第一工場。トヨタのプリウスの部品も製造している。
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トヨタ向けの自動車部品納入などで7年連続2ケタ成長を遂げている下請けメーカーの大野精工で、材料偽装の疑惑が発覚した。ステアリング部分の部品に、通常とは異なる不適切な素材を使って製造、その素材名を『くれぐれも、現品表には記入しないように』と通達し、わざと伏せて取引先に納品した、というのだ。安全面でも問題のある材料偽装の実態を、現場で働く社員に聞いた。
【Digest】
◇食品偽装のニュースから材料偽装の疑いを抱く
◇素材名を記入するなと文書での指示
◇製造ロット記録表が示す材料偽装の証拠
◇材料偽装を生んだ背景とは
材料偽装の疑惑が発覚したのは、新潟県新潟市に本社のある大野精工株式会社。
トランスミッションやブレーキ部品などを製造する自動車部品メーカーで、年間の売上高は100億円を超え、7年連続2桁の伸びを示す地元の優良企業だ。
主要な取引先は、30年来の得意先である日産自動車系の臼井国際産業をはじめ、デンソー、アイシン・エイ・ダブリュなどだが、1999年からはトヨタへの部品提供を開始し、プリウス、ハリアー、エスティマなどの主要部品を直接納入している。
大野精工のリクルート用のサイトでは、トップページにトヨタ車に使われる部品の紹介を載せている。
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大野精工のリクルート用サイトのトップページには、「トヨタが認めた大野精工の技術」としてトヨタ車に提供している部品を詳しく紹介 |
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また、2005年からはトヨタ系列のダイハツ工業への直納も行っている。
トヨタ、ダイハツとの直接取引が増えるとともに、大野精工は大規模な設備投資を繰り返してきた。現在、本社には第1~11工場まであり、敷地内に第12工場を建設している。また、新潟市に隣接する加茂市にも加茂第一・第二工場が稼動している。
この加茂第一工場で、昨年の夏頃に材料偽装が行われた疑いがあるという。
◇食品偽装のニュースから材料偽装の疑いを抱く 情報を寄せたのは、大野精工社員のAさん。
問題の製品は「ノーズピース」という名称で、ステアリング部分の部品だという。
Aさんによれば、ノーズピースがどこの自動車メーカーの部品に使われているかは不明だが、ノーズピースの納入先はNSKステアリングシステムズの群馬県前橋市にある総社工場だという。
その親会社である
日本精工の朝香聖一社長は、トヨタ自動車に部品や車体を供給するサプライヤーの連合である「協豊会」の会長を務めている。大野精工は、まさにトヨタ車を構成する部品の中核を担っている、ということだ。
Aさんが材料偽装の疑いを抱いているのは、昨年の6月から8月頃に製造された部品だが、偽装を疑うようになったのは今年に入ってからだという。
「最近のニュースで、いろいろな食品の偽造が話題になっていたので、それを見ていて、もしかしたら、ウチの会社で行われていたことも偽装だったのではないか、と考えるようになりました
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製造ロット記録表1・2
材料偽装疑惑の根拠となる製造ロット記録表。「ノーズピース」という部品の2007年6月から8月にかけての全工程の記録表。「6/28② 圧造ロットBL-395 熱処理ロットG-26」の備考欄に「O&K素材」とあるのが、「杉田材」と呼ばれる通常の素材とは異なる素材であることを示している。
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熱処理作業指示書の見本。「O&K素材」が使用された際には、中央右側にある「注意事項(赤字で記入)」欄に「オーアンドケー素材(O&K素材)」と記入されていたという。この指示書は通常の素材を使用したもののため、「注意事項」欄は空白になっている。

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