ヤマト運輸CMより
|
先月、母手作りのジャムが破損した状態で届けられた。これに対するヤマト運輸の対応は、利用者の心をおもいやるものとはとてもいえなかった。対応が遅い。破損原因の調査もしない。実に不誠実で不十分だ。届ければいいってものではない。
2004年11月22日、私の母は近くのヤマト運輸株式会社1営業所に、しっかりときれいに梱包した「手作りの瓶詰め柚子(ゆず)ジャム」をもちこみ、配送をお願いした。11月23日、それが破損した状態で私のもとに届けられた。品物が「ワレモノ」であること、「瓶詰」であることが伝票に記されていた。「ワレモノ」のラベルも貼られていた。私はすぐヤマト運輸に連絡した。
|
破損した瓶詰柚子ジャム |
|
対応した君津営業所の女性事務員は、この件を荷物の発送を依頼した人、つまり私の母に伝えてよいか、と私に聞いた。私は、「母に連絡するのはやめてほしい」といった。すると彼女は電話口で「すでにご連絡さしあげました。お留守だったようなので、留守番電話にこの件をいれました」というのである。
私は、破損した荷物をすぐに見にきてほしい、と頼んだ。「すぐに行く」といっているのに、いつまでたっても連絡がない。何度も私から「来てほしい」と連絡した。ようやく、11月24日、私の近くにあるヤマト運輸株式会社1営業所から「マネージャー」との肩書きを持つ
加藤公洋さん
が、破損した荷物を見にきた。
--このようなものを破損してしまった場合、どのようにヤマト運輸さんは責任をとるのか
加藤「同様の商品を見つける」
--これは私の母が丹精こめて作ったもので、他にはない。世の中に1つしか存在しないものだ
加藤「弁償金額を提示していただくしかない」
--値段のつけられないものを破損してしまった場合の責任のとり方について、ヤマト運輸さんにルールがないのか?
加藤「ない」
--どうして、このように破損してしまったのか?
加藤「こまかな振動で、このようになることがある」
--それがわかっていて、それをヤマト運輸さんは放置していたのですか?
加藤「通常ワレモノについては荷物を受け取った営業所でクッションを巻くなどの処置をするのだが、それを怠った」
私は、11月25日、加藤さんの勤めるヤマト運輸株式会社営業所を訪ね、次のような手紙を渡した。
加藤 公洋 様
伝票番号:2195-2920-2045 宅配物の破損について
1. 弁償金額提示
宅配物は千葉県木更津市在住の私の母親が、岩手県一関市在住の私宛に送付した手作りジャムでした。このジャムは私の母親が長い間丹精こめて育てた柚子の木からとった柚子の実を時間をかけて煮込んだものです。
これに値段をつけることはできません。私にとってはかけがえのないものです。どんな最高級ワインよりも高価なものです。しかしながら、このような事態にいたり、弁償金額を提示せざるを得ません。私はある新聞記事を思い出しました。それは次のようなものです。
「英女王戴冠50年」キリンビールは29日、英国のエリザベス女王の戴冠(たいかん)50周年を記念して全世界で255本しか販売されない高級ウイスキー「ローヤルサルート50年」のうち6本を、日本国内で販売すると発表した。英老舗メーカー、シーバスブラザーズが50年以上熟成させた原酒のみをブレンドした究極のスコッチウイスキーという。瓶のプレートやキャップには金や銀を使用し、価格は1本100万円だ。6本のうち3本は、6月2日から三越日本橋本店で先着順に販売する。残り3本は6月2日から7月15日までキリンのホームページで申し込みを受け付け、希望者が多い場合は抽選する。売り上げは、登山家の野口健氏が取り組んでいる清掃登山などの環境保護活動に寄付される。(2003年5月30日読売新聞)
私にとって母親はエリザベス女王よりも大切な存在です。シーバスブラザースは最高のスコッチウイスキー製造職人だとおもいますが、私の母親は世界一のジャム職人だと思っています。
上記「ローヤルサルート」は1本100万円だそうです。全世界で255本しか発売されませんでした。しかし私の母がつくったゆずの手作りジャムは世界に1 本しかありません。つまり「ローヤルサルート」にならえば、私の母の手作りジャムは255本分の価値がある。2億5500万円です。上掲の記事のとおり日本では6本が国内販売されたそうです。先ほどの例にならって私の母の手作りジャムを日本で入手したとすれば600万円です。
繰り返しますが、私の母の手作りジャムに値段をつけることはできません。どうしても弁償金額を提示しなければならないとすれば以上のようになります。
ヤマト運輸さんが行っている事業は、「もの」だけでなく「気持ち」を届ける商売であろうと思います。遠隔に住む自分のこどもに届けようと一生懸命に煮込んだジャムが破損してしまった。ガラスの破片がジャムに混じってしまい、危険で、食することもできない。それを知った母親の落胆ぶりは想像するにあまりあります。それを考えたからこそ私は、宅配物が破損してしまったことを、母親に伝えなかったのです。
以上のとおり「もの」と「気持ち」に対する弁償として提示させていただく金額は、600万円から2億5500万円となります。ヤマト運輸さんの誠意ある対応を期待します。
2. ヤマト運輸株式会社君津営業所の対応について
1.で述べたとおり、私は、この件を母親に知られたくありませんでした。あまりの落胆に健康を害してしまうかもしれないと怖れたからです。しかし君津営業所の方は、この件を母親の留守番電話にいれてしまいました。私は、宅配物が破損してしまったことを母親に伝えざるをえませんでした。
|
伝票にはワレモノ、瓶詰と明記されている |
|
私はこの件で君津営業所の方に謝罪を求めます。木更津の母親のところに謝罪に行くのはやめていただきたい。それは、いたずらに母親の心をかき乱すだけです。留守番電話をいれた方、およびその管理者は、一関市の私のところまできて謝罪すべきです。
以上、弁償金額と謝罪の件について、ヤマト運輸さんの誠意ある対応をお願いいたします。
すみやかにご回答いただければ幸です。
2004年11月25日
これを加藤さんは受け取った。
この手紙が君津営業所にファクスされたらしい。
営業担当
鈴木正晴さん
が、私の家にやってきた。
.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
|
事故に対応したヤマト運輸社員にファクスを送った |
|
