「GMOスピード翻訳を登録解除されました」 好みの問題なのに「誤訳」と断定
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スピード翻訳のリアルタイム取引状況 |
- Digest
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- スピード翻訳で仕事をするに至った経緯
- 上位5位に入っていたことも
- ペナルティ規定の問題
- トラブルの火種
- 訴訟に至るまで
- 和解は不成立に終わる
- 流暢さは主観的に判断される
- 控訴審へ
- トラブルはどうすれば防げるのか
スピード翻訳で仕事をするに至った経緯
私は大学院卒業後、編集プロダクションや翻訳会社等での勤務を経て、2008年より、在宅で英語翻訳の仕事に従事している。本業が、フリーの翻訳業だ。
サイドビジネスとして『GMOスピード翻訳』でも仕事をするようになったのは、JTF(日本翻訳連盟)のサイトで、スピード翻訳の求人広告を見て応募し、「トライアル」と呼ばれる試験に合格して、2009年2月9日から正式にスピード翻訳の英語翻訳者として登録されたからである。
トライアルは、4つのパラグラフを訳すだけ(日→英、英→日)という、比較的簡単なものだった。
(※スピード翻訳は、プロの翻訳者が直接翻訳する人力サービスで、最短30分で納品。料金は30分が2100円均一で、90分以降は1文字8~20円のワード換算となる。最小依頼文字数は100文字。)
他に、「Webで翻訳」、「Gengo」、「トランスマート」などがあるが、オンライン翻訳サイトとしてはスピード翻訳が最大手と聞いている。
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常務取締役(現在は代表取締役の古谷祐一氏)からのメール。これはペナルティが取り消された際のもの。![]() |
スピード翻訳の特徴は、24時間365日、サイトを介して仕事が取れるところ。これは、まだ翻訳業としては駆け出しで、受注が必ずしも安定していない自分の状況には、魅力的だった。
具体的な流れとしては、サイトに新しい翻訳の依頼がアップされると、登録翻訳者全員にメールで通知される。翻訳者は、サイトにアクセスして、対応できると思ったら、「申請」というボタンを押す。最初に申請した人が仕事を取ることができる仕組みだ。
報酬は、安いものである。これは、「翻訳者の取り分は顧客の支払額の3分の1」という設定のためだ。一般的には半々であることが多い。当時は、中国や台湾の翻訳会社からも、仕事を受注していた。
上位5位に入っていたことも
ただし、仕事量は他の類似の会社に比べ、多かった。私は以下に述べるトラブルが発生するまで、多数の仕事を引き受け、会社側から信頼を得ていたと感じている。
スピード翻訳のサイトでは、全登録翻訳会員の累計受注回数が表示される仕組みになっていたが、私は翻訳案件の累計受注回数において、全登録翻訳会員の中で、上位5位以内に入っていたことがある。
また、スピード翻訳側から「当社の強力な生命線」という賛辞を受けている(右記)。
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スピード翻訳からの支払調書![]() |
実際のところ、一時期、私にとっても、スピード翻訳は、生命線だった。スピード翻訳からの年当たりの収入は
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ペナルティー規定
問題とされた原文、および、原告・被告双方の訳文(抜粋)
計17630円の3分の1が収入となる仕事であった。パラグラフ全体と、原告・被告双方の訳文。赤字が原告(筆者)、青字が被告(スピード翻訳側)。
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InterQは昔からゴミ。
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