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島が沈む日(沖縄)

情報提供
 先日5月3日、八重山諸島にある鳩間(はとま)島で音楽祭が開かれました。普段の人口が50人程度の島に集まった観客は400人以上。「この日は島が沈むさ」と言っていた鳩間のおばあの言葉をあらためて実感しました。

音楽祭を開催した鳩間島は、石垣島を中心とする八重山諸島の中でも、ほとんどと言ってよいほど観光地化されていません。民宿が数軒あるものの、島に渡る船が少なく、一日に一本石垣島から出る船の他には、臨時に寄港することがあるかないか・・・。商店は一軒です。2年前、僕が訪れたときには、西表島から一日一往復している郵便船(片道1,000円)に便乗させてもらったものです。

ただ、今年で7回目を迎える音楽祭の日だけは別。この日を楽しみにしている、多くの島好き・鳩間好きのために、石垣島と西表島からの船が増便されるのです。とは言っても3本程度ですが。

この船に乗って島に着くと、皆が島で一ヵ所の広場に向かって行きます。そこにあるのは数軒の屋台とステージだけ。客席は適当な場所に敷物をしいて自分で作ります。もちろん木陰がベストポジションであるのはいうまでもありません。

音楽祭では八重山民謡だけでなく、ベンチャーズのコピーバンドやサンバ、小中学生の合唱なども演奏されました。観客もそれをゆんたく(おしゃべり)しながら、または手拍子をしながら眺めます。そして祭りも佳境に入ると、三線・たいこ・キーボードなどによるカチャーシー(沖縄の伝統的な踊り)になります。酒を飲みながら眺めていた観客たちがステージ前に集まって踊り始めるのです。

船の時間に合わせて午後4時でいったんお開きになった音楽祭は、そのあと後夜祭になり、いつ果てるともなく続いていきました。僕は会場の隅で寝袋にくるまって寝ていましたが、夜中の3時ころに目が覚めると、まだ三線と笛の音が鳴り響いているほどです。翌朝、島の人と観客が一緒になって音楽祭の片づけをした後、島の人たちはまた輪になって泡盛の一升瓶を回していました。

 こうして「島が沈む日」は音楽と酒にも沈みながら過ぎていきました。

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読者コメント

pato2008/02/01 02:51
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記者からの追加情報

 記事中で、音楽祭の夜に寝袋で寝た、と書いていますが、ふだんの鳩間島はキャンプ禁止です。この日だけは宿に入りきれないほどの人が集まったのでお目こぼしがありましたが、他の日にはやらない方がよいと思います。
 それと、沖縄でキャンプ・野宿をする時には蚊取り線香をお忘れなく。