駐禁取締り民間委託 次のターゲット「車庫法」条文は根拠薄弱
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情報公開請求で根拠を聞いたが… |
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- 大義名分が見当たらない
- 情報公開請求へ
- あまりに不誠実な「小役人」対応
- 解説:警察庁が狙うのはすべての交通違反取り締まりの民間委託
警察庁は「取り締まり件数(2005年・159万3377件)を2倍へ増やす」と公言しており、将来、車庫法で禁止された駐車違反、すなわち長時間駐車違反(20万円以下の罰金)に関しても、警察の天下り法人が取り締まることが予想される。
ただし、長時間駐車を禁止する車庫法第11条第2項(下掲)は、はなはだ不可解だ。
何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。
1 自動車が道路上の同一の場所に引き続き12時間以上駐車することとなるような行為
2 自動車が夜間(日没時から日出時までの時間をいう。)に道路上の同一の場所に引き続き8時間以上駐車することとなるような行為
長時間駐車が、昼間12時間以上、夜間8時間以上と定義された理由は何なのか。特段、区別する必要も感じられないし、「この法律は、(中略)道路交通の円滑化を図ることを目的とする」(車庫法第1条)というのであれば、むしろ昼間の長時間駐車のほうが、より短い時間で取り締まられるべきだ。
大義名分が見当たらない
しばしば、警察は、ほとんど交通量がない道路で長時間駐車を取り締まる。しかも、昼間ではなく、深夜や未明に行う。「ノルマ達成のための取り締まり」と国民からすこぶる評判が悪い。ちなみに、警察庁も常々、「目標管理(ノルマ)はある」と認めている。
このような取り締まりを前提とすれば、長時間駐車が、昼間より夜間のほうが短い時間で定義づけられているのもうなずける。取り締まりの効率がよくなるからである。
いずれにしても、警察庁が大義名分としている理由が知りたくて、法律書や実務書、車庫法制定(1962年)当時の国会の会議録などを調べた。しかし、長時間駐車が、昼間12時間以上、夜間8時間以上と定義された理由は、どこにも記載されていない。
警察庁で質問すると、井上卓彦交通局交通規制課環境対策第2係長(車庫法担当)は、「私が前任者から引きついだ解説書にもない」と困惑していた。
情報公開請求へ
そこで筆者は、2006年7月31日付で警察庁に「自動車の保管場所の確保等に関する法律第11条第2項で定める禁止事項につき、12時間以上駐車することおよび夜間8時間以上駐車することが禁止事項とされた根拠がわかる文書」を情報公開請求した。
情報公開法は、「開示決定等は、開示請求があった日から30日以内にしなければならない」(第10条第1項)と規定する。その期限の最終日、2006年8月30日付で警察庁から「行政文書不開示決定通知書」が郵送されてきた。
「警察庁においては、請求に係る文書を保有していないため、不存在につき不開示とした」
つまり、警察庁自身も、長時間駐車が、昼間12時間以上、夜間8時間以上と定義された理由がわからないというのである。
あまりに不誠実な「小役人」対応
にわかには信じがたく、井上係長へ電話し、「どの範囲の調査を行い、『文書不存在』と決定したのですか」と尋ねると、「答える必要はありません」と言われた。
あまりの不誠実さに驚きながら、「『文書不存在』というのが事実だとして、長時間駐車が、昼間12時間以上、夜間8時間以上と定義された理由について、あなたは口頭で説明できますか」と尋ねると、
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読者コメント
訂正寺沢さん→寺澤さんでした。失礼しました。
自宅は駐車場や車庫が多くあるアパートで、狭い路地に路上駐車していると迷惑なので通報します。他にも、ススキノのタクシーとか、一般車の通行を妨げるような客待ちは迷惑ですね。車を管理する所有者は、公共の迷惑に敏感になるべきです。たぶん寺沢さんの趣旨は「迷惑している」側とは逆の、過疎地域の方では賛同を得られるとは思いますが、確信犯の違反者が迷惑な所に出てくれば確実に迷惑ですね。
高齢化になりつつある住宅地の町内で一斉取締りがあったようで(やはりノルマの為?!)私はたまたま子どもと一緒に実家に帰省していて、違反になってしまいました。違反は違反なので納得していますが、初めてする違反が、裁判所出頭、前科がつくなんて、かなり落ち込みました。こういうケースはなんだか悔しいですね。近くにパーキングもないし、次回からはどこか遠くにとめるしかないのかなぁ・・・はぁ~
昼間は迷惑。夜は不愉快。不愉快の方が恨みが深いから車とめた人と住民との意識のギャップが激しいのでしょうね。
きちんと車庫証明とその実態が確認できれば、昼も夜も駐禁(道交法)で取り締まるべき。10年前疲れ果てて帰ってきてとても機械式の車庫にバックで入れる自信がなかったので団地脇のまったく車の通らないところにとめて一眠りしてから戻ったらやられてた。後始末も大変でした。
「市民からの質問を広報室を通してくれ」ではないようなので、納税者のみなさん、国民のみなさん、車庫法でわからないことがあったら、警察庁代表(03-3581-0141)「内線5188」の井上さんに電話して聞いてみるとよい。わたしも「またいろいろと教えてください」と言ったら、「どうぞ」ということだった。
法律ができてもう40年以上も経っているし、説明もよくわからないので、「井上さんもそれでいいと思っているんですか?」と聞いたら、「改正する必要はないと思っている」とのこと。国民からの対応についてもう一度聞いてみると、「寺澤さんとのことでそう申し上げただけで、おしなべてそういう対応ではない」そうだ。やはり彼はVIP扱いのようだ。
昼間12時間、夜間8時間の定義について、「12時間は1日の半分。1日の半分を継続して駐車するのは想定しがたい。夜8時間は、日没から日の出まで8時間超えることはない、当時は就寝以外想定しがたい」とのこと。書類がないので、昭和37年にできた法律を井上さんが推測して考え出して「思うに」ということらしい。
警察もそんなに忙しいのかなと思ったのだが、「電話をしてくれる」とのことなので、お願いしようかと思ったが、でも、そんなの当てにならないので「また必ず電話します」と言って電話を切った。改めて井上さんに電話してみた。「マイニュースジャパンの記事読みましたか?」と聞いてみたら、「ちょっとだけ見ました。会員登録しないと見れないから」とのこと。
井上さんから「どちらさまで?」「一般の人ですか?」と言われたので、「納税者です」「1国民です」と答えたら、井上さんもなんだかこまってしまったようだった。けっきょく、そのときの対応なので、寺澤さんに対してしたような対応を必ずしもするわけではないそうだ。寺澤さんは、警察では「特別」対応のようだ。「昼間12時間、夜間8時間の定義を教えてほしい」については、「いま手が離せない」と言われた。
車庫法の担当者の井上卓彦警察庁交通規制課係長に電話して、この記事のことを伝えると、「マイニュースジャパンは知らない」とのことだった。不開示はともかく、「昼間12時間、夜間8時間の定義理由を知りたい」、国民から同様の質問があったときに「広報を通してください」と国民にも言うのかという寺澤さんの質問に、「仮定の質問には答えられない」と井上さんが言っていたことを聞きたかった。
諸外国では、自宅前道路が合法的に駐車場となっていたりするのですが、日本でも、そういう制度があってもいいと思います。 いずれにしても、警察が本当に迷惑な駐車違反を取り締まっていないのが問題です。
だれも迷惑してないと考えるより、誰かが迷惑しているんじゃないのか。と、考えることが大事じゃないでしょうか。人それぞれだから考え方が違うと言われればそれまでですけどね。次回記事も楽しみに待ってます。
寺澤さんの「誰も迷惑してない・・・」の文言には違和感を感じます。公道で邪魔にならずに駐車出来るところなんてありません。車の通行が皆無であっても歩行者・自転車は通ります。車持たない私からすると、夜中暗闇に停まっている車こそ迷惑そのものです。誰もに迷惑かけずに停めれるところ。それは自分の駐車場以外ありえません。家の中に入れずに家の前に停めてある自転車なんかも同じですけど。
「了解」って、警察官みたいですね(笑)。
「私が迷惑している」という人がいなければ、「誰も迷惑していない」と考えるのが当然だと思います。
寺澤氏は、この法律が気に食わない、と言いたいわけね。そりゃ、個人の自由だわ。
誰も迷惑していないって、どうして分かるんだろう?
「もっと掘り下げた記事」とは、例えば、どのようなものですか?
「みんなが迷惑している」ですか。「私が迷惑している」ならばわかりますが。「みんなが、みんなが」というのは、子どもっぽいと思います。
みんなが迷惑しているのを、知らないだけなんじゃないの?町の迷惑野郎というのは、大体そうだから。まぁ、寺澤氏がそうではない事を祈るけど。
私は庶民ですので。
お里が知れる発言だね↓
他人に迷惑をかけているわけでもないのに、警察に検挙されるのはおかしいと思います。 スジ違いな批判を受けるだけならまだしも。
「迷惑を掛けてなきゃかまわんだろ」というのは、電車で化粧する女子と一緒の理屈やね。
家の真ん前にクルマを止めていたという人の話も聞いてみたいですね。
「迷惑を掛けてなきゃかまわんだろ」というのは、大体止めている側の主観的発言ですね。先日も私の家の真ん前に車を止めていた野郎がいて、自転車を出すのも大変だったので移動をお願いしたところ「出入りする隙間ぐらいあるだろう」と逆切れされました。寺澤さんも、その手の方ですか?
クルマは移動手段ですから、停止する場所が必要です。それが公道なのは全然おかしくありません。「迷惑を掛けてなきゃかまわんだろ」、そのとおりです。
公道に車をず~っと止めている、ということは、公のスペースをプライベートな目的で使用している、ということになりますね。迷惑を掛けてなきゃかまわんだろ、ということになると、ホームレスも同じですね。がんばれ、ホームレスのおっちゃん。
実際、公道で捨てられているクルマも見かけますが、こちらは、警察がなかなか取り締まりません。 ナンバーなどがなく、捨てた人間はおろか、所有者さえも特定しにくいので、それならば、ふつうの駐車違反を何件も取り締まったほうが、楽チンかつ点数稼ぎになるからでしょう。
べつにかまわないと思いますけど。
駐車禁止区域でなければ、車を公道にず~っと止めっぱなしにしておいてもかまわないってことですか?
根拠がハッキリしない法律で年間1万5000人もが検挙されていることは大問題です。 もともと違法とする必要がないのかもしれません。 ヨーロッパなど、自宅前道路が車庫として利用されていたりします(合法)。
車庫法の主旨は、「車を持つなら車庫を持て」であり、「車は夜間には家の駐車場にあるべし」(イメージとしては、22時~6時までの路上駐車は車庫を持っていないとみなす)ではないでしょうか?12時間対8時間が全て10時間なら納得?駐禁取締りの民間委託が警察OBの天下り対策を糾弾することが主旨の記事が間違えた重箱の隅をつつくような記事に捕らえられる文書ですね。
40年以上も前に制定された法律の根拠を聞かれてもね~。第十一条 何人も、道路上の場所を自動車の保管場所として使用してはならない。の項に記されてるのだから、昼は仕事で車を使って、夜は家の前に路駐みたいなのを取り締まるために、夜間をより厳しくしたのでは?
つまらない違反を厳しく取り締まり、権力側が大きなイカサマを仕掛ける、警察国家になってゆく
>論点がずれてるよさんちゃんと記事やコメントを読みましょう。表面的な面しか見えず、指摘もずれています。
「長時間駐車が、昼間12時間以上、夜間8時間以上と定義された理由」と理不尽な取締は、どいう関係なんでしょうか?問題にすべきは、書庫法による取締りの、有為性じゃないのでしょうか?一体、どこの国民が取り締まりに反発してるんですか?反発してるのは、「運悪く」検挙された違法ドライバーだけでしょ?違うかな?
駐車違反は事件事故につながります。住宅地でも住民が迷惑しています。路上に放置されればごみにしか見えません。他人の迷惑考えよう!
私の近所の団地では、路上駐車が常態化し、救急車や消防車が入れず大問題に。そういう話を聞くと、夜間8時間でも長いように思うけど、車を持っている人はどうなのかな?商業活動のチョイ駐まで取り締まるのは、どうかとは思うけど(配達とか言って3時間も止めてた奴も居るが)。
反則金を納付せず、期限当日に違反者センターに問い合わせると「そのような事実がない」と言われ困惑。その約2ヵ月後、突然の出頭命令、協議後不服申し立て、県会議員に経緯を説明し県警本部長あてにその場で電話してもらい不手際を認めさせる。結局、検察庁預かりで行政処分のみで決着。キップ切った交通課長と卒配の2人、名指しで県警に抗議したから出世できないだろうな。
いわゆる駐禁ですかね。私は昨年、会社の前に15分ほど止めておいたらワッカかけられていました。派出所に行ったら「署のほうでキップきられている」と言われたので行ってみるとパトロール中にたまたま見つけたらしい。ナンバーから所有者もわかるはずだし呼び出しの放送もなかったと抗議。
コメントをありがとうございます。 車庫法違反(長時間駐車違反以外も含む)では、年間1万5000人ぐらいが検挙されています。 実際に検挙された方々のご意見も、ぜひおうかがいしたいです。
役人が模範を示さない昨今の社会状況からして、社会全体の規律が緩むのも当然なんですがね。おまけに、役所体質は相変わらずとくれば、増税の受け入れを国民は納得しないでしょう。小(駐車違反罰則金)を取って大(消費税増税)を失う結果になるかも。
ま、要は、駐車場に停めなきゃいかん。という規定ですな。それ以外は駄目なようにしてある訳ですよ。都心に昼間全ての車を駐車させられるだけの駐車場がない現状からすると、溢れた車はどうすればいいの?という疑問もありますが、まあ、ざっくばらんな対策であり、警察にとって、いい収入源になるんでしょうね。
条文の解釈が違うのでは?昼間12時間と解釈していますが、12時間の方は、昼夜問わずに、駐車してから12時間と解釈すべきでは?なので、夜間の8時間の方が短いという解釈はなりたちません。
警察権力の横暴ぶり、法令遵守違反ぶりは、この程度に収まりませんよ。警察だけでなく、役所全体にも当てはまります。昨今の不祥事を見ても明らかですよね。
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